AI格差はエージェントで広がる。
「持ち運べるスキル」で差をつける
2006 サートプロ創業 | 3種+ 創出した検定制度 | 初回無料 DX人材育成相談 |
✍️ 近森 満(株式会社サートプロ CEO)
#AIエージェント#生成AI#Skills#MCP#DX推進
・My GPTsやGemに依存しすぎることの危険性
・SkillsとMCPで自分の仕事の型を持ち運ぶ考え方
・AIエージェントへの乗り遅れを防ぐ組織の備え方
| 1AI格差は、使う量ではなく「持ち運べる力」で広がる |
| 2My GPTsやGemに閉じると、仕事の型がサービスに縛られる |
| 3SkillsとMCPは、AI時代の「自分の道具箱」になる |
| 4AIエージェントへの乗り遅れは、後から取り戻しにくい |
| 5まとめ: 専用AIを作る時代から、スキルを育てる時代へ |
| 6さいごに |
AI格差は、使う量ではなく「持ち運べる力」で広がる
AI格差はAIを使えるかではなく、自分の仕事の型や判断基準をAIに再現させ、どのサービスでも持ち運べるかで広がります。専用AIへの依存は仕様変更で分断される危険があります。
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
https://www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
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AI格差が始まる。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、私はいま本気でそう感じています。生成AIを少し触ったことがある人は増えました。ChatGPT、Gemini、Claude、Copilot。名前を知っている、要約に使ったことがある、メール文面を作らせたことがある。そこまでは、もう珍しい話ではありません。
ただし、AIエージェントの時代に入ると、差が出る場所は変わります。単にAIを使えるかどうかではなく、自分の仕事の型、判断の基準、文章の癖、企画書の構造、研修設計の考え方を、AIに再現させられるかどうかです。ここを持っている人と、毎回ゼロからプロンプトを書いている人では、成果の速度がまったく変わります。
私も、議事録のフォーマット、プレゼンテーションの雛形、書籍企画、画像生成、SNS投稿など、用途ごとの専用AIをかなり使ってきました。いわゆるMy GPTsやGemのような、自分専用の小さなアプリです。これがあると、同じ指示を毎回書かなくて済みます。考え方や出力形式をある程度覚えさせておけるので、日々の仕事がかなり楽になります。
ところが、ここで困ったことが起きます。こうした専用機能は、ベンダーごとに作法が違い、サービスの仕様変更にも左右されます。ある場所で作った資産が、別の場所ではそのまま使えない。もし機能が変わる、統合される、廃止されるとなれば、積み上げてきた仕事の型をもう一度移し替えなければならない。ここに、次のAI格差の入り口があります。
My GPTsやGemに閉じると、仕事の型がサービスに縛られる
便利な専用AIほど深く依存します。しかし一つのサービスに最適化した型は仕様変更で弱くなります。仕事の型はテキストや手順書として外に出せる形で持っておくことが重要です。
自分専用AIは便利です。便利だからこそ、深く依存します。会議メモをこの形式にする。提案書はこの構成にする。研修カリキュラムはこの粒度で出す。画像のトーンはこの方向で整える。こうした小さな型が積み上がると、もはや個人の仕事環境そのものになります。
しかし、仕事環境そのものを一つのサービス内だけに置いておくのは、少し危険です。昔のビデオ規格でVHSとベータが分かれていたように、どの規格に乗るかで後から大きな手戻りが出ることがあります。AIでも同じです。あるAIサービスにだけ最適化されたスキルは、そのサービスが変わった瞬間に弱くなります。
もちろん、ベンダーごとの機能を使うなという話ではありません。使えばいいのです。便利なものは使う。ただし、自分の仕事の型は、できるだけ外に出せる形で持っておく。テキスト、Markdown、手順書、チェックリスト、テンプレート、サンプル出力、評価基準として整理しておく。そうすれば、ChatGPTでもGeminiでもClaudeでも、あるいは社内AIでも、必要に応じて移し替えられます。
ここで大事なのは、AI活用を「ツール操作」ではなく「能力の設計」として見ることです。プロンプトを覚えるだけでは足りません。自分や組織が持っている暗黙知を、AIが読める形にする。これが、AIエージェント時代のデジタル人材に求められるスキルセットです。
事例: 企画書AIを一つのサービスに閉じ込めたチーム
何が起きたか。
あるチームが、企画書作成用の専用AIを作ったとします。背景、課題、提案、効果、実行計画まで、きれいに出してくれる。最初は非常に便利です。若手もベテランに近い構成で資料を作れるようになり、上司のレビュー時間も減ります。
何に気づいたか。
ところが、その専用AIの仕様が変わると、出力の雰囲気が急に変わることがあります。項目の順番がずれる。表現が軽くなる。リンクの扱いが変わる。別サービスへ移行しようとしても、元の指示や評価基準が整理されていないため、同じ品質を再現できません。
