こんにちは! 「生成AI時代のアップデート勉強会」です。
隔週にてお届けしているメールマガジンで、最新の生成AIや
DX、リスキリングなどをテーマに情報をお届けしております。
「AIが仕事をするなら、人はもうそんなに要らないのでは?」
最近、そんな話があちこちで聞かれるようになりました。
確かにそのような一面もあることは事実ですが、実際の動きは
少し違います。
生成AIの利用が拡大するアメリカを見ても、ITの人材採用は
大きく動いています。
決して、人間がいらなくなったわけではないのです。
その一方で、企業の経営者は「AIとどのように向き合い、どう
活用するか」ということに頭を悩ませています。
今回はこの人材採用と経営者の課題にスポットを当てます。
テーマは、「AI導入が進むと、人材戦略が重要になる」です。
1.AI導入が進むほど、人材が重要
「コードも資料もAIが作るなら、ITの専門職は減っていく」
生成AIが普及し始めた頃は、このような考え方が広まって
いました。
本メルマガ読者の中でも、そう考える方も多いと思います。
しかし、現実の仕事はそこまで単純ではありません。
たしかに、生成AIは
・下書きを作る
・情報をまとめる
・パターンを探す
・アイデアを広げる
といった作業が得意です。
けれど、仕事として世の中に出すには、その先が必要です。
・本当にこの内容で問題ないか
・例外対応はどうするか
・品質は担保できているか
・責任は誰が持つのか
こうした判断においては、人間の仕事が不可欠です。
つまり、AIの導入が進むほど不要になるのは、「繰り返しが
必要な一部の作業」です。
逆に「全体の仕組みを把握して、次のフローに繋いでいき、
要所要所で判断を行い、最終的な責任を持つ」ような人材
のニーズは高まっています。
そういった理由から、AIの導入が進む企業ほど、人材採用
や人材育成が重要になってくるのです。
2.経営者が感じる「AIリスク」
ここで経営者が頭を悩ますのは、「AIリスク」と呼ばれている
問題です。
それは単に「気をつけないとAIは危険だ」などというレベルの
話ではありません。
【AIリスク】
・競合他社がAIを活用して伸び、自社だけ遅れる
・AI導入するも、現場の仕事は相変わらず非効率
・AIに対する知識、ノウハウを持った人材がいない
・AIを使った業務フローを構築、運用できない
・AI導入を最後まで責任もって実行できる人材がいない
海外の調査を見ても、実に多くの経営者が
「AIをうまく使えなければ、自分の会社が負けてしまう」
と感じています。
また、AIを実際の仕事に組み込んで進む企業と、少し試して
いるだけの企業では、少しずつ差が出始めています。
つまり、ここでいう「AIリスク」とは…
「AIを活かせず、自社の発展が阻害されてしまう」
リスクのこととなります。
この切り口で、経営者が今考えるべきことは明確です。
「AIを使うかどうかどうか」ではなく、
「AI導入を前提に、どんな人材と体制が必要か」
を考えることです。
3.AI対応が遅れる日本企業
ここで問題となるのが、日本企業のAI対応の遅れです。
理由はいくつかありますが、大きな問題点は「人材と役割の
分断」です。
米国企業では、ITは企業経営の要とされ、社内でエンジニア、
営業、マーケティング、企画などの部署が連携して動いている
ケースが多いです。
ところが、日本ではその会社だけでなく、子会社や関連会社、
外部委託先などに役割が分かれ、物事を横断的に進めにくい
というケースが少なくありません。
特にIT系のシステム開発などは外部企業に委託しており、
社内では全てコントロールできない状況となります。
さらに日本では、デジタル人材自体が足りておらず、その育成
が長年の課題となっています。
経済産業省も、企業が人材投資に消極的で、個人レベルでも
学習が難しい環境の中、生成AIの登場によってスキル格差が
より深刻になっていると指摘しています。
ここで誤解してはいけないのは、「生成AIを使える」ことと
「エンジニアリングがわかる」ことは同定義ではない点です。
生成AIを使って文章を作れる人は非常に多いです。
しかし…
・システム全体の仕組みを理解する
・データや処理の繋がりが確認できる
・問題の原因がどこにあるか切り分ける
・システムを安全に運用していく
といった部分は、やはり一定の技術レベルが必要です。
