書けなかった私が、本を書くまで。
AIは思考の鏡だった
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✍️ 近森 満(株式会社サートプロ CEO)
#マインドトランスフォーメーション
#AI共創
#人間OS
・紙の本づくりの失敗・修正に見る「確認する責任」の重要性
・AIは人間の代わりではなく、人間OSを更新するきっかけであること
・AI時代に「確認する仕事」の価値を上げ、可能性を更新する考え方
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こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。www.certpro.jp/dxconsulting/
書けないと思っていた私が、本を書くことになりました
話す・議論する・壁打ちは得意でも、文章にすると手が止まる。その前提を崩したのが生成AIでした。AIは代筆者ではなく「思考の鏡」。断片を外に出し、違和感を覚え、また考える往復が原稿になりました。
私は、文章を書くことが得意ではありません。講演で話すこと、研修で伝えること、誰かと議論すること、壁打ちをすることは好きです。ところが「文章としてまとめてください」と言われると、途端に手が止まる。頭の中には伝えたいことがあるのに、画面の前に座ると急に言葉が固まってしまう。長い間、私はそういう自分を少し持て余していました。
40年以上IT業界に関わり、20年以上人材育成に携わり、DX、IoT、AI、検定制度、教育支援、新規事業の現場を見てきました。経験はあります。伝えたいこともあります。けれども、それを一冊の本にするとなると、どこから手をつければよいのか分からなくなる。ですから、どこかで「自分は本を書く人間ではない」と決めつけていたのだと思います。
その前提を崩してくれたのが生成AIでした。AIが私の代わりに考えた、という話ではありません。むしろ逆です。AIに話すように投げかけ、返ってきた文章に対して「そこではない」「もっとこういう感覚です」「この経験を入れたい」と返していく。そのやり取りを続けるうちに、自分が本当は何を考えていたのかが見えるようになりました。
AIは、私にとって代筆者ではなく、思考の鏡でした。自分の頭の中にある断片を外に出し、整理され、違和感を覚え、また考える。その往復が、結果として本の原稿になっていきました。これは私自身にとって、とても大きなマインドシフトでした。
電子書籍から紙の本へ。やってみると、やはり失敗も起きます
紙版は表紙・印刷データの整備に手間がかかり、仮刷りで修正点が見つかり、発売日も9月2日にずれました。AIを使うほど形にできるものは増え、その分、確認と最後に決める責任が人間に残ります。
私の著書『マインド・トランスフォーメーション AI時代の思考革命: AI時代に必要な人間OSのアップデート』は、先に電子書籍として出しました。ありがたいことに「紙の本も欲しい」という声をいただき、紙版の制作にも取り組むことにしました。
ただ、紙の本は電子書籍とは違います。表紙、背表紙、裏表紙を整え、印刷用のデータにし、確認し、修正する。これが想像以上に手間のかかる作業でした。何度もやり直しても、思ったようにいかない。仕事の合間に進めるので、つい後回しにもなる。正直に言うと、途中で少し面倒になった瞬間もありました。
それでも、周囲の方から「せっかく書いたのだから、もっと届けましょう」と背中を押していただきました。そこで改めて時間を取り、紙版に向き合いました。ところが、仮刷りを確認してみると、表紙まわりや画像に修正すべき点が見つかりました。さらに、当初予定していた発売日もずれ、9月2日発売予定となりました。
こう書くと小さなトラブルのようですが、私はここにAI時代の仕事の本質があると思っています。AIを使えば何でも一発でうまくいく、ということではありません。むしろ、AIを使ったからこそ形にできるものが増え、その分、確認する責任や最後に決める責任が人間側に残ります。ここを忘れると、生成AI活用は危うくなります。
事例:表紙データを作って終わりにしなかった紙版づくり
データを作った時点では完成ではなく、印刷された状態で違和感・画像・誤りを確認する必要があります。これはDX推進やAI活用と同じ。AIに作らせて終わりではなく、最後の確認は人間の仕事です。
紙の本づくりでは、データを作った時点では完成ではありません。実際に印刷された状態で見て、違和感がないか、画像が正しく入っているか、文字に誤りがないかを確認する必要があります。今回も、仮刷りを手元で見たからこそ気づけた修正がありました。
これは、企業のDX推進やAI活用にもそのまま当てはまります。AIに資料を作らせた。AIに企画案を出させた。AIにコードを書かせた。それで終わりではありません。現場の文脈に合っているか、事実関係に誤りがないか、読み手に伝わるか、組織として責任を持てるか。最後の確認は人間の仕事です。
