その常識は、
いつの常識ですか。問いを学びへ変える
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過去・現在・未来
3つの時間軸
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3つ
学びに変える動作
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初回無料
DX相談
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✍️ 近森 満(株式会社サートプロ CEO)
#マインドセット
#AI時代
#人材育成
・AIは経験を否定せず「経験の置き場所」を変えるという捉え方
・違和感を批判で終わらせず学びに変える3つの動作
・人事リーダーが「問い」を変えるだけで育成設計が変わる実例
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こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。私は日々、DX推進、デジタル人材育成、AI活用、そして人や組織のマインドセット変化に向き合っています。その中で最近、とても強く感じていることがあります。
それは、同じテーマについて話しているはずなのに、なぜか議論が噛み合わない場面が増えている、ということです。相手が間違っている、自分が正しい、という単純な話ではありません。むしろ、それぞれが見ている時間軸が違うのだと思います。
過去を知る人は、過去の苦労や失敗をもとに語ります。現在を見ている人は、いま目の前で起きている変化や空気感をもとに語ります。未来から考える人は、まだ起きていない変化の可能性から逆算して語ります。どれも大切です。どれも完全には間違っていません。だからこそ、ややこしいのです。
「その常識」は、いつの常識なのか
「その常識は、いつの常識ですか」は、他者ではなく自分に向ける問いです。経験や勘は大きな資産ですが、資産であることと、いつまでも同じ形で通用することは別。過去の常識だけで判断すると見誤ります。
ここで私が大切にしたい問いがあります。
その常識は、いつの常識ですか。
この問いは、誰かを否定するためのものではありません。むしろ、自分自身に向ける問いです。私も長く仕事をしてきましたから、経験や勘や度胸に助けられてきた場面がたくさんあります。現場で鍛えられた感覚は、簡単に捨てられるものではありません。実際、それは大きな資産です。
ただし、資産であることと、いつまでも同じ形で通用することは別です。インターネットが普及したとき、ブログに知識を書くことすら「ノウハウ流出ではないか」と言われた時代がありました。いま振り返ると、あの時代に多くの人が知識や経験をネットに残したからこそ、生成AIは膨大な知識を整理し、私たちに返してくれるようになりました。
つまり、過去の警戒心がすべて間違いだったわけではありません。しかし、過去の常識だけで現在と未来を判断すると、見誤ることがあります。ここがDX推進やリスキリングの難しさです。技術だけを新しくしても、判断の前提が古いままだと、組織はなかなか前に進みません。
AIは経験を否定するのではなく、経験の置き場所を変える
AIが一般知識をすぐ整理できると、「知っている」優位性は相対的に下がります。代わりに、知識を現場でどう使うか、どこにリスクがあるかが重要に。経験者の役割は「知識を持つ人」から「問いと検証を設計する人」へ変わります。
生成AIが出てきてから、経験の価値が下がったように感じる人もいるかもしれません。私は少し違う見方をしています。AIは経験を否定しているのではなく、経験の置き場所を変えているのだと思います。
これまでは、経験者が頭の中に持っている暗黙知が大きな価値でした。もちろん今も価値があります。しかし、AIが一般的な知識や過去事例をすぐに整理できるようになると、単に「知っている」ことの優位性は相対的に下がります。代わりに重要になるのは、その知識を現場でどう使うか、どこにリスクがあるか、どの判断を人間が引き受けるかです。
たとえば、AIに資料を作らせることはできます。Webサイトのたたき台を作ることもできます。調査の論点を整理することもできます。けれども、AIの出力には前提のズレやハルシネーションが入り込みます。そこを見抜くには、現場経験、業務理解、顧客理解、そして責任感が必要です。AI時代に経験者の価値がなくなるのではなく、経験者の役割が「知識を持つ人」から「問いと検証を設計する人」に変わっていくのです。
事例:ベテランの経験がAI時代に再評価される場面
AIは平均的な知識の整理が得意。一方、現場の抵抗感や受講者心理、組織の力学はベテランが見る世界です。AIの出力を材料に経験者の検証力を乗せられる組織は、過去を現在の道具に接続し未来の成果に変えられます。
ある企業で、若手が生成AIを使って研修企画のたたき台を作ったとします。見た目はよくできています。構成もきれいです。キーワードも入っています。ところが、現場を知るベテランが見ると、「この順番では受講者がつまずく」「この言い方だと管理職が自分ごとにしにくい」「このケースは業界の実態と少しズレている」と気づくことがあります。
