作るより創る時代へ
AI活用で変わる仕事の意味と価値
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make→create
作るから創るへ
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3つの力
創る力の磨き方
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意味と価値
人間に残る仕事
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✍️ 近森 満(株式会社サートプロ 代表取締役CEO)
#DX推進
#生成AI
#人材育成
・AIに任せてよい作業と人間がやるべき創造の線引き
・マインドシフトだけでは足りない理由
・BtoB・BtoBtoC・BtoCそれぞれの価値設計
・「創る力」を磨く3つのアプローチ
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| 1「作る」と「創る」の違いを、今こそ問い直す |
| 2日本のビジネスパーソンは、働きすぎている |
| 3生成AIが「作業」を担う時代の働き方改革 |
| 4「創る力」を育てる人材育成とリスキリングの設計 |
| 5AI活用とデジタル変革を掛け合わせた価値の設計 |
| 6AI時代における「人間の価値」とは何か |
| 7「作る」から「創る」へのシフトを今すぐ始めるために |
| Qよくある質問(FAQ) |
「作る」と「創る」の違いを、今こそ問い直す
「作る」は物を製造・組み立てる作業、「創る」はゼロから新しいものを生み出す創造。生成AIが作業を肩代わりする今、人間は「創る力」に時間とエネルギーを注ぐべきである。
おはようございます。IT教育サービスと生成AIを実践するサートプロ代表の近森満です。
今日のテーマは、「作るより創る時代へ」です。ところで、この「作る」と「創る」、同じ読み方でまったく意味が違うということ、意識したことはありますか?「作る」は「作品の作」、つまり物を製造する・組み立てるという意味合いが強い言葉です。一方、「創る」は「創作の創」、ゼロから新しいものを生み出すという意味です。
私が今強く思うのは、時代がいよいよ「作るよりも創る」フェーズに突入したということです。これ、本当に重要です。
生成AIが登場して以降、多くの「作業」は劇的にやりやすくなりました。書類を作る、コードを書く、データを整理する。それらの作業的な仕事は、生成AIが肩代わりしてくれるようになっています。ではその先に、私たち人間は何をすべきなのか。そこに「創る力」の本質があります。
日本のビジネスパーソンは、働きすぎている
多くの人が一生懸命こなす仕事の大半は実は「作業」。見積もり作成や報告書、データ転記は大切だが創造ではない。AIが作業を代替する時代、人間は「創る」ことに注力すべきである。
断言します。日本のビジネスパーソンは、働きすぎです。
約400万社ある日本企業の中で、多くの経営者・社員が「働いて、働いて、働いて」という状態にあります。私の会社の社員を見ていても思います。本当に一生懸命やってくれているし、時間いっぱいいっぱいまで仕事をしている。休日も仕事をして、平日に振替休暇を取ることもある。でもね、平日に休むのって精神的にストレスなんですよね、「みんな動いているのに」という感覚があって。
これね、会社の代表者や経営者になると「働くのは当たり前」という価値観になるのも理解できます。ただ、それで本当にいいのでしょうか。
ここで重要なのが、「作業」と「創造」の区別です。多くの人が一生懸命やっている仕事の大半は、実は「作業」なんです。例として、見積もりを作る、報告書をまとめる、データを転記する。これらはほとんどが作業です。大切な仕事ではあるけれど、それが「創る」行為かというと、そうではない。
生成AIが作業を代替してくれる時代だからこそ、人間は「創る」ことに時間とエネルギーを注ぐべきだと、私は強く思います。
生成AIが「作業」を担う時代の働き方改革
AIに任せる作業と自分がやるべき創造的な仕事の線引きが第一歩。現状のAIは誤りも出すため人間のチェックと組み合わせる。ツールを作ること自体が目的化していないか注意する。
AIに任せてよい「作業」とは何か
生成AIを活用する上で、まず整理すべきなのは「AIに任せる作業」と「自分がやるべき創造的な仕事」の線引きです。