リスクまたは教訓。
便利なAIアプリそのものが資産なのではありません。資産は、その背後にある業務理解、判断基準、型、事例、NG例です。そこを外部化しておかないと、AIサービスの変更がそのまま業務品質の揺れになります。
読者が応用できる行動。
自分の専用AIを一つ選び、その中身を棚卸ししてください。目的、対象読者、入力情報、出力形式、守るべき表現、避ける表現、チェック項目を1枚にまとめる。これだけで、AIを乗り換えるときの手戻りはかなり減ります。
SkillsとMCPは、AI時代の「自分の道具箱」になる
MCPはAIと外部ツール・社内データをつなぐ共通規格、SkillsはAIに渡す能力パッケージです。両者を使えば特定サービスに縛られず、自分の仕事の流儀を持ち運べます。
最近、SkillsやMCPという言葉を聞く機会が増えました。MCPはModel Context Protocol、つまり大規模言語モデルが外部ツールや社内データと安全に連携するための共通規格です。AIにとってのUSB-Cポートのようなもの、と言うと少しわかりやすいかもしれません。
一方で、Skillsは、AIに渡す能力のパッケージです。どう振る舞うか、どんな手順で進めるか、どのテンプレートを使うか、どんな品質基準で見るか。これをテキストやファイルとしてまとめておくことで、AIに自分の仕事の流儀を渡しやすくなります。
私はここに、AIエージェント時代の重要な方向性を見ています。特定のAIサービスの中にだけ存在する専用アプリではなく、自分のスキルを持ち運ぶ。いわば、自分の箸を持ってどの料理店にも行けるようにする感覚です。少し変なたとえかもしれませんが、要するに「場所が変わっても、自分の作法を使える」状態です。
DX推進の現場でも同じです。人材育成・教育支援、研修講座・eラーニング、資格制度、営業提案、採用、評価、オンボーディング。それぞれの業務には、言語化されていない型があります。AIエージェントに任せるなら、その型をSkills化し、必要なデータやツールはMCPでつなぐ。ここまで考えると、AI活用は一段深くなります。
人や組織の変化で詰まったときの参考図書として、私の著書『マインド・トランスフォーメーション AI時代の思考革命: AI時代に必要な人間OSのアップデート』も、必要に応じて手に取っていただければと思います。技術だけでなく、技術を使う人間OSをどう更新するか。ここが、AI時代の分かれ道になります。
事例: 採用面接の評価基準をSkills化する
何が起きたか。
エンジニア採用では、面接官ごとに評価の見方が少しずつ違います。技術力を見る人、成長可能性を見る人、チーム適応を見る人、事業理解を見る人。それぞれ大事ですが、基準が曖昧だと、候補者体験も評価品質も安定しません。
何に気づいたか。
ここで、職種別の評価観点、質問例、深掘りの仕方、避けるべき質問、候補者へのフィードバック方針をSkillsとしてまとめておくと、AIは面接準備や評価メモ作成の補助役になります。もちろん、採否判断をAIに丸投げするのではありません。人間が責任を持って判断するための整理役として使うのです。
リスクまたは教訓。
AIに任せる範囲を誤ると、バイアスや説明責任の問題が出ます。一方で、何も使わなければ属人化が残ります。大事なのは、AIに評価を決めさせることではなく、人間の判断基準を透明にすることです。
読者が応用できる行動。
まず一つの職種で、評価項目と質問例を文書化してください。次に、良い回答例、注意が必要な回答例、追加質問の例を並べる。これをAIに渡せる形にするだけで、採用、人材育成、キャリアパス設計の精度が上がります。
AIエージェントへの乗り遅れは、後から取り戻しにくい
AIエージェント活用は経験の蓄積が効きます。任せる粒度や確認のタイミング、失敗の戻し方は研修一日では身につきません。組織として使う業務と運用ルールの設計が必要です。
AIエージェントは、単なるチャットの延長ではありません。調べる、考える、ファイルを読む、ツールを操作する、下書きを作る、チェックする、必要なら修正する。こうした一連の流れを、人間と協働しながら進める存在です。ここに慣れている人と、まだ検索窓としてしかAIを見ていない人では、仕事の組み立て方が変わります。
乗り遅れが怖いのは、知識の差だけではありません。日々の仕事の中で、AIに任せる粒度、確認するタイミング、失敗したときの戻し方、セキュリティ上の注意点、ハルシネーションの見抜き方が、経験として蓄積されるからです。これは、一日研修を受けただけでは身につきません。
特に管理職や人事、教育担当者は、AIを使う個人を増やすだけでは足りません。組織として、どの業務で使うのか、どの情報は入れないのか、出力を誰が確認するのか、失敗をどう共有するのかを設計する必要があります。ここを放置すると、使う人だけが勝手に進み、使わない人はどんどん置いていかれます。
私は、これからのリスキリングは、単に新しいツール名を教える研修ではなく、仕事の型をAIに渡す訓練になると思っています。自分の業務を分解する。判断基準を書く。事例を整理する。AIに試させる。出力を直す。もう一度型に戻す。この反復が、AIエージェント時代のマインドセット、マインドシフト、マインドチェンジを作ります。
事例: AIを辞書で止めた部署と、相棒にした部署
何が起きたか。
