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「集中できない脳」のためのデジタル環境の整え方【大人の勉強会】

2025年8月19日
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【記事概要】

「集中できない脳」を持つ私たちが、デジタル情報に囲まれた現代社会でどのように集中力を高める環境を整えていくべきか。その問いに対して、IT教育サービスと生成AIを実践する近森満氏が、自身の現場経験とユニークな視点から語った内容をリライト・再構成したブログ記事です。埼玉県内50社へのデジタル導入支援を例に、ノーコードツールの活用、講師派遣の現場感覚、マルチタスクが脳へ与える負荷、通知オフやタイムブロッキングといった実践的な対策が紹介されます。また、集中力低下の背景にある「認知資源理論」や「カーペットエフェクト」などの理論的な視点も盛り込み、環境整備の重要性を丁寧に解説。Braveブラウザ(Chrome互換)やGoogleカレンダーの活用法、オフライン時間の大切さ、ツールの統一化、紙とペンの活用まで、具体的かつ即効性のあるアクションが提示されています。さらに、意志力に頼らず、仕組みで集中を生み出すマインド・トランスフォーメーションの考え方も提案されており、ビジネスパーソンにとって有益な一冊となっています。

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【本文】

「集中できないのは意志の問題じゃない。デジタル環境に仕組みが足りてないだけ」──そんな時代に、私たちは生きています。

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/

当社では「DX推進人材教育プログラム」として、初回無料のコンサルティングを提供しています。
DX推進や人材育成のご相談、どうぞお気軽にお寄せください。
www.certpro.jp/dxconsulting/

集中できないのはあなたのせいじゃない

「集中できない…自分、意志が弱いのかな」
いやいや、違います。
それ、あなたの脳が正しく反応しているだけです。

集中できない大きな理由。それは「認知資源の消耗」です。
つまり、脳のエネルギーが先に使い果たされている状態なんです。

現代人は、朝起きた瞬間からスマホの通知、LINEの返信、会議、Slack、Googleカレンダー、メール…とにかく脳に“やることリスト”が次々と押し寄せてくる。結果、集中に使える力が残っていない

これが「コグニティブ・リソース・セオリー(認知資源理論)」です。
つまり、「集中しようにも、もう脳が燃料切れ」ってわけです。

通知オフ、それだけで脳が息を吹き返す

私がまずやってるのが、通知の全オフ
スマホもPCも、SlackもChatworkも。講演中やコンサル中に通知がピコピコ鳴るのは失礼だし、集中もできない。

でもね、通知が来ないだけで、びっくりするほど思考が深まるんですよ。

例えばGoogleカレンダー。予定のブロックは50分+10分の休憩にしてる。会議が10:00〜11:00ってカレンダーに入ってると、次の予定が詰まってきて、脳がずっと緊張モードなんですよ。

だから私は、「10:00〜10:50で会議」「10:50〜11:00は頭のインターバル」ってしてます。
この10分で、どれだけ次の仕事が楽になるか。ほんと、試してみてほしい。

集中できない原因は「脳の切り替え疲れ」だった

よく「マルチタスクしてます!」って自慢する人いますけど、実はそれ、脳に最悪なやつです。

なぜなら、人間の脳は“並行処理”できないんです。
厳密にいうと、「スイッチング」してるだけ。つまり、一つ一つを高速で切り替えてる状態

このときに脳に溜まるのが「カーペットエフェクト」ってやつ。
前の作業の“注意の残りカス”が、脳のどこかにこびりついて、次のタスクの集中を邪魔してくる。しかもそれが、どんどん蓄積していく