例えば私は最近、見積もり作成でGeminiを使いました。もともとあるGoogle Sheet上のデータを分析してもらい、交通費・宿泊費の計算をさせようとしたのですが……なんと、講師の名前のリストに「石田三成」「豊臣秀吉」「織田信長」…といった戦国武将が混ざって出てきたんです。これには笑ってしまいました。「なんで戦国武将を連れてきちゃったの?小田原城からやってきたのか?交通費支給は電車?」と(笑)。
余談ですが、こういった「すっとんきょう」なことをしてくれるのが生成AIの現在地です。ハルシネーションとも少し違うけれど、完全に任せきりにするのはまだ難しい。人間のチェックと組み合わせることで、初めて生産性が上がるわけです。
とはいえ、見積もり作成という行為自体は「作業」です。自分でやる必要があるのか、AIに下案を作らせて自分が確認するのか。その設計を意識することが、DX推進における業務効率化の第一歩です。
「AIでツールを作ること」自体が作業になっていないか
ここで一つ注意点を挙げます。それは、「AIを使って何かを作ること」自体が作業になってしまっているケースです。
例えば、Claude Code、Codex、さまざまなAIツールが登場したおかげで、アプリ作成やExcel自動化なども簡単になりました。でもそれらを使って「ツールを作ること」に夢中になってしまい、本来やるべき創造的な仕事に向かえていないケースがあります。
「自動化ツールを作るために、1日費やしてしまった」という経験はないでしょうか?それ、もしかしたら「作業の自動化」という名の、別の作業に陥っているかもしれません。AIで楽になるはずが、AIを使いこなすことが目的になってしまっている。これじゃないですか?
また、アプリは手軽に作れるので、担当それぞれが同じようなアプリをつくったり、アプリ作成においても一定のルールを定まることも必要かもしれません。
創作活動は素晴らしいことです。でも、みんながやっていることを同じようにやっていても差別化にはなりません。本当の創造とは、誰もやっていないことにチャレンジすること。創作料理のように、ありきたりではない「自分ならでは」の仕事を生み出すことです。
「創る力」を育てる人材育成とリスキリングの設計
DX推進の最大の壁は技術ではなくマインド。意識を変える掛け声だけでは変わらない。マインドシフト→マインドチェンジ→マインドトランスフォーメーションの設計が人材育成の鍵となる。
マインドシフトだけでは足りない
DX推進における最大の壁は、技術ではなくマインドです。これは断言できます。多くの企業でよく聞くのが「意識を変えましょう」という掛け声ですが、それだけでは変わりません。
例えば「値上げをしましょう」という方針を掲げたとします。意識を変えてもらったとしても、簡単に値上げはできませんよね。周囲の合意も必要だし、顧客の納得感も必要です。それらをすべてひっくるめて、自分自身が疑いなく行動できるようになって初めて「マインドトランスフォーメーション」が完成するんです。
マインドシフト(意識の変化)をして、マインドチェンジ(行動の変化)をして、その結果として自分が納得できる気づきを得て、初めてマインドトランスフォーメーションになる。ここを設計できていない企業が多い。
日本企業が陥るマインドシフトの失敗パターン
日本企業でよく見られる失敗パターンは次のようなものです。
・お客さんが反対するから諦める
・安くすることが信条だからやめる
・良かれと思ってという自己満足で止まる
これらはすべて、マインドシフトが途中で頓挫しているケースです。
バイアスも大きな要因です。「1万円で決めているものを3万円に値上げしよう」と言っても、なかなか動けない。でも実は、その3万円が本来の価値に見合った金額かもしれない。バイアスを外して、正しい価値を正しく提供するためのマインドトランスフォーメーションが必要です。
リスキリングの文脈でも同じことが言えます。「新しいスキルを学ぶ」という行動自体は「手段」という作業です。でも、そのスキルを使って何を目的に「創る」のかという視点がなければ、リスキリングは単なるスキルの積み上げに終わってしまいます。
AI活用とデジタル変革を掛け合わせた価値の設計
BtoB・BtoBtoC・BtoCそれぞれの文脈で「創る」仕事を設計することがDX推進の核心。データ活用で「削減」ではなく「転換」の物語を示すことが組織を動かす鍵となる。
BtoB・BtoBtoC・BtoCそれぞれの設計思考
生成AI時代の事業設計では、BtoB・BtoBtoC・BtoCそれぞれの文脈でどう設計するかが重要です。企業に対してのAI活用支援なのか、企業内の個人に対してのものなのか、あるいは一般消費者向けなのか。
それぞれのステークホルダーに対して、どう「創る」仕事を組み込んでいくかを設計することが、これからのDX推進の核心だと考えています。