これは、若手が悪いわけでも、AIが悪いわけでもありません。AIは平均的な知識を整理するのが得意です。一方で、現場の抵抗感、受講者の心理、組織内の力学、過去の失敗からくる慎重さは、経験者が見ている世界です。ここで大切なのは、ベテランが「AIなんて使えない」と切り捨てることではありません。若手も「古い」と片づけることではありません。AIの出力を材料にして、経験者の検証力を乗せることです。
これができる組織は強いです。なぜなら、過去の経験を現在の道具に接続し、未来の成果に変えられるからです。
議論が噛み合わない理由は、立場ではなく時間軸かもしれない
過去の失敗を指摘する人、現在の不満を語る人、未来の可能性を語る人が同じ場で話すと、全員それなりに正しいのに衝突します。疑問を誰かへの批判で終わらせるか、次の問いに変えるかで得られるものは大きく変わります。
ネット上の議論を見ていると、過去の失敗を指摘する人、現在の不満を語る人、未来の可能性を語る人が、同じ場所で同時に話していることがあります。すると、全員がそれなりに正しいことを言っているのに、なぜか衝突します。
たとえば、クールジャパンのような大きな政策や事業の話でも、過去の関係者には反省や悔しさがあります。現在の人には「結局うまくいかなかったのでは」という見方があります。未来から考える人には「では次にどう設計すればよいのか」という問いがあります。どれも必要です。しかし、過去の責任追及だけで終わると、学びになりません。現在の空気だけで判断すると、浅くなります。未来の理想だけを語ると、地に足がつかなくなります。
私は、疑問を持つこと自体はとても良いことだと思っています。考えないことのほうが、むしろ危ないです。ただ、その疑問を誰かへの批判だけで終わらせるのか、自分たちの次の問いに変えるのかで、得られるものは大きく変わります。
事例:「昔はこうだった」が研修設計を止めるとき
集合研修は悪い形式ではありませんが、「昔はこれで育った」と言い続けるだけでは現場のスキルチェンジに追いつけません。逆に「集合研修は古い」と決めつけるのも危険。学習者の状況に合わせて設計を変えることが大切です。
人材育成の現場でも、似たことが起きます。以前は集合研修で長時間しっかり教えることが当たり前でした。講師が前に立ち、受講者が聞き、演習をして、最後にアンケートを取る。これ自体は悪い形式ではありません。
しかし、リモートワーク、動画学習、マイクロラーニング、AIエージェントによる個別支援が広がる中で、同じ研修設計だけでは届かない層が出てきます。ここで「昔はこれで育った」と言い続けるだけでは、現場のスキルチェンジに追いつけません。逆に「集合研修は古い」と決めつけるのも危険です。対面だからこそ伝わる経験や、場の緊張感もあります。
大切なのは、形式の優劣を決めることではなく、学習者のキャリアパス、スキルセット、業務課題、使える時間、AI活用の成熟度に合わせて設計を変えることです。研修講座・eラーニング・実務演習・AIエージェント支援を組み合わせ、何を人が担い、何をAIに任せ、どこを評価するのかを再設計する。これが現代の人材育成・教育支援に求められる視点です。
疑問を学びに変えるための3つの動作
(1)すぐ正誤へ持ち込まず相手の時間軸を見る (2)AIで論点を分解する(最終判断は人間) (3)問いを次の行動に接続する。この3つで、違和感は学びに変わります。
では、違和感や疑問を学びに変えるには、何をすればよいのでしょうか。私は大きく3つあると考えています。
一つ目は、すぐに正誤へ持ち込まないことです。相手の発言を聞いたとき、「それは古い」「それはわかっていない」と反射的に判断すると、学びの入口が閉じます。まず、相手がどの時間軸から話しているのかを見る。過去の経験なのか、現在の実感なのか、未来への不安なのか。それだけで、議論の見え方は変わります。
二つ目は、AIを使って論点を分解することです。生成AIに賛否を決めさせるのではありません。過去・現在・未来の観点、メリットとリスク、関係者ごとの見え方を整理させるのです。ただし、AIの整理をそのまま信じてはいけません。ハルシネーションや前提違いがあるため、最終判断は人間が行う必要があります。
三つ目は、問いを次の行動に接続することです。「なぜ噛み合わないのか」で終わらせず、「次に何を試すのか」まで落とし込む。ここまでいって初めて、疑問は学びに変わります。DX推進でも、マインドシフトでも、マインドチェンジでも、結局は小さな行動の積み重ねです。
人や組織の変化で詰まったときの参考図書として、私の著書『マインド・トランスフォーメーション AI時代の思考革命: AI時代に必要な人間OSのアップデート』も、必要に応じて手に取っていただければと思います。
AI時代のマインド・トランスフォーメーション
DX→AX→MXの先に、人間側のマインド・トランスフォーメーションがあります。デジタル3兄弟とマインド3姉妹を同時に進め、超知性リテラシーを一部の専門家だけの話にせず現場の学びとして扱うことが必要です。
