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生成AIで10人の専門家円卓会議を実現するDX人材育成の新戦略

2026年8月22日




CONCEPT

生成AIで10人の専門家円卓会議を実現するDX人材育成の新戦略

お金と人脈がなくても、専門家チームをいつでも呼び出せる時代。近森満が実践方法を解説します。
5人
専門家エージェント
5ラウンド
円卓会議の検討
月数千円
チーム組成コスト
生成AIで10人の専門家円卓会議を実現するDX人材育成の新戦略
📅 2026年4月28日
✍️ 近森 満(株式会社サートプロ CEO)

#AI活用
#人材育成
#マインドシフト

SUMMARY
■ 記事概要
あなたの会社には、マーケティング、コンサルタント、PM、データ分析、営業の専門家が揃っていますか?実は今、生成AIを使えば、これら10人の専門家を「いつでも呼び出せる会議室」を作ることができるんです。本記事では、DX推進の最前線で活躍する近森満が、Notebook LMとGeminiを活用した専門家AI円卓会議の実践方法を解説します。生成AI&AIエージェントセミナーの集客という実際の課題を、AI専門家チームがどう解決したか。リスキリングや人材育成で頭を抱える経営者・人事担当者必見の内容です。AGI・ASI時代に求められるマインドシフトとAI活用の実践ロードマップをお伝えします。

✅ この記事でわかること
・生成AIで専門家チームをバーチャル組成する発想
・Notebook LMで実践した専門家円卓会議の全プロセス
・AI円卓会議の限界と使いこなしの3つのコツ
・業務効率化を超えた「組織知の拡張」という視点
・今日から始められるAI円卓会議の5ステップ

SECTION 01

生成AIが変える「専門家チーム」の常識

📌 ポイント
複数の専門家AIエージェントを同時稼働させる円卓会議型のAI活用が話題。使いこなす経営者とそうでない経営者で2〜3年で差が生まれます。

ところで、突然ですが聞いてみたいことがあります。「あなたは自社の課題を解決するとき、何人の専門家に相談できますか?」

マーケティング担当者、コンサルタント、プロジェクトマネージャー、データアナリスト、営業のスペシャリスト……。こういった人たちを一度に集めてブレインストーミングするのって、普通はかなり大変じゃないですか。予算もかかるし、スケジュール調整だけで何週間もかかることもある。

でも、これが今、生成AIで変わろうとしています。断言します。AIを使いこなせる経営者と、そうでない経営者では、2〜3年以内に圧倒的な差が生まれます。

最近SNSで話題になっているのが、「複数の専門家AIエージェントを同時に稼働させる円卓会議型のAI活用法」です。これはですね、いわゆる一人でユニコーン企業を目指す発想に近くて、30〜40人の少人数チームで10億〜100億円の価値を生み出せる企業が実際に出てきている背景と無縁ではありません。

マインドシフトが先、ツールは後

📌 ポイント
「AIは仕事を奪う」から「AIは専門家チームを手軽に組成するインフラ」へ。バーチャルドリームチームを月数千円で組成できます。

重要なのはマインドシフトです。「AIは人の仕事を奪う」という恐怖ベースの見方から、「AIは専門家チームを手軽に組成するインフラだ」という発想への転換。これがAI活用の第一歩です。

営業部門であれば、営業AIエージェントが市場トレンドを分析し、コンサルタントAIエージェントが戦略を提言する。PMエージェントがプロジェクト全体を管理しながら、データ分析エージェントが数字でバックアップする。こんな「バーチャルドリームチーム」を、月数千円のサブスクで組成できる時代になっているんです。

SECTION 02

Notebook LMで専門家円卓会議を実際にやってみた

📌 ポイント
Geminiが裏で動くNotebook LMに5人の専門家を設定。5ラウンドで意見を出し合い、実行可能なアクションプランにまとめました。

さて、余談ですが、私も実際にやってみました。

使ったのはGoogleのNotebook LMです。ご存知の方も多いと思いますが、Notebook LMはGeminiが裏で動いているAIリサーチツールで、資料を読み込ませて深い分析をさせることができます。

※参考にさせていただきましたXポスト:@ai_jitan(x.com)