例えばBtoBビジネスであれば、企業のDX推進担当者に対して「AIを使って何を創るか」の設計支援が必要です。BtoCであれば、一般の生活者がAIを使いながら、自分ならではの創造的な活動をどう広げるかという視点が求められます。そしてBtoBtoC、つまり企業を通じて個人ユーザーに価値を届ける場合は、企業と個人の両方に「創る力」を伝えるための仕組みが必要です。
サートプロが取り組むIT人材育成も、まさにこのBtoBtoC的なモデルです。企業に研修や資格制度を提供し、その企業の社員が現場でAIを活用して創造的な仕事をできるように支援する。この連鎖を設計することが、デジタル変革の本質だと考えています。
データ活用で価値を可視化する
デジタル変革において重要なのは、データ活用によって「創る」ことの価値を可視化することです。AI活用の効果を定量的に示すことで、組織内の合意形成も容易になります。
「AIを導入したことで、この作業が週〇時間削減できた」「その時間を、この創造的な仕事に充てることで、新しい価値が生まれた」というストーリーを組み立てることが、AGI・ASIへと向かう時代のDX推進担当者に求められるスキルです。
特に重要なのは、「削減」ではなく「転換」という見せ方です。「AIで10時間の作業が1時間になった」という事実よりも、「浮いた9時間で、これだけの新しい価値を創造できた」という物語のほうが、組織の上長や経営陣を動かします。数字とストーリー、この両方を設計できる人材こそが、AI時代のDX推進のキーパーソンです。
AI時代における「人間の価値」とは何か
AIが作業を担うほど、人間に残るのは「意味を与える」「価値を定義する」「方向性を示す」こと。創る力は「問いを立てる力」「組み合わせる力」「未来から逆算する力」で磨く。
AGI・ASIが来ても、人間に残るもの
最近、AGI(汎用人工知能)やASI(超知性)の話題が急速に広がっています。「AIに仕事を奪われる」という恐怖感を持つ人も多いでしょう。でも私は、これ、本当に重要な問いだと思っています。「奪われる」のではなく、「人間がやるべきことが明確になる」という捉え方のほうが正確です。
AIが「作業」を担えるようになればなるほど、人間に残るのは「意味を与えること」「価値を定義すること」「方向性を示すこと」だと考えています。つまり「創る力」の中核にある思考と判断の部分です。
戦略を立てるのは人間です。価値観を定めるのは人間です。「なぜこれをやるのか」を語れるのは人間だけです。AIがどれだけ賢くなっても、「意味」を作り出すことは、まだ人間にしかできない。そこに人材育成の本質的な方向性があります。
差別化戦略としての「創る力」の磨き方
では「創る力」はどうやって磨くのか。私が考えるのは3つのアプローチです。
まず「問いを立てる力」を鍛えることです。AIはどんな問いにも答えてくれますが、良い問いを立てるのは人間の役割です。「なぜ?」「本当に?」「別の見方はないか?」を習慣にすることで、創造的思考の土台ができます。
次に「組み合わせる力」を持つことです。既存のものを新しい形で組み合わせることが、最も現実的な創造です。IoT×教育、AI×資格制度、DX×中小企業支援。私自身のビジネスも、組み合わせから生まれたものばかりです。
そして「未来から逆算する力」を持つことです。今の作業に追われているうちは、この視点は持てません。だからこそ「創る時間」を確保することが最初のステップになります。これらすべてを支えるのが、マインドトランスフォーメーションです。「自分が創れる」という確信が、行動の質を変えます。
「作る」から「創る」へのシフトを今すぐ始めるために
①仕事を「作業」と「創造」に分類、②作業をAIに任せる実験を1つ始める、③「創る」ための時間を意図的に確保する。この3ステップで作るから創るへの移行が始まる。
では、具体的にどうすればいいのか。私からの提案は3つです。
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STEP1
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今日の仕事を「作業」と「創造」に分類する まずカレンダーを開いて、今日の予定を一つ一つ確認してください。「これは作業か、それとも創造か」と問い続けることが、マインドシフトの第一歩です。 |
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STEP2
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作業をAIに任せる実験を1つ始める そして、完璧じゃなくていい。戦国武将が出てきてもいい。まずやってみることで、AIとの協働の感覚がつかめてきます。 |
