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【人間のAI活用能力 第5回】 人間の未来と“活用能力”のゆくえ 〜可能性と課題を見据えて〜

2025年5月5日
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目次

  1. AI進化の加速がもたらした「問い」:人間の役割とは?
  2. 「活用能力」の進化と歴史的文脈
  3. 格差を生む「使える人」と「使えない人」
  4. 人間の思考力は退化するのか?
  5. 活用能力を育てる鍵:「マイクロラーニング」と「マイクロクレデンシャル」
  6. AI時代のマインドセット:自分をどう育て、社会にどう貢献するか
  7. 教育が未来を決める:先人の知恵とどう向き合うか
  8. まとめ:活用能力こそが未来を拓く武器

 

【記事概要】

AIの進化が加速する現代において、私たち人間に求められるのは「AI活用能力」である——

本記事では近森満が言うその「活用能力」について、過去から未来にかけての視点で語られた音声配信シリーズ第5回(最終回)の内容を基に深掘りします。

生成AIの登場によって私たちはかつてない能力を手にした一方で、それに適応しきれない層との格差や、人間の思考力の衰退といった課題も顕在化しています。そこで問われるのが「活用する力をどう磨くか」。過去の叡智を活かし、AIと協働するための新たなマインドセットと行動力をどう育てていくのか——。

マイクロラーニングやマイクロクレデンシャルの導入を通じ、誰もが自分の力を証明し、社会に還元できる未来の形を模索する近森氏の提言は、これからの人材戦略にとって大きなヒントとなるはずです。

 

【著者情報】

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/

当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/

 

 

AI進化の加速がもたらした「問い」:人間の役割とは?

生成AIの登場により、「AIってすごいな」「これまでとは違うぞ」と多くの人が感じはじめています。従来のAIは、裏方として製造業やマーケティングに密かに組み込まれていました。しかし、生成AIは違います。私たちユーザーが直接触れ、自分の学習や業務に活用できる存在へと進化しました。

テキスト生成、壁打ち、検索支援、アイデア発想、文章要約、イラスト生成——私たちは“創造”と“対話”をAIと共に行える時代に突入しています。こうしたツールを手にした今、私たちは「どこに向かって進むべきか?」を真剣に問われているのです。

 

 

「活用能力」の進化と歴史的文脈

そもそも「AI活用能力」とは何か?

近森はこれを「人間の叡智を使って問題を解決する力」だと定義しています。火を扱い、言葉を紡ぎ、文字で記録してきた人類の歴史。
それは道具を活かす力、すなわち“活用する力”の進化の歴史そのものでした。

そして今、私たちはAIという新たな「道具」に出会いました。”第5次産業革命”とも呼べるかもしれない、この時代の変化は、かつての農業革命や工業革命にも匹敵する大きさです。これまでの人類の知恵と技術が積み重なった結果、生成AIという超知性の片鱗を手にした私たちの「活用能力」は、さらに次のステージに進むことが求められているのです。

 

 

格差を生む「使える人」と「使えない人」

AIがもたらす最大のインパクトは、「できる人」と「できない人」の間にある新たな格差の出現です。
たとえば文章が苦手だった近森自身、生成AIの助けを借りて苦手を克服できるようになりました。絵が描けなかった人が、今ではAIを使ってイラストを生成できる。つまり、“できなかったこと”が“できるようになる”時代なのです。

ところが——。その恩恵を受けられるのは「使いこなせる人」だけです。技術にアクセスできるかどうか、学べる環境があるかどうか、これらの差異が格差を拡大させているように見えますが、実は物質的なことばかりではなく、意識の問題もあります。テクノロジーの進歩は本来、誰もが公平に恩恵を受けられるべきもの。それが使いこなせなければ、便利な道具も“無力な存在”になってしまうのです。

 

事例: 苦手な分野の克服にAIを活用した実例

近森は、「文章が苦手」という自身の課題を生成AIによって克服しました。
コンサルタントという職業柄、音声での発信や口頭でのアイデア出しを得意とする彼は、生成AIにそのアウトプットをテキスト化してもらうことで、ブログや資料を自動生成。それが新たな情報発信の原動力になっているのです。これはまさに、「AI活用能力」が人間の可能性を広げた実例と言えます。

 

 

人間の思考力は退化するのか?