課題設定:予算10万円でセミナー100名集客

📌 ポイント
マーケ・コンサル・PM・データアナリスト・営業の5人のエージェントを設定。互いに意見を出し合い5ラウンドの検討を実施します。

今回の課題はシンプルです。「予算10万円で、私が主催するAIセミナーに100名を集客する」というビジネス課題です。

この課題に対して、私はNotebook LMの中に5人の専門家エージェントを設定しました。マーケティング専門家(集客チャネルの選定と広告戦略)、コンサルタント(全体戦略の方向性付け)、プロジェクトマネージャー(実行スケジュールとKPI管理)、データアナリスト(数字に基づく分析と改善提案)、営業・セールス専門家(参加者への訴求メッセージ開発)の5人です。

これ、本当に面白いんですよね。5人のAIエージェントが互いに意見を出し合いながら、課題に対して5ラウンドの検討を実施してくれます。

5ラウンドの検討プロセス

📌 ポイント
ターゲット設定→予算配分と集客チャネル→参加特典と訴求→スケジュールとKPI→最終まとめ、と段階的に検討を深めます。

第1R
ターゲット設定と全体戦略
「30〜50代の企業経営者・管理職」をメインに、DX推進とAI活用の実践力習得を訴求軸に設定。
第2R
予算配分と集客チャネル選定
SNS広告・メルマガ・Peatix掲載・紹介施策。独自LP提案は前提外で実現不可という学びも。
第3R
参加特典の活用と訴求メッセージ
第4R
実行スケジュールとKPIの設定
第5R
最終施策のまとめとネクストステップ
5ラウンド分の討議を統合し、実行可能なアクションプランにまとめる。
SECTION 03

AI専門家会議の限界と使いこなしのコツ

📌 ポイント
万能ではありません。前提条件の精度、トークン消費と引き継ぎ、人間のレビュー——この3点が使いこなしの鍵です。

ただ、正直に言います。万能ではありません。今回の経験から見えてきた課題がいくつかあります。

前提条件の精度がアウトプットを決める

📌 ポイント
「独自LPは作れない」「Peatixを使う」「ペルソナ」まで細かく設定しないと的外れな提案が出ます。人間の会議と同じで前提共有が肝心です。

これ、本当に重要です。「予算10万円で100名集客」という課題を投げるだけでは不十分で、「独自LPは作れない」「Peatixを使っている」「参加者のペルソナはこういう人」という前提条件を細かく設定しないと、的外れな提案が出てくることがあります。人間の会議でも同じですよね?前提共有なしにいきなり「集客どうする?」と聞かれても困る。AIも一緒です。

トークン消費と「引き継ぎ」の工夫

📌 ポイント
複数エージェントを長時間動かすとトークンを消費。結論をChatGPTへ移す「引き継ぎ方式」で、AI間の強みを活かし効率化します。

もう一つの課題はシステムの重さです。Notebook LMもGeminiもクラウドのWebサービスを使っているので、複数エージェントを長時間動かすとトークンをどんどん消費してしまいます。そこで私が取り入れたのが「引き継ぎ方式」です。Notebook LM上の専門家会議で結論が出たら、その内容をChatGPT(GPT-5.5)に移して継続検討する。異なるAI間でバトンをつなぐことで、それぞれの強みを活かしながら効率的に進められます。

人間のレビューと判断力は欠かせない

📌 ポイント
最終判断は人間。AIの提案が現実的か、自社リソースで実行できるかを見極める力こそがリスキリングの核心です。

AIが5ラウンド検討してくれたとしても、最終判断をするのは人間です。「このAIの提案は現実的か?」「自分たちのリソースで実行できるか?」を見極める目が必要です。これがまさにリスキリングの核心ともいえます。AIツールを使いこなすスキルだけでなく、AIのアウトプットを批判的に評価し、ビジネス判断に変換する力。これが次の時代のビジネスパーソンに求められる能力です。