DX、AX、MXという流れで考えると、いま私たちに必要なのは、単なるデジタル・トランスフォーメーションだけではありません。AIを使うこと、AIエージェントを業務に組み込むこと、Agentic AIによって仕事の流れを変えること。その先に、人間側のマインド・トランスフォーメーションがあります。
デジタル3兄弟とマインド3姉妹という表現を使うなら、ツールや技術だけでは片側しか動きません。デジタル化、DX推進、生成AI活用を進める一方で、マインドセット、マインドシフト、マインドチェンジを同時に進める必要があります。
AGI(Artificial General Intelligence)やASI(Artificial Super Intelligence)の議論は、まだ遠い未来の話に聞こえるかもしれません。しかし、現場ではすでにAIが判断材料を作り、文章を書き、比較表を作り、企画の初稿を出しています。未来は突然来るのではなく、日々の業務の中に少しずつ入り込んできます。だからこそ、超知性リテラシーを一部の専門家だけの話にせず、現場の学びとして扱うことが必要です。
事例:人事リーダーが「問い」を変えるだけで育成設計は変わる
「どの研修を受けさせるか」から「どの仕事をAIと分担するか」「どのスキルを人間が深めるか」へ問いを変えると、採用・評価・リスキリング・キャリアパスがつながって見えてきます。過去を捨てず、現在の技術で再編集し未来へつなぐことが鍵です。
技術人事のリーダーが、エンジニア組織の育成を考える場面を想像してみてください。従来の問いは「どの研修を受けさせるか」だったかもしれません。しかしAI時代には、この問いだけでは足りません。
「どの仕事をAIと分担するのか」「どのスキルは人間が深めるべきか」「若手はどこで経験を積むのか」「ベテランの暗黙知をどうAI時代の教材に変えるのか」。こうした問いに変えると、育成の設計が変わります。採用、評価、リスキリング、キャリアパス、オンボーディングがつながって見えてきます。
このとき重要なのは、過去を捨てることではありません。過去の経験を素材にして、現在の技術で再編集し、未来の人材育成につなげることです。私はここに、AI時代の人事と教育の大きな可能性があると考えています。
過去を知る人には蓄積された経験が、現在を見る人にはいまの現実感が、未来から考える人にはまだ形になっていない可能性があります。この3つを対立させるのではなく、つなぎ直すことが、AI時代の学び方です。
議論が噛み合わないとき、私たちはつい相手の理解不足や態度の問題にしたくなります。もちろん、そういう場面もあるでしょう。ただ、多くの場合、見ている時間軸が違うだけかもしれません。
本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。
「社員のDXマインドをどう高めるか?」、「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。次回の記事も、どうぞお楽しみに!
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よくある質問
重要なキーワード解説
マインド・トランスフォーメーション
人間側のものの見方・判断基準・学び方を更新する考え方。
マインド・トランスフォーメーションとは、AIやデジタル技術の導入に合わせて、人間側のものの見方、判断基準、学び方を更新する考え方です。DX推進ではツール導入が注目されがちですが、現場の常識や評価制度、失敗への向き合い方が変わらなければ成果は出ません。過去の経験を否定せず、未来に接続し直すための人間OSのアップデートです。
AIエージェント
目的に沿って調査・整理・実行支援を進めるAI活用の形。
AIエージェントは、単に質問に答える生成AIではなく、目的に沿って調査、整理、実行支援を進めるAI活用の形です。業務の一部を任せられる一方で、前提設定、結果検証、責任の所在は人間側に残ります。AI時代のスキルセットでは、AIに作業させる力だけでなく、問いを設計し、出力を検証する力が重要になります。
デジタル3兄弟とマインド3姉妹
技術変化と人間の変化をセットで捉える考え方。
デジタル3兄弟とマインド3姉妹は、技術変化と人間の変化をセットで捉えるための考え方です。デジタル化、DX、AI活用を進めるだけでは、現場の行動は変わりません。マインドセット、マインドシフト、マインドチェンジを同時に扱うことで、リスキリングや人材育成・教育支援が実務に結びつきやすくなります。
著者紹介
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近森満(ちかもり みつる)
株式会社サートプロ 代表取締役CEO / DXコンサルタント/IT人材育成/検定事業化
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定・+DX認定・アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。 |
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