だから私は、AI活用を「楽になる道具」とだけ捉えない方がよいと思っています。もちろん効率化は大事です。しかし本質は、自分一人では届かなかったところまで思考と成果物を広げ、そのうえで責任を持って整えることです。これができる人は、これからのデジタル人材として強くなります。
AIは人間の代わりではなく、人間OSを更新するきっかけです
OSを更新するように、考え方・学び方・働き方も更新する。ただし技術に振り回されるのではなく、「どう使ってやろうか」と目的を持って使いこなす。DX→AX→MXは、最後に人間のマインドを変えて初めて組織が変わります。
今回の本で私が伝えたい中心テーマは、人間OSのアップデートです。パソコンやスマートフォンは、数年ごとに買い替えたり、OSを更新したりします。古い環境のままでは、新しいソフトウェアが動きにくくなります。それと同じように、AI時代には私たち自身の考え方、学び方、働き方も更新していく必要があります。
ただし、これは「最新技術に振り回されましょう」という意味ではありません。むしろ逆です。AIやDXに対して、必要以上に下手に出る必要はないと私は思っています。新しい道具が出てきたなら、「よし、どう使ってやろうか」と考えればよい。技術にマウントを取られるのではなく、人間の側が目的を持って使いこなす。その感覚が大事です。
DX、AX、MXは別々の流行語ではありません。DXはデジタル・トランスフォーメーション、AXはAIを前提にした変革、MXはマインド・トランスフォーメーションです。デジタルツールを入れるだけでは変わらない。AIを導入するだけでも変わらない。最後は、人間のマインドセット、判断基準、行動習慣を変えなければ、組織は本当には変わりません。
人や組織の変化で詰まったときの参考図書として、私の著書『マインド・トランスフォーメーション AI時代の思考革命: AI時代に必要な人間OSのアップデート』も、必要に応じて手に取っていただければと思います。
事例:文章が苦手でも、話す力から本づくりへ進める
文章が苦手なのは、文章化の入り口が合っていないだけかもしれません。話すようにメモを出しAIに渡し、違和感を直す往復は、代筆ではなく思考を深める作業。研修でも自分の言葉でAIと対話する練習が有効です。
文章が苦手な人は、文章を書く力がないのではなく、文章化する入り口が自分に合っていないだけかもしれません。私の場合は、話すこと、考えること、誰かと壁打ちすることから入る方が自然でした。生成AIは、その入り口を増やしてくれます。
たとえば、最初から完成原稿を書こうとしない。まず話すようにメモを出す。まとまっていなくてもよいので、自分の経験や違和感をAIに渡す。返ってきた文章を読んで、自分の感覚と違うところを直す。これを繰り返すと、単なる代筆ではなく、自分の考えを深める作業になります。
これは企業研修にも応用できます。いきなり完璧なプロンプトを教えるのではなく、参加者が自分の業務、自分の悩み、自分の言葉でAIと対話する練習をする。スキルセットを増やすだけでなく、仕事の進め方そのものを変える。そうした小さなスキルチェンジが、やがてキャリアパスの再設計につながります。
AI時代に必要なのは「確認する仕事」の価値を上げることです
AIは「できたように見えるもの」を高速に出します。だから、事実は正しいか、言い過ぎていないか、自分の言葉か、読者に役立つかを確認する人間の仕事がむしろ重要に。役割は減るのではなく、確認・改善する側へ変わります。
生成AIは便利ですが、ハルシネーションのリスクがあります。もっともらしいことを言う。整った文章を出す。画像も資料もそれらしく作る。だからこそ、私たちは「できたように見えるもの」をそのまま信じない力を持たなければなりません。
紙の本の制作でも、AIとの文章づくりでも、最後に大切になるのは確認です。事実は正しいか。言い過ぎていないか。自分の言葉になっているか。読者に役立つか。ここを確認する人間の仕事は、AI時代にむしろ重要になります。
私は、AIエージェントやAgentic AIが広がるほど、人間の役割は減るのではなく、変わるのだと思っています。作業を抱え込む人から、目的を決め、基準を示し、確認し、改善する人へ。これは人材育成・教育支援の現場でも、研修講座・eラーニングの設計でも同じです。
AGI(Artificial General Intelligence)やASI(Artificial Super Intelligence)という言葉を聞くと、遠い未来の話に感じるかもしれません。しかし、今日の仕事の中でAIをどう使うか、何を任せ、何を自分で確認するかを決めることは、すでに未来への準備です。超知性リテラシーとは、難しい用語を覚えることだけではなく、変化する道具に対して自分の軸を持つことだと私は考えています。