SECTION 04

DX推進の現場で起きているマインドチェンジ

📌 ポイント
AI円卓会議は「専門家不在」の解消、組織知の拡張、そしてAGI・ASI時代のリスキリング設計という点で示唆に富みます。

「専門家不在」の課題を解消するAI活用

📌 ポイント
マーケターもPMもいない中小・地方企業に「バーチャル外注」として機能。初期のアイデア出しや課題の構造化を任せられます。

さて、少し視点を変えてみましょう。この「AI円卓会議」という発想は、DX推進の文脈でも非常に示唆的です。

多くの中小企業や地方企業が直面しているのが「専門家不在」の問題です。マーケティング専門家もいない、PMもいない、データサイエンティストもいない。人材育成コストもかけられない。こういった企業にとって、AI専門家エージェントは「バーチャル外注」として機能します。もちろん、すべてをAIに任せるわけにはいきませんが、初期段階のアイデア出しや方向性の整理、課題の構造化などは十分に任せられます。

業務効率化を超えた「組織知の拡張」

📌 ポイント
専門家会議の内容が組織のナレッジとして残り、暗黙知が形式知化。これがデータ活用の新しい形でありDX推進の本来の姿です。

AI活用というと、まだ多くの企業では「業務効率化ツール」として捉えられがちです。でも本質はもっと深いところにあります。10人の専門家が議論した内容が記録として残り、それが組織の「ナレッジ」になる。次に同じような課題に直面したとき、過去の専門家会議の記録をベースに、さらに精度の高い議論ができる。これはデータ活用の新しい形です。個人の頭の中にあった暗黙知が、AIとの対話を通じて形式知化されていく。これがDX推進の本来の姿ではないでしょうか。

AGI・ASI時代に向けたリスキリングの設計

📌 ポイント
AGI・ASI時代に人間に求められるのは「AIをどう活かすか」を設計する力。専門家エージェントの組み合わせを構想する力が不可欠です。

少し先を見据えた話をします。今私たちが目の前にしているのはAI(人工知能)ですが、研究者の間では2030年前後にAGI(汎用人工知能)が、その先にASI(超知性)が実現するという見方も出てきています。AGI・ASI時代には、今の「AI専門家エージェント」レベルをはるかに超えた知的作業がAIによって行われるようになります。その時に人間に求められるのは何か?断言します。それは「AIをどう活かすか」を設計する力、つまりAI活用の設計思想です。目の前の業務をAIに置き換えるのではなく、「どんな専門家エージェントを組み合わせれば、どんな課題が解けるか」を構想する力。これが次世代のデジタル変革を担う人材に不可欠なコンピテンシーです。

SECTION 05

今日から始められるAI円卓会議の実践ステップ

📌 ポイント
課題の言語化→専門家役割の定義→エージェント設定→段階的検討→人間のジャッジ。この5ステップで誰でも始められます。

STEP1
「課題」を言語化する
「売上を上げたい」ではなく「第3四半期に特定顧客セグメントの受注を20%増やすには」というレベルで。
STEP2
必要な専門家の役割を定義する
コンサル・マーケター・エンジニア・法務など、課題に応じて組み合わせる。
STEP3
Notebook LMやChatGPTでエージェント設定
各専門家のペルソナとミッションを初期指示として設定する。
STEP4
段階的に検討を深める
全体方針→共通点と相違点の整理→最優先施策を3つに絞る、とラウンド制で。
STEP5
人間がジャッジして次を決める
鵜呑みにせず、自社のリソース・文脈・価値観でフィルタリングする。
CONCLUSION

さいごに

📌 ポイント
「AIは道具」から「AIはチームメンバー」へ。まず小さな課題で試すこと。失敗しながら学ぶプロセスがデジタル変革の実力を養います。

生成AIによる専門家円卓会議は、今まで「お金と人脈がないと実現できなかった」ことを、一人でも実践できるようにする技術革新です。これはDX推進における本質的なマインドシフトを意味します。「AIは道具」という認識から「AIはチームメンバー」という感覚への変容です。

人材育成の観点でも、これは大きな転換点です。従来のリスキリングは「特定のスキルを習得する」という発想でしたが、AI時代のリスキリングは「AIと共に思考する力を鍛える」という方向に移っています。AI活用を前提とした業務プロセスの設計力、AIのアウトプットを評価・改善するクリティカルシンキング、複数のAIを組み合わせるオーケストレーション力。これらが次世代の人材育成の核心です。

最後に一点、強調しておきたいことがあります。AI格差は今、急速に広がっています。使う側と使われる側の二極化が進む中で、「やってみる」という行動が最大の差別化要因です。完璧な準備ができてから始めるのではなく、まず小さな課題でAI円卓会議を試してみてください。失敗しながら学ぶプロセスそのものが、デジタル変革の実力を養います。

