生成AI時代のDX経営:
AIリスクとエンジニア採用の相関関係
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3〜4%
日本のデジタル人材
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第1位
CEOのAIリスク
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1〜2年
日本への波及
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✍️ 近森 満(株式会社サートプロ 代表取締役CEO)
#DX推進
#生成AI
#エンジニア採用
#AI経営
・CEO調査でAIが最大リスクに浮上した理由
・日米の産業構造の違いが生むDX推進の壁
・「AIリスク」と「エンジニア採用」が連動する仕組み
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| 1米国のソフトウェアエンジニア求人急増の真実 |
| 2経営者の最大リスクは「AI」 |
| 3日米の産業構造の違いが生むDX推進の壁 |
| 4日本の課題とデジタル変革を担う人材育成 |
| 5今すぐ動くべき理由/AIリスクと採用の連動/さいごに |
| 6よくある質問(FAQ) |
アメリカで起きていること——ソフトウェアエンジニア求人急増の真実
米Indeedでは2025年5月頃からエンジニア求人が急増。「コーダー不要論」に反し、責任をもって世に出せる人間=エンジニアが不可欠だと再認識されています。
ところで、皆さんはアメリカの雇用市場に最近大きな変化が起きていることをご存知でしょうか。
アメリカの求人プラットフォームIndeedのデータを見ると、2025年の春先——ちょうど5月頃——を境に、ソフトウェアエンジニアの求人数が急激に伸び始めています。全体の求人数は横ばいか微減傾向にあるにもかかわらず、ソフトウェアエンジニアだけがガーッと上がっているんです。
これ、よく考えると不思議じゃないですか?
2024年ごろ、ChatGPTをはじめとする生成AIが一般に普及し始めたころ、「プログラミングはAIに任せればいい」「コーダーはもういらない」なんていう声が広がっていましたよね。確かに、AIに「ブロック崩しゲームを作って」と言えばコードが出てくる。「みかんのホームページを作って」と言えばHTMLが生成される。そういう世界が現実になっていましたから。
ところが蓋を開けてみると、エンジニアの求人はむしろ増えているんですね。
エンジニア不要論の風評被害
これは、ある意味で「風評被害」だったと私は強く思います。
生成AIによってコードの生成が簡単になったことは事実です。ただ、それはあくまでも「コードを書く」という一部分の話。実際に世の中にリリースできるソフトウェアを責任もって完成させるには、テスト、フィールドテスト、品質確認、最終的な判断——こういったプロセスを担う人間が不可欠なんですよね。
断言します。AIがコードを書いてくれても、それを世の中に出せる責任ある人間は、エンジニアリングを理解した人でないとダメなんです。ダメだなんて決めつけはいけませんが私は少なくともそう思っています。
たとえば、ホームページに「なんか変な改行が入ってる」と気づいたとします。AIに聞けば直し方を教えてくれるかもしれません。でも、「それはホームページの問題じゃなくて、借りているシステム側の問題です」と判断できるのは、HTMLやCSSを理解しているエンジニアだけなんです。会社の経営者が一つひとつAIに聞き直して修正して…なんてやってたら、仕事になりませんよね。
経営者の最大リスクは「AI」——CEO調査が示す2026年の現実
2026年第1四半期のCEO調査でAIがリスク第1位に。置き換え・競合先行・人材不在のリスクが複合し、経営者はマインドシフトを迫られています。
さて、もう一つのデータを見てみましょう。
2026年第一四半期に行われたCEO調査によると、「自社業界に最もインパクトのあるリスクは何か」という質問に対し、AIが第1位になっています。一年前の同時期と比べると、AIリスクの認識が急激に高まっているんです。
これ、本当に重要です。
経営者たちは「AIを活用しないと自社が不利になる」「AIによって業界が変わってしまう」「AIを取り込めなければ競争に負ける」——こういった危機感を強く持ち始めています。サイバーリスクは以前から高止まりしていましたが、AIリスクはそれを追い抜く勢いで急上昇しているんですね。
「AIリスク」とはつまり何か?