書籍は宣伝物ではなく、私自身の実験記録です
書けないと思っていた人間が、AIと壁打ちして考えを外に出し、初めての書籍を形にした。表紙でつまずき、仮刷りで修正に気づき、発売日もずれた。その一連のプロセス自体がマインド・トランスフォーメーションでした。
もちろん、今回の記事は本の紹介でもあります。紙版が出ます。電子書籍もあります。読んでいただけたら、率直にうれしいです。ただ、私が本当に伝えたいのは「本を買ってください」という話だけではありません。
私にとってこの本は、自分自身の実験記録です。書けないと思っていた人間が、AIと壁打ちしながら考えを外に出し、初めての書籍として形にした。表紙づくりでつまずき、仮刷りで修正に気づき、発売日もずれた。それでも最後まで形にしようとした。その一連のプロセス自体が、マインド・トランスフォーメーションでした。
読者の皆さんはどうでしょうか。自分には向いていない、自分にはできない、今さら変われない。そう思っていることはないでしょうか。もしあるなら、生成AIを使って別の入り口を探してみてください。できないことを嘆くより、「AIがあるなら、どうすれば自分にもできるだろう」と問い直してみる。そこから変化は始まります。
まとめ:AIに任せる前に、自分の可能性を更新する
大切なのはAIに全部を任せることではなく、自分の考えを外に出し、AIと対話し、違和感を見つけ、最後は自分で決めること。AIは苦手を消すのではなく、苦手との付き合い方を変えてくれます。技術と心の両方を扱うのが人間OSの更新です。
AI時代に大切なのは、AIに全部を任せることではありません。自分の考えを外に出し、AIと対話し、違和感を見つけ、最後は自分で決めることです。AIを使うほど、人間の判断、確認、責任、そして言葉の重みが問われます。
私は、今回の紙版づくりを通じて、改めてそのことを感じました。AIは私の苦手を消したわけではありません。苦手との付き合い方を変えてくれました。文章を書くことが苦手でも、話すことから始めればよい。整理が苦手なら、AIと一緒に整理すればよい。完璧でなくても、まず形にして、確認し、直せばよい。
これからのDX推進、リスキリング、デジタル人材育成では、この感覚がとても重要になります。デジタル3兄弟とマインド3姉妹のように、技術と心の両方を扱う。スキルだけでなく、マインドセット、マインドシフト、マインドチェンジを支える。そこまで含めて、人間OSのアップデートなのだと思います。
本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。
「社員のDXマインドをどう高めるか?」、「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。www.certpro.jp/dxconsulting/ 次回の記事も、どうぞお楽しみに!
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よくある質問
重要なキーワード解説
マインド・トランスフォーメーション
AI時代に合わせて考え方・学び方・働き方を更新すること。
マインド・トランスフォーメーションとは、AI時代に合わせて人間の考え方、学び方、働き方を更新することです。単に新しいツールを覚えるだけではなく、自分の苦手や思い込みを見直し、AIを使って可能性を広げる発想が重要になります。DXやAXを成果につなげるための土台です。
生成AIとの壁打ち
考えを出し、違和感を持ち、修正しながら思考を深める使い方。
生成AIとの壁打ちは、AIに答えを丸投げする使い方ではありません。自分の考えを出し、返ってきた内容に違和感を持ち、修正しながら思考を深める方法です。文章作成、企画、研修設計、キャリア整理など、言語化が難しいテーマほど有効です。
人間OSのアップデート
古い仕事の癖や固定観念を少しずつ更新すること。
人間OSのアップデートとは、古い仕事の癖や固定観念を少しずつ更新することです。AI、AIエージェント、DX推進の環境が変わっても、人間の判断基準が古いままだと成果にはつながりません。スキルセットだけでなく、確認力、責任感、学び続ける姿勢が問われます。
著者紹介
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近森満(ちかもり みつる)
株式会社サートプロ 代表取締役CEO / DXコンサルタント/IT人材育成/検定事業化
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定・+DX認定・アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。 |
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