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FAQ

よくある質問

Q1:AI専門家円卓会議とは何ですか?
生成AIで複数の専門家エージェント(マーケター・コンサル・PM・データアナリスト・営業など)を同時に稼働させ、互いに意見を出し合わせて課題を検討する手法です。従来は予算と人脈がないと集められなかった専門家チームを、月数千円のサブスクでバーチャルに組成できます。

Q2:実際にどんな課題で試したのですか?
「予算10万円でAIセミナーに100名を集客する」という課題です。Notebook LMに5人の専門家エージェントを設定し、ターゲット設定、予算配分と集客チャネル、参加特典と訴求、スケジュールとKPI、最終まとめの5ラウンドで検討し、実行可能なアクションプランにまとめました。

Q3:AI円卓会議を使いこなすコツは何ですか?
前提条件を細かく設定することが最重要です。「独自LPは作れない」「Peatixを使う」「ペルソナはこういう人」まで入力しないと的外れな提案が出ます。またトークン消費対策としてNotebook LMからChatGPTへ「引き継ぐ」工夫や、最終判断を人間が行うことも欠かせません。

Q4:「専門家不在」の企業にどう役立ちますか?
マーケターもPMもデータサイエンティストもいない中小・地方企業にとって、AI専門家エージェントは「バーチャル外注」として機能します。すべてを任せるのは難しいものの、初期のアイデア出しや方向性の整理、課題の構造化は十分に任せられ、組織知の拡張にもつながります。

Q5:AI時代のリスキリングで何が求められますか?
AIと共に思考する力です。AI活用を前提とした業務プロセスの設計力、AIのアウトプットを評価・改善するクリティカルシンキング、複数のAIを組み合わせるオーケストレーション力が核心で、「どんな専門家エージェントを組み合わせれば課題が解けるか」を構想する力が不可欠になります。

KEYWORDS

重要なキーワード解説

DX推進(デジタルトランスフォーメーション推進)

📌 一行定義
デジタル技術でビジネスモデル・組織・プロセスを変革すること。

DX推進とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや組織・プロセスを変革し、競争優位性を確立することです。単なるITシステムの導入ではなく、ビジネスの本質的な価値創造の方法を変えることを指します。経済産業省も「DXレポート」でデジタル変革の重要性を提唱しており、2025年以降は特にAI活用が中心的な課題となっています。本記事のAI専門家円卓会議は、DX推進における組織知の拡張と人材育成課題の解決策として位置づけられます。

リスキリング(Reskilling)

📌 一行定義
新しいスキルを習得し、AIと協働して思考・判断する力を鍛えること。

リスキリングとは、技術変化や産業構造の転換に対応するために、働く人が新しいスキルを習得することです。特にAI・デジタル技術の急速な発展により、多くの職種で求められるスキルが変化しており、企業・個人両方にとって喫緊の課題となっています。AI時代のリスキリングは単なるツール習得にとどまらず、AIと協働して思考・判断する力を鍛えることが本質です。人材育成の設計においても、従来の集合研修型から、実際の業務でAIを活用しながら学ぶ「Learning by Doing」型への転換が求められています。

マインドシフト/マインドチェンジ

📌 一行定義
物事に対する根本的な考え方・価値観・前提認識が変わること。

マインドシフト(マインドチェンジ)とは、物事に対する根本的な考え方・価値観・前提認識が変わることです。DX推進において最も重要で、かつ最も難しいのがこのマインドシフトです。「AIは怖い」「AIは使いこなせない」という恐怖・諦めの姿勢から、「AIは最強のパートナー」「AIで自分の可能性を広げられる」という成長マインドへの転換が、デジタル変革成功の鍵を握ります。組織のDX推進においても、経営者・管理職のマインドシフトが現場のAI活用文化を育む土壌となります。

🎙️ この内容はSpotify Podcast「超知性AI時代のDX企画書のネタ帳」でも配信中です。
※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
関連ハッシュタグ
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AUTHOR

著者紹介

近森満(ちかもり みつる)
株式会社サートプロ 代表取締役CEO / DXコンサルタント/IT人材育成/検定事業化

IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定・+DX認定・アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。

■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省 地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省 地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁 デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・“一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)
近森満
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