同じ会社の中でも、AI活用の差はすぐに出ます。ある部署は、AIを用語確認や要約だけに使います。別の部署は、週次会議の論点整理、顧客提案の仮説作り、研修資料の改善、FAQ更新、採用広報の下書きまでAIと一緒に進めます。
何に気づいたか。
半年後、差は単なる作業時間ではなく、学習速度に出ます。後者の部署は、プロンプトだけでなく、社内で使えるテンプレート、失敗例、チェックリストが増えています。つまり、AIを使うたびに組織知が増えているのです。
リスクまたは教訓。
AIを辞書で止めると、便利ではありますが蓄積が弱い。AIを相棒として扱い、仕事の型を更新し続けると、組織の学習資産が増えます。ここが周回遅れになるかどうかの分岐点です。
読者が応用できる行動。
部署ごとに「AIで毎週更新する資産」を一つ決めてください。営業なら提案テンプレート、人事なら面接質問集、研修なら教材改善メモ、開発ならレビュー観点。AIを使った結果を残す場所を作ることが、デジタル・トランスフォーメーションの実装になります。
まとめ: 専用AIを作る時代から、スキルを育てる時代へ
重要なのはどのサービスが勝つかではなく、自分と組織の能力をどのサービスでも使える形にすることです。型を外部化すればSkillsとMCPがAIエージェント時代の土台になります。
今回のテーマは、AIエージェントへの乗り遅れです。けれど、焦るだけでは意味がありません。重要なのは、どのサービスが勝つかを当てることではなく、自分や組織の能力を、どのサービスでも使える形にしておくことです。
My GPTsやGemのような機能は便利です。使えるうちは使えばいい。ただし、その中に入っている自分の知恵を、外に出せる形で整理しておく。目的、手順、テンプレート、事例、チェックリスト、NG例を残す。それがSkillsになり、必要な外部接続がMCPになり、AIエージェント時代の仕事の土台になります。
DX推進、デジタル人材育成、スキルチェンジ、キャリアパス、超知性リテラシー。これらは別々の話ではありません。AIを前提に、人と組織の能力をどう再設計するかという一つの話です。デジタル3兄弟とマインド3姉妹のように、技術とマインドをセットで変えていく必要があります。
読者の皆さんはどうでしょうか。いま使っている専用AIの中身は、明日別のAIサービスに移せるでしょうか。もし移せないなら、今日から少しずつ書き出しておくことをおすすめします。AI格差は、道具を知っている人と、道具を持ち替えられる人の差になっていきます。
さいごに
超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向け、自分自身をアップデートし続けることが重要です。DX人材育成やIT教育研修の課題は初回無料コンサルでご相談いただけます。
本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。
「社員のDXマインドをどう高めるか?」、「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。
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次回の記事も、どうぞお楽しみに!
よくある質問
重要なキーワード解説
Skills
AIに仕事の手順・品質基準・テンプレート・判断ルールを渡す能力パッケージ
Skillsは、AIに渡す仕事の手順、品質基準、テンプレート、判断ルールをまとめた能力パッケージです。特定サービスの機能に閉じず、自分や組織のスキルセットを持ち運ぶ考え方として重要になります。
MCP
AIが外部ツールや社内データと連携するための共通規格
MCPはModel Context Protocolの略で、AIが外部ツールや社内データと連携するための共通規格です。AIエージェントが安全に業務システムへ接続する土台として、今後のDX推進で理解しておきたい概念です。
AIエージェント
調査から作成・検証・修正まで人間と協働して進めるAI活用の形
AIエージェントは、会話だけでなく、調査、整理、作成、検証、修正までを人間と協働して進めるAI活用の形です。Agentic AIの時代には、AIを検索窓ではなく仕事の相棒として設計する力が求められます。
著者紹介
近森満(ちかもり みつる) 株式会社サートプロ 代表取締役CEO / DXコンサルタント/IT人材育成/検定事業化 IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定・+DX認定・アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。 | ![]() |
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省 地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省 地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁 デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)
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