企業AI活用はマニフェストが鍵!
生成AIガイドライン策定術
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10か条+1
AI活用の指針
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三部構成
実効性の確保
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全員課金
会社が費用負担
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✍️ 近森 満(株式会社サートプロ CEO)
#AIガイドライン
#中小企業DX
#セキュリティ対策
・サートプロの「AI活用10か条+1」の中身
・実効性を生む三部構成ガイドラインの作り方
・東京都・IPAの公的ガイドラインの活用法
・全社員に課金を推奨する狙いとNotebookLM活用術
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| 1企業が生成AIマニフェストを作るべき理由 |
| 2サートプロが実践する「AI活用10か条+1」 |
| 3三部構成のガイドラインで実効性を確保する |
| 4東京都とIPAのガイドラインを参照しよう |
| 5全社員に課金を推奨するサートプロの挑戦 |
| 6ガイドライン策定はNotebookLMで効率化できる |
| 7小さく始めて、今すぐ動く |
| 8さいごに |
| Qよくある質問(FAQ) |
企業が生成AIマニフェストを作るべき理由
姿勢が曖昧なまま放置されると、使う人は個人的に、慎重な人は完全に避ける悪循環に。これではDX推進もリスキリングも進みません。
皆さん、ちょっと想像してみてください。あなたの会社で「生成AIを使っていいですか?」と聞かれたら、即答できますか?
実はこれ、本当にあった話です。全国各地でDX推進のセミナーや講演をしていると、必ず参加者に質問する場面があります。「皆さんの会社ではチャットボットや生成AIを活用していますか?」と聞くと、多くの方が手を挙げてくれるんですね。ところが「毎日活用していますか?」と聞くとパラパラになり、「課金して使っていますか?」と聞くと、もう本当に数えるほどしか手が挙がらないんですよ。
この現象が示しているのは、生成AIに対する企業の姿勢が曖昧なまま放置されているということです。使いたい人は黙って個人的に使い、慎重な人は完全に避けている。これではDX推進もリスキリングも進みようがありません。
トップが腹をくくらなければ何も始まらない
会社がOKと言わない限り従業員は使えません。大手のセキュリティ制約がない分、中小企業は経営者の一声で全社解禁できる機動力が武器です。
断言します。企業で生成AIを本格導入するなら、会社のトップが腹をくくって「うちは生成AIと向き合うぞ」と宣言しなければ、従業員は動けません。
これはマインドシフトの問題です。技術論ではなくマインドチェンジの話なんですね。どんなに優秀なLLMが出てきても、会社がOKと言わない限り、企業人としては会社で使うわけにはいかないじゃないですか。勝手に使って周りに迷惑をかけたり、コンプライアンス違反に問われたり、情報漏洩のリスクを背負ったりする可能性があるわけですから。
特に大手企業はセキュリティがガチガチで、会社のネットワークからChatGPTにログインすらできないケースも少なくありません。Microsoftを会社が導入しているそれだけの理由で Copilot以外の生成AIは使用禁止、オンライン会議もZoomではなくTeams一択、Googleフォームの外部入力もブロック。こうした制限は、ある意味では正しいセキュリティ対策ですが、イノベーションの芽を摘んでしまう側面もあるわけです。
だからこそ中小企業にはチャンスがあるんですね。大手のような制約がない分、経営者の一声で全社的に生成AIを解禁し、業務効率化や新規ビジネスの創出にガンガン活用できる。この機動力こそが中小企業の武器なのです。
サートプロが実践する「AI活用10か条+1」
2023年5月制定。技術ルールではなくマインドセット。11条目「チャットボットと一緒に成長していきましょう」で共に成長するパートナーと捉えます。
ところで、具体的にどんなマニフェストを作ればいいのか、気になりますよね?