ここでいうAIリスクとは、要するにマインドシフトを迫られているということです。
自社のサービスがAIに置き換えられるリスク。AI活用ができない競合に先を越されるリスク。そして、AIを扱える人材がいないまま時代に取り残されるリスク。これらが複合的に絡み合って、経営者のリスク認識トップにAIが躍り出てきたわけです。
デジタル変革(DX)は単なる「IT化」ではありません。組織全体のマインドトランスフォーメーション、つまり思考の根本的な変化が求められているんですね。
日米の産業構造の違いが生む「DX推進の壁」
米国大企業は一社内に複数部門が独立し人材移動が容易。日本はホールディングス・子会社・孫会社と縦割りで、横串の仕事がしにくい構造です。
ところで、なぜ日本企業はこのAIリスクへの対応が遅れがちなのでしょうか。ここに、日米の産業構造の根本的な違いがあります。
アメリカの大企業は、一つの会社の中に複数の部門が独立して存在しています。エンジニアリング部門、営業部門、マーケティング部門……これらが同じ会社の中にあるので、有機的な人材の移動や統廃合ができるんです。
一方、日本企業はどうでしょうか。ホールディングスがあって、その下に子会社があり、さらに孫会社がある。各社が独立した経営単位として機能しているので、横串を通した仕事がしにくいんですよね。これ、まさに縦割り社会の企業版です。
日本の課題とデジタル変革を担う人材育成
日本のデジタル人材は全就業人口の3〜4%程度。生成AIを使えることとエンジニアになれることは別物で、技術基盤を担う人材確保が不可欠です。
日本の課題:デジタル人材は全就業人口の3〜4%しかいない
これ、本当に深刻な数字なんです。
日本の全就業人口のうち、デジタル・IT分野を理解している人材(技術者やエンジニアなど含む)はわずか3〜4%程度。生成AIを使いこなせる人が増えてきたとはいえ、ソフトウェアエンジニアリングはそんなに簡単な話じゃありません。
ソフトウェアエンジニアというのは、本当に独特の思考構造を持っています。0と1の世界で生きている人たちなんですよ。「動くか動かないか」「成功か失敗か」というシビアな世界で毎日戦っている。私たちのように「なんとかなる」「だいたいOK」という曖昧さが通用しない世界です。
だからこそ、生成AIを使いこなせる ≠ エンジニアになれる、なんですよね。
デジタル変革を担う人材育成の重要性
リスキリングが叫ばれる中、多くの企業が社員に生成AIのスキルを身につけさせようとしています。これは正しい方向性です。ただ、そこに加えて「エンジニアリングがわかる人材」を自社の中に確保することが、これからのDX推進には不可欠です。
業務効率化のためにAIツールを導入しても、それを正しく運用・改善できるエンジニアがいなければ、ツールは宝の持ち腐れになってしまいます。AI活用を本気で進めるなら、技術的な基盤を整える人材育成と並行して取り組む必要があります。
今すぐ動くべき理由/AIリスクと採用の連動/さいごに
米国のトレンドは1〜2年遅れて日本に来ます。「AIリスクの高まり」と「エンジニア求人急増」はコインの表裏。動くなら今です。
「1〜2年後の日本」を予測する——今すぐ動くべき理由
アメリカのトレンドは1〜2年遅れて日本にやってきます。これは毎回そうなんです。
今、アメリカではソフトウェアエンジニアの争奪戦が始まっています。大企業だけでなく、中小企業(SME)も自社に一人はエンジニアを抱えないと成り立たなくなってきている状況です。
この波は必ず日本にもやってきます。まず東京から、次に関西へ、そして全国へと広がっていく。そのとき、すでに動いている企業とそうでない企業では、獲得できる人材の質と量に大きな差が生まれます。
経営者のAIリスク認識とエンジニア採用の連動
ここで、冒頭の二つのデータが繋がってきます。
CEOが「AIがリスク」と感じているのは、AI活用を進めるためのエンジニアリング基盤が自社にないからです。そして、そのリスクを解消するために、ソフトウェアエンジニアの採用を急いでいる。つまり、「AIリスクの高まり」と「エンジニア求人の急増」は、コインの表と裏なんですよ。
これ、連動してるんです。決して別物じゃないんですね。
IT人材の周囲ネットワークをどう活かすか
私自身、サートプロを設立して20年が経ちます。この業界で積み重ねてきた関係の中で、IT技術者や専門家との繋がりは百人を超えます。何か困ったことがあれば、そういった方々の手を借りることができる。
でも、これはエンジニアリングの世界に長年関わってきたからこそ築けたネットワークです。今まで縁遠かった経営者の方が突然「エンジニアが欲しい」と言っても、なかなか難しい。だからこそ、今のうちから繋がりを作っておくことが大切なんです。
まずは自社の社員の中にITがわかる人材を育てる。あるいは、そういった人材が入りやすい環境を整える。そして外部のエンジニアとのパイプを持っておく。これがDX推進における人材戦略の基本です。