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STEP3
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「創る」ための時間を意図的に確保する さらにカレンダーに「創造の時間」をブロックしてください。会議や作業に追われない、自分だけの思考と創造のための時間です。これがなければ、どれだけAIを活用しても「創る」フェーズには移行できません。私は午前中をブロックしています。 |
さいごに
AGI・ASIが台頭する時代、人間に残るのは意味を与え価値を定義し方向性を示す「創る力」。マインドトランスフォーメーションを経た人間だけが持てる力である。
「作るより創る時代へ」というテーマを語りながら、私自身も毎日これを問い続けています。生成AIの登場は、人間の仕事の本質を問い直す大きな機会を与えてくれました。
思い返せば、私が株式会社サートプロを創業した2006年から一貫して訴えてきたのは、「人の可能性を広げること」でした。IoT検定を作り、+DX認定を作り、超知性ASI検定に取り組んできたのも、すべて「人が創れる力を持つべきだ」という信念からです。
これからの時代、AGIやASIが本格的に台頭してくる中で、人間に残されるのは「創る力」です。意味を与え、価値を定義し、方向性を示す力。それこそが、マインドトランスフォーメーションを経た人間だけが持てる力です。あなたもぜひ、今日から「創る仕事」を一つ始めてみてください。
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よくある質問
重要なキーワード解説
マインドトランスフォーメーション
価値観・信念・判断基準そのものが変容し、ためらいなく実行できる状態。
マインドトランスフォーメーション(Mindset Transformation)とは、単なる意識改革(マインドシフト)や行動変容(マインドチェンジ)を超えて、自分の価値観・信念・判断基準そのものが変容した状態を指します。DX推進においては、技術導入だけでなく、このマインドトランスフォーメーションを組織全体で実現することが成功の鍵とされています。「新しいことをためらいなく実行でき、自分自身がそれに納得できている状態」がゴールです。
リスキリング
技術革新や業務変化に対応するため新しいスキルを習得し直すこと。
リスキリング(Reskilling)とは、技術革新や業務変化に対応するために、新しいスキルを習得し直すことです。生成AI時代においては、AIツールの活用スキルはもちろん、「AIに任せる判断力」「創造的思考力」「データ活用能力」といったスキルが特に重要視されています。ただしスキルを積み上げるだけでは不十分で、そのスキルを使って「何を創るか」という目的意識とセットで設計されるべきです。
デジタル変革(DX)
デジタル技術で組織・プロセスを根本変革し新たな価値を生むこと。
デジタル変革(Digital Transformation、DX)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデル・組織・プロセスを根本から変革し、新たな価値を生み出すことです。単なるIT化やシステム導入とは異なり、組織文化・人材育成・業務設計全体を包括的に変えるものです。経済産業省もDX推進を重点施策として掲げており、中小企業から大企業まで、全産業でDX推進が求められています。
著者紹介
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近森満(ちかもり みつる)
株式会社サートプロ 代表取締役CEO / DXコンサルタント/IT人材育成/検定事業化
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定・+DX認定・アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。 |
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・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省 地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省 地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)
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