だからこそ、これからの企業は単に「AIを使う人」ではなく、
「AIを使ったフローを構築、運用できる人」が必要なのです。
4.日本企業がやるべきこと
では、日本企業がこれから取り組まなければならないことは
何でしょうか。
ポイントとしては次の3つになります。
(1) 社内に「AIの担当者」を育てる
・基礎知識があり、最新情報などを確認できる
・AIで出来ることの限界がわかっている
・AIをどう業務に組み込むか考えられる
・ベンダーや外部委託先と話ができる
もちろん、社員全員をエンジニアにする必要はありませんが、
何名かは、社内の「橋渡し役」を育てることが重要です。
(2) 外部のITパートナーを見つける
何かシステムを作るとなった際に、協力してくれる専門家を
すぐに見つけるのは困難です。
そこで、困った時に相談をしたり、業務を頼めるパートナー
企業や外部エンジニアと接点を持っておくことが大事です。
【パートナー企業/外部エンジニアの見つけ方】
・取引先や知人からの紹介
・イベントや展示会で名刺交換
・セミナーや勉強会に参加
・エンジニアのマッチングサイトを利用
単に知り合うだけで満足せず、継続的にお付き合いを行い、
信頼できるパートナーとなるか見極めることが重要です。
・イベントで知り合った企業に、比較的軽めの案件を依頼し、
納期やクオリティを確認する。
・セミナーに登壇していたエンジニアに、自分の会社内での
勉強会を依頼し、企画してもらう。
こういった取り組みから、人脈を広げていきましょう。
(3) AI前提で業務を見直す
自社の業務フローを見直す取り組みです。
まずは自社(部署)でどんな課題があるのか確認します。
・アナログの作業(紙やハンコ等)を洗い出す。
・指示や連携が「口頭」だけになっている業務を確認する。
・同じような作業が重複している箇所を見つける。
(PCのデータ入力と手書き伝票を両フローがあるなど)
・手順が多く、承認までの時間が長いフローを調べる。
ここで多くの企業が勘違いしていることがあります。
AIの導入を成功させたいからといって、先にどのAIを使用
するか決めて、ベンダーやサービスと契約してはいけません。
まずは自社の課題を調査し、その内容をもとに、どんな業務
フローが最適か検討を進めます。
その上で、どの部分をAIに任せるのかを決めて、その業務に
適したAIの種類、ベンダー、サービスなどを調べるのです。
契約したAIでできることを探すのではなく、自社の課題に
合ったAIを探す、これが成功の近道なのです。
5.今後の人材戦略
これから、企業が必要とする人材はガラリと変わります。
今までは事務作業が早いとか、PowerPointで提案資料が
綺麗に作れる、Excelのスキルが高いなど、そういった技能
が重視されていました。
しかし、これからはAI導入が避けられない時代です。
単なるオフィスソフトの技能ではなく、AIを活用できる人材を
どう確保するかが、企業にとって最重要の人材戦略となります。
ちなみに、この「AIを活用できる人材」とは、単にAIを使って
回答を出せる人材のことではありません。
【AI活用人材】
・AIを使った業務を円滑に進められる人
・現場業務とAIの技術を繋げて考えられる人
・社内に新しいやり方を提案し、運用できる人
・AIの出力を鵜呑みにせず、しっかりと検証できる人
・最終確認やその後の意思決定を支援できる人
AIが進化するほど、こういった人材の価値は上がります。
AIを導入して効率的になったから、人材を減らしてコストを
削減しようとすると、経営的な判断を誤ってしまいます。
AIは仕事の負担を軽減してくれます。
しかし、その仕事にAIを組み込み、効果を出し、最後に責任を
持つのは人間です。
【企業の人材戦略】
・外部からAI活用できる人材を採用する
・社内でAI活用できる人材を育てる
・業務の一部を、AIに強い外部パートナーに委託する
・人材の能力を活かせるよう、社内の体制を見直す
ぜひ、この取り組みを検討してみてください。
これができる会社とできない会社で、AI時代における経営の
大きな分かれ道となることでしょう。
今回の内容はいかがでしたでしょうか。
それでは、また次回のメールマガジンでお会いしましょう!
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