私の会社、株式会社サートプロでは2023年5月27日に「AI活用10か条」を制定しました。ChatGPTが公開されたのが2022年11月で、その約半年後です。エンジニアの間で話題になり始めた2023年2月〜3月を経て、ゴールデンウィークには多くの人が触り始めた。そのタイミングでマインドセットとしての指針を示したわけです。
この10か条は、技術的な細かいルールではなく、あくまでマインドセットです。AIが人間ではないことを忘れずに過剰な期待をしない。あくまでツールであることを認識し、過度に頼りすぎない。常に正確な情報を提供するわけではないことを理解し、必要に応じて他のソースを利用する。個人情報や秘密を共有しない。攻撃的または差別的な発言をしない。こうした基本的な心構えを全社員で共有することが第一歩なんです。
そして11条目として「チャットボットと一緒に成長していきましょう」を追加しました。これが重要でしてね、生成AIを敵視するのではなく、共に成長するパートナーとして捉えるマインドチェンジが必要だということです。
三部構成のガイドラインで実効性を確保する
第一章マインドセット、第二章実務ルール、第三章セキュリティ。MCPなど新技術に情報をどう渡すかまでカバーします。
さて、マインドセットだけでは実際の業務に落とし込めません。そこでサートプロでは、新たに三部構成のガイドラインを策定しました。
第一章はマインドセットです。先ほどの10か条+1がベースになります。なぜ生成AIを活用するのか、どういう姿勢で向き合うのかという根幹の部分ですね。
第二章は生成AI活用の実務ルールです。ここが具体的なガイドラインの本丸になります。機密情報や個人情報の取り扱い、著作権保護に関するルール、どのLLMを使ってよいか、課金の承認プロセスはどうするかといった実務的な内容を盛り込みます。
第三章はセキュリティです。オプトアウトの徹底、セキュリティ基準の遵守、データの取り扱い方針などを明文化します。最近ではMCP(Model Context Protocol)のように生成AI同士をネットワークでつないで処理するための仕組みも登場しています。こうした新技術にどう対応するか、情報をどう渡すか、何をしてはいけないかといった点もカバーする必要があるんですね。
東京都とIPAのガイドラインを参照しよう
東京都「AI導入活用ガイドライン」やIPA「テキスト生成AIの運用ガイドライン」を参照し、自社の規模・業態に合わせてカスタマイズするのが効率的です。
余談ですが、ガイドラインを作るときにゼロから考える必要はありません。
東京都が公開している「AI導入活用ガイドライン」は約100ページにも及ぶ本格的な資料で、元ヤフー社長の宮坂副知事も参画して作られた素晴らしいドキュメントです。また、経済産業省直下のIPA(情報処理推進機構)が出している「テキスト生成AIの運用ガイドライン」には、セキュリティに関する内容が充実しています。
これらの公的資料を参照しつつ、自社の規模や業態に合わせてカスタマイズするのが効率的なやり方です。もちろん、Googleの NotebookLMのようなツールを活用して、複数のソースを横断的に分析しながらガイドラインを作成するという方法も有効です。
全社員に課金を推奨するサートプロの挑戦
費用は会社負担、使うものは全報告、禁止は明確に。有償版を使い込む実感がデジタル変革の原動力に。従業員から提案が上がるようになります。
うちの会社では、スタッフ一人一人に「何を使ってもいいから、とにかく課金をしてください」と伝えています。課金にかかるお金は会社が出す。ただし、何を使うかは全部報告してもらう。使ってはいけないものは明確に指示する。このシンプルなルールで運用しているんですね。
これ、本当に大事なことなんですよ。無料版だけで「使ってみたけどイマイチだった」と判断されてしまっては、生成AIの本当のポテンシャルを見誤ることになります。有償版のLLMを実際に業務で使い込んでもらうことで、「これは便利だ」「こっちのモデルの方が自分の業務に合っている」という実感が生まれる。その実感がデジタル変革の原動力になるわけです。
毎月のように「これがいいんじゃないか」「これを使ってみたい」という声が従業員から上がってくるようになった。これこそが、マニフェストを制定した効果だと確信しています。
ガイドライン策定はNotebookLMで効率化できる
既存ルール・東京都・IPA・MCP情報をNotebookLMに読み込ませ横断分析。たたき台作成の速度が段違いで、策定自体が生成AIの実践になります。
ガイドラインを作るとなると「大変そうだな」と思うかもしれません。でもね、ここでも生成AIが活躍するんですよ。
サートプロでは、Googleの NotebookLMを活用してガイドラインを策定しました。自社の既存ルール、東京都のガイドライン、IPAのセキュリティガイドライン、さらにMCPに関する最新の技術情報など、複数のソースをNotebookLMに読み込ませて横断的に分析させたわけです。
これがものすごく効率的なんですね。従来であれば、複数の資料を人力で読み込んで、共通項を抽出し、自社に合うようにカスタマイズするという作業に何日もかかっていたでしょう。それがNotebookLMを使えば、ソースを投入するだけで要点を整理してくれる。もちろん最終的な判断は人間がしますが、たたき台を作る速度が段違いです。
このように、ガイドラインを作るプロセス自体が生成AIの実践になるという点も見逃せません。「生成AIって業務に使えるんだ」という実感を経営者自身が得られる。これこそがマインドシフトの第一歩なんですよ。
小さく始めて、今すぐ動く
完璧を目指して動けなくなるより骨子を作って走る。不安は行政書士・自治体DX窓口・商工会議所に相談を。経営者自らが動くことが不可欠です。
難しい話じゃないんですよ、別に。「サイバーセキュリティの入門から全部理解しなさい!」なんて言い始めたら、誰も何もできなくなっちゃいますよね?