この仕組み、知ってるか知らないかで、仕事の効率が劇的に変わるんです。

事例:埼玉県50社へのDX支援で見えた「パズル型タスク地獄」

実は今、私は埼玉県の企業50社に対して、ノーコード・ローコード研修+コンサルを提供するプロジェクトでコンサルタントのアサインを受け持っています。

これがまたね、講師約30人分のアサインとスケジュールを、1社1社に合わせて組むっていう、完全に難しいパズル並の仕事。

企業のニーズと講師の得意分野、スケジュール、企業と自宅の距離…。全部を踏まえて、「はい、あなたはこの日この会社で」って組むんだけど、これがめちゃくちゃ頭使う

だからこそ、通知オフ・タスクブロッキング・集中環境整備が命なんです。

ツール群は1メーカーに絞れ。多すぎると脳が迷子になる

ツールって、増やせば増やすほど便利に見えるけど、実は逆。
「どこに何があったっけ?」で、脳が疲弊するんです。

だから私は、Google Workspaceに集約しています。
メール、ドライブ、カレンダー、Docs、Sheet、Todo、全部Google。

メッセージのやり取りはSlackやChatworkもありますが、基本はMessenger。情報の通り道は、シンプルに一本化

これだけでも、驚くほど「探す時間」が減ります。

Braveブラウザは集中力アップの最強ツール

私が使ってるブラウザは「Brave(ブレイブ)」です。
これ、Chromeベースなんですけど、広告やポップアップを自動でブロックしてくれる。

だから、YouTube見てても広告が出ないし、記事読んでても変なバナーに気を取られない。

集中する環境って、「余計な視覚情報をどれだけ減らせるか」なんですよ。
Brave使うだけで、脳のノイズが減ってる実感あります。

brave.com/ja/

オフラインの価値は、AI時代ほど高くなる

デジタルデバイスに囲まれてると、オフラインの時間がどれだけ貴重かって実感するんですよ。

昼寝、仮眠、散歩、瞑想、紙のノート、アナログ読書…全部、脳の回復に効く。

私は20代の頃、会社の省エネ対策で昼休みに電気が消されてたんですが、その時に机で突っ伏して寝てた(笑)。でも今思えば、あれが最高の「脳リセットタイム」だったんですよね。

今は昼寝しないけど、「目を閉じる」「一息つく」って意識してやってます。

集中できる環境は、自分で設計する時代へ

マウスも、椅子も、デスクの位置も、私は全部「自分が集中できるように」設計してます。
ロジクールの多ボタンマウスに機能割り当てて、クリック1つで作業切り替え。

「そんな細かいことで?」って思うかもしれないけど、これが意外とバカにできない。
動作のシンプル化=脳の節約なんです。

まとめ:集中力を高めるのは“意志”じゃなく“仕組み”

集中できないのは、意思が弱いからじゃない。
通知の嵐、タスクの断片化、ツールの多重化…。
つまり、「脳に優しくない仕組み」がそこにあるだけ。

だったら、脳が気持ちよく働ける“環境”を整えればいいんです。

通知を切る、作業をブロックする、オフライン時間を取る、ツールを統一する、視覚情報を減らす…
これらすべてが、集中力というリソースを守ることに繋がります。

これからの時代、「マインド・トランスフォーメーション(思考の構造改革)」が、生産性の最大エンジンになります。

さいごに

いかがでしたでしょうか?
「集中できないのは性格や気合の問題」なんて、もう時代遅れです。

今こそ、環境を変えることで自分を変えるという発想が求められています。
そしてそれは、デジタル・トランスフォーメーションの本質そのもの

DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。
かならずお役に立ちます。

ではまた。
www.certpro.jp/dxconsulting/


キーワードの解説

認知資源理論(コグニティブ・リソース・セオリー)
人間の集中力や意志力は有限なリソースであるという心理学理論です。私たちの脳は注意を向ける対象が増えるほど、その「認知資源」が消耗しやすくなり、結果的に集中力が低下します。スマートフォンの通知、マルチタスク、SNSなどが常時介在する環境では、この認知資源が常に奪われてしまい、深い集中状態に入ることが困難になります。この理論は、環境設計によって集中を支援する重要性を示しています。

マルチタスクとカーペット・エフェクト
一見効率的に見えるマルチタスクですが、人間の脳は実際には複数の作業を並行処理できず、注意の切り替えを連続して行っているに過ぎません。その際に「前の作業の注意の残りカス」が脳内に蓄積し、次の作業への集中を阻害します。これを「カーペット・エフェクト」と呼びます。これはマルチタスクが生産性を下げる主な原因とされており、現代の知的労働者にとって大きな課題です。

タイムブロッキング
時間を意図的に「ブロック(固定)」して予定を入れることで、集中と切り替えのリズムを整える時間管理手法です。Googleカレンダーなどのツールを使い、会議や作業を50分単位で設計し、10分のインターバルを確保することで脳の疲労を軽減し、集中力を保ちます。これは「集中できない脳」に対して非常に効果的なデジタル環境デザインの一つとして注目されています。


【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)

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