AGI・ASI時代を見据えた人材投資
少し先の話をすると、私はAGI(汎用人工知能)やASI(超知性)の時代がじわじわと近づいてきていると感じています。
AGIやASIの時代においても、人間にしかできない役割は残ります。それは「最初に課題を設定すること」と「最後に責任をとること」です。AIが途中のプロセスをどれだけ担ってくれても、「何を解決するか」を決めるのは人間。そして「本当にこれを世に出していいか」を判断するのも人間です。
データ活用においても同じです。データを収集・分析するのはAIが得意でも、そのデータから「何を読み取り、何のために使うか」を決めるのは、深い業務知識とビジネス感覚を持った人材でなければなりません。
さいごに
今日お伝えしたかったのは、「AIリスクとエンジニア採用は連動している」というシンプルな事実です。一見バラバラに見える二つのデータが、実は一本の線で繋がっている——こういう視点で世の中のニュースを見ていくと、次に何が起きるかが見えてくるんですよね。
日本の経営者の皆さんに強くお伝えしたいのは、「まだ大丈夫」という感覚こそが最大のリスクだということです。アメリカが今動いているということは、日本では1〜2年後に同じことが起きる。そのとき慌てて動いても、人材はもう取れないんです。だから今、手を打つ必要があります。
DX推進は難しい話に聞こえるかもしれませんが、要は「デジタルがわかる仲間を一人増やす」ことから始めればいい。それだけで会社の景色がガラリと変わります。まずは小さな一歩を踏み出しましょう。AIの波に乗るか飲み込まれるかは、今この瞬間の判断にかかっています。
よくある質問
重要なキーワード解説
DX推進(デジタルトランスフォーメーション推進)
デジタル技術でビジネスや業務を根本から変革すること。
DX推進とは、デジタル技術を活用して企業のビジネスモデルや業務プロセスを根本から変革することです。単なる「IT化」や「システム導入」とは異なり、組織文化・人材・戦略すべてを含むデジタル変革を指します。経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」以降、日本企業にも広く普及した概念ですが、実際には「ツールを入れただけ」で終わるケースも多く、真のDX推進には経営者のマインドシフトとデジタル人材の確保が不可欠です。
生成AI(Generative AI)
文章・画像・コード等を自動生成できるAIの総称。
生成AIとは、文章・画像・コード・音声などのコンテンツを自動的に生成できるAI技術の総称です。ChatGPT(OpenAI)、Gemini(Google)、Claude(Anthropic)などが代表例です。業務効率化・マーケティング・ソフトウェア開発など幅広い分野に応用が広がり、エンタープライズ向けのAI活用が急速に拡大しています。ただし、生成AIの出力には誤りが含まれる場合もあるため、最終的な判断・責任は人間が担う必要があります。
リスキリング(Reskilling)
変化に対応して新しいスキルを習得すること。
リスキリングとは、技術革新や産業構造の変化に対応するために、社員が新しいスキルを習得することを指します。特にAI・デジタル分野でのリスキリングが注目されており、生成AIの活用スキルやデータ分析能力の習得が急務とされています。ただし、本記事でも述べたように、「生成AIが使える=エンジニアになれる」ではなく、ソフトウェアエンジニアリングの専門性は別物です。リスキリングはDX推進の重要な基盤ですが、エンジニア採用と並行して進める必要があります。
著者紹介
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近森満(ちかもり みつる)
株式会社サートプロ 代表取締役CEO / DXコンサルタント/IT人材育成/検定事業化
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定・+DX認定・アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。 |
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・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省 地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省 地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁 デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)
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