ここで立ちはだかるのが“AIへの依存”というリスクです。AIが便利になればなるほど、私たちの「思考力」や「判断力」が使われなくなるのではないか?——そんな懸念もあります。

しかし近森は言います。「AIを使っているからといって、自分が退化しているとはまったく思わない」と。
むしろ、AIによって「学びたいという気力」が湧き、テクノロジーを活かして新たなチャレンジをする意欲が高まっていると語ります。重要なのは、「使われる側」ではなく「使いこなす側」として主体的にテクノロジーと向き合うことです。

 

 

活用能力を育てる鍵:「マイクロラーニング」と「マイクロクレデンシャル」

近森が今注目しているのが、「マイクロラーニング」と「マイクロクレデンシャル」という2つの仕組みです。

マイクロラーニングとは、小さな単位で必要なスキルを短時間で学ぶ方法。スキマ時間やオンライン環境を活用して、今の仕事や課題にすぐ役立つ知識を習得できます。一方のマイクロクレデンシャルは、「自分にはこれができる」とスキルを“証明”する認証の仕組みです。

これは「自己申告ありき」の評価ではなく、「具体的なスキル」を小さな単位で積み上げて可視化していく新しい人材評価のあり方です。名刺の裏に「電話営業が得意」「プレゼン資料が作れる」と書けるような、具体的で現実的なスキルの提示こそが、これからの時代に必要とされるのです。

 

解説:マイクロクレデンシャルとは何か?

マイクロクレデンシャルとは、従来の学位や資格とは異なり、特定のスキルや能力を小さな単位で証明するデジタル証明書のことです。グローバルで広がりを見せるこの仕組みは、企業における人材育成やキャリアパス設計にも活用が進んでいます。短期間で取得可能なうえ、即戦力としてスキル証明ができる点が評価されています。

 

 

AI時代のマインドセット:自分をどう育て、社会にどう貢献するか

生成AI、AGI、そしてやがて訪れるASI(人工超知能)——これらにどう向き合い、どう活かすか?その答えは「マインドセット」にあります。

ただ便利に使うだけでなく、「自分の力を、誰かのために、社会のために生かす」という視点が大切です。SDGs、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン——これらの価値観を前提にした社会において、自分の能力を社会的価値に変換できる人材こそが、次の時代をリードするのです。

 

事例: 超知性リテラシー試験の開発

近森が取り組む「超知性リテラシー試験」は、AI時代における新たなリテラシー評価手法です。生成AIやAGIを前提にした教育設計・人材評価の枠組みで、IoT検定委員会などとの連携によって実証と普及が進められています。これは日本発の次世代スキル標準としての可能性を秘めています。

 

 

教育が未来を決める:先人の知恵とどう向き合うか

最後に近森が強調するのは、「過去を活用する力」です。
AIやインターネットは、先人たちが築いてきた知識や技術の積み重ねです。私たちはそれらの恩恵をどう引き継ぎ、活用していくかが問われています。未来はAIが決めるのではなく、「人間がどう使いこなすか」によって決まる
のです。

 

 

まとめ:活用能力こそが未来を拓く武器

活用能力とは、「過去の叡智を活かし、テクノロジーと共存しながら、自分の力を社会に発揮する力」です。
生成AIを使い倒し、思考力と判断力を鍛え、スキルを見える化し、行動につなげる。この一連の流れこそが、これからの人材戦略における“勝ち筋”と言えるでしょう。

 

いかがでしたでしょうか?
すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。

IT・DX教育サービスについてお悩みがある方は、ぜひ初回無料のオンラインコンサルティングをご利用ください。必ずお役に立ちます。
www.certpro.jp/dxconsulting/

生成AI導入を検討させている方は、こちらもご覧ください。
セキュリティから活用方法まで、サポートさせていただきます。
certpro-generationaiservice.sfsite.me/

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全5回エピソード:

【人間のAI活用能力 第1回】AIの進化と人間の“活用能力”とは何か? 〜定義と歴史的背景〜
【人間のAI活用能力 第2回】“活用能力”は進化しているのか? 〜肯定的な視点とその根拠〜
【人間のAI活用能力 第3回】“活用能力”の限界とリスクとは? 〜否定的な視点に基づく考察〜
【人間のAI活用能力 第4回】AIと人間は融合するのか? 〜シンギュラリティに関する専門家の見解〜
【人間のAI活用能力 第5回】 最終回 人間の未来と“活用能力”のゆくえ 〜可能性と課題を見据えて〜
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【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者 技術者育成研究会メンバー(組込み)
ET教育フォーラム 合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省 地方版IoT推進ラボビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省 地域DX推進ラボビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁 デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人 サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)

DX企画書のネタ帳をはじめた人「DXの鍛え方 伝道師」とは?「DXの道を切り開く伝道師、その人物と使命に迫る」【近森満:自己紹介:2024年版】|#DX企画書のネタ帳

 

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