大切なのは、小さいところから始めることです。完璧なガイドラインを作ろうとして動けなくなるよりも、まずは骨子を作って走り始める。不安があれば、行政書士やITコンサルタント、自治体のDX支援窓口、商工会議所などに相談してファクトチェックしてもらえばいい。
企業は人なり。人の集合体だからこそ、ルールやマナー、規約に縛られています。就業規則もそうですよね?だからこそ、新しい時代に新しいことにチャレンジするためには、経営者自らが動かないといけない。「今やろうと思ったのに」では遅いんです。
5月にはサートプロ主催の生成AIセミナーも開催予定です。大石光宏先生、山口透先生、そして私の3名で、まさにこうした企業内での業務活用事例やマインドセット、ガイドライン策定の実践的なノウハウをお伝えします。詳細は追ってご案内しますので、ぜひチェックしてみてください。
AGIやASIの時代が近づく中で、生成AIの活用は企業の生存戦略そのものです。データ活用の基盤を整え、人材育成の仕組みを作り、AI活用のルールを明文化する。この三つが揃って初めて、本当のDX推進が動き出します。一人一人がリスキリングに取り組み、生成AIを「怖いもの」から「頼れるパートナー」へとマインドチェンジしていく。そのきっかけとなるのが、企業としてのマニフェストなのです。
さいごに
生成AI導入は「やるか」ではなく「どうやるか」の段階。作って、運用して、改善するサイクルこそがDX推進の本質です。
生成AIの導入は、もはや「やるかやらないか」ではなく「どうやるか」のフェーズに入っています。マニフェストというと大げさに聞こえるかもしれませんが、要は会社としての意思表示です。「うちはこういう方針でAIと向き合います」という宣言が、社員の心理的安全性を確保し、積極的な活用を促すのです。
本記事で紹介したサートプロの事例は、決して大企業向けの大規模なものではありません。中小企業だからこそできる機動的な取り組みです。マインドセット、実務ルール、セキュリティの三本柱を軸に、まずは自社版のガイドラインを作ってみてください。完璧である必要はありません。作って、運用して、改善していく。このサイクルこそがDX推進の本質です。
2025年、そして2026年と、生成AIの進化はますます加速しています。AGI、ASIの議論も現実味を帯びてきました。この波に乗り遅れないためにも、今日からマニフェスト策定に着手しましょう。あなたの一歩が、会社全体のマインドシフトにつながります。
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よくある質問
重要なキーワード解説
AIマニフェスト
企業が生成AIを活用する際の基本方針・行動指針を文書化したもの。
AIマニフェストとは、企業が生成AIを活用する際の基本方針や行動指針を文書化したものです。マインドセットから実務ルール、セキュリティポリシーまでを包括的にカバーし、全社員が共通認識を持って生成AIと向き合うための土台となります。単なる禁止事項のリストではなく、「AIと共に成長する」という前向きな姿勢を示すことが重要です。
オプトアウト
入力データをAIの学習に利用されないように設定すること。
オプトアウトとは、生成AIサービスにおいて、自社が入力したデータをAIの学習データとして利用されないように設定することです。多くのLLMサービスでは、設定変更やAPI利用によってオプトアウトが可能です。企業が生成AIを業務利用する際には、機密情報や個人情報の漏洩リスクを低減するために、オプトアウト設定の徹底が不可欠です。セキュリティガイドラインの重要な構成要素の一つです。
MCP(Model Context Protocol)
生成AI同士をネットワークで接続しデータをやり取りするプロトコル。
MCPとは、生成AI同士をネットワークで接続し、データやコンテキストをやり取りするためのプロトコルです。AIエージェントが外部ツールやデータソースと連携する際のコネクターとして機能します。MCPの普及に伴い、どの情報をAIに渡してよいか、何を制限すべきかという新たなセキュリティ課題が生まれており、企業のAI活用ガイドラインでも対応が求められています。
※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
著者紹介
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近森満(ちかもり みつる)
株式会社サートプロ 代表取締役CEO / DXコンサルタント/IT人材育成/検定事業化
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定・+DX認定・アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定) ・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格) ・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定) ・組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み) ・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作) ・経済産業省 地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援) ・経済産業省 地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援) ・デジタル庁 デジタル推進委員(デジタル化支援) ・DX事業共同組合 設立理事(DX推進) ・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証) ・“一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援) ・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定) ・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定) |
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