AIでWeb制作が変わると、FDEとデザイナーの役割はどう変わる?

AIでWeb制作が変わると、FDEとデザイナーの役割はどう変わる?

AIでWeb画面の初期案を作るとき、FDEとデザイナーは何を担当すればよいでしょうか。制作物の目的、利用者が取る行動、情報とデータの正しさ、更新の運用を分けて考えます。特定製品の最新機能の案内ではなく、制作の役割と確認の方法を整理する記事です。

本文更新:2026年10月15日

目次

AIで初期案を作れても、目的と体験の設計は必要

画面ができたことと、仕事で使えることを分けます。

私はデザイナーやクリエイターの仕事がなくなる、と言いたいわけではありません。むしろ逆です。誰でも作れるようになるほど、プロの仕事は「作業」から「価値判断」へ移ります。何を見せるのか。誰に届けるのか。どんな順番で情報を置くのか。どの数字を可視化し、どの言葉を削り、どの体験を残すのか。そこに、人間の専門性が残ります。

ダッシュボードは、ただ数字を並べるものではありません。交通管制室や気象情報の画面を思い浮かべてください。大きなモニターに、今どこで何が起きているのかが一目で見える。風の向き、雨の強さ、混雑、警戒すべき場所。ああいう可視化は、情報を見せる順番、色、粒度、操作性が設計されています。企業の業務ダッシュボードも同じです。単にグラフを置けばよいわけではないのです。

AIで画面を試作する場合も、誰が何を見て、次にどんな行動をするかを決めます。使う情報、表示する順番、確認する人が分からないままでは、見栄えだけが先に完成してしまいます。

制作物を三つに分けて、担当と確認の深さを考える

自社作成・専門家への依頼・AIの下書きと人の仕上げを使い分けます。

読者が応用できる行動。 名刺、会社案内、採用資料、研修資料、Webページを棚卸しし、「自分たちで作るもの」「プロに任せるもの」「AIで下書きして人が仕上げるもの」に分けることです。ここを分けるだけで、制作コストと品質管理の議論がかなり具体的になります。

会社の顔になるページ、日常の業務画面、内部の試作品では、使う期間や失敗の影響が異なります。以下は分担を考える例で、制作物を一律に分類したり、費用を約束したりするものではありません。

公開するものは、内容、見やすさ、利用する素材、動作、問い合わせの経路などを確かめます。内部向けでも、情報の範囲、閲覧権限、更新担当の確認は必要です。

制作物の例分担の考え方確認の中心
会社・ブランドの顔専門家と目的・体験を設計する内容・ブランド・利用者の理解
業務画面・社内ポータルAIの試作を業務と技術の担当で直す数字・権限・更新・操作
内部メモ・試作品許可された範囲で自社作成する情報範囲・確認者・使う条件

デザイナーは、利用者が理解し行動できる体験を整える

文字、余白、順序、色、操作を目的に照らして判断します。

UXデザイナーは、単に画面をきれいにする人ではありません。ユーザーがどこで迷うか、どこで押したくなるか、どの情報があると行動できるかを設計する人です。車のドアを自然に引けるのも、アプリのボタンを迷わず押せるのも、当たり前に見えて、裏側には設計があります。AIが画面を作れる時代でも、その当たり前を設計する人は必要です。

AIが出した案を採用するかは、実際の利用者と確かめます。重要な情報が読めるか、リンクやボタンで迷わないか、スマートフォンでも内容が伝わるかを点検します。学習したパターンに似ていることだけで、目的に合う画面とは判断しません。

ブランドやコンテンツ、データの担当も必要に応じて協働します。デザインと技術を別々に完成させてから合わせるより、試作の段階で同じ画面を見て相談することが役立ちます。

FDEは、業務の目的とデータ・更新・利用条件をつなぐ

利用者の仕事に合わせ、画面の前後の運用まで考えます。

何が起きていたか。 たとえば営業部門が、毎週の案件状況を見える化したいとします。これまではExcelを更新し、誰かがグラフを作り、会議用にPowerPointへ貼り替えていました。数字を見る前に、資料を作る作業で時間が消えていたのです。

読者が応用できる行動。 まずKPI、KGI、データ元、更新頻度、閲覧権限を決めることです。きれいな画面づくりより先に、業務上の責任範囲を決める。ここがFDE的な仕事です。「この画面を見て誰がどんな行動を変えるのか」を一文で書けない段階では、まだ作る段階ではありません。

営業ダッシュボードの設計例なら、数字の定義、更新した時刻、抜けたデータの扱い、確認する担当をそろえます。自然言語で修正を依頼できる場合でも、内容が正しく変わったかは検証します。特定製品が自動で全て実現するという説明ではありません。

公開前の確認と、公開後の維持を分担する

作成、承認、更新、取り下げの担当を決めます。

ただ、ここで「指示すれば終わり」と考えると危険です。指示する側に、戦略と体験の設計力が必要になります。誰のための画面か。何を見れば行動できるのか。どの情報を載せてはいけないのか。どこに人間の承認を挟むのか。AIに作らせる時代ほど、実は人間の設計責任が重くなります。

公開前には、内容と数値、リンク、入力フォーム、PCとスマートフォンの表示を確かめます。公開後は、どの資料を基に誰が更新し、不具合や古い情報に気づいたときどこへ連絡するかを決めます。

制作の学習も、AIへの指示だけで終えず、利用者への確認、修正の理由、運用の引き継ぎまで含めます。FDEとデザイナーがそれぞれの専門性を生かし、使われる画面へ仕上げることを目指します。

よくある質問

AIが画面を作れればデザイナーは不要ですか?

目的に合う情報の順序や操作、ブランド、利用者の理解を判断する専門性が必要です。初期案を作ることと、使える体験を設計することを分けます。

FDEはWebデザインも全て行うのですか?

対象業務や技術をつなぐ役割と、デザインの専門性を組み合わせます。実装、体験、内容、運用の担当を決めます。

業務ダッシュボードは何から作りますか?

誰のどの判断を支えるかを決め、数字の定義、データ元、更新頻度、確認者、閲覧範囲をそろえます。

この記事はSitesの現在の操作説明ですか?

特定製品の提供状況や操作は扱いません。AIを使う制作全般について、役割分担と品質確認を考える記事です。

公開後は何を残せばよいですか?

更新する資料と担当、確認方法、問い合わせ先、不具合時の対応を残します。作成時の判断理由も、次の修正に役立ちます。

著者紹介

近
近森 満(ちかもり みつる)
株式会社サートプロ 代表取締役CEO|DXコンサルタント/IT人材育成/検定事業化

IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業。IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。

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■ 所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定・+DX認定・超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・経済産業省 地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省 地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁 デジタル推進委員(デジタル化支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)

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対象となる業務、現在の課題、育てたい役割をもとに、必要な学習・評価・実践の進め方を整理します。

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