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今の世の中は異常です。生成AI依存の話。

2026年2月6日
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【記事概要】

「今の世の中は異常です」と言い切りたくなる背景には、生成AIが便利すぎて、人間が“元に戻れない”状態へ進んでいく怖さがあります。近森満はChatGPTとGeminiを課金して使い続けていますが、Grok、Manus、Gensparkなど新しい生成AIが次々に登場し、つい試したくなる気持ちも止まりません。しかし実際にGensparkのAIエージェント機能を触ったところ、無料プランは途中でクレジット切れになり、最後までアウトプットが出ない現実に直面しました。生成AIはポイント制のように処理量に応じてコストが落ちていく仕組みで、仕事で使うなら“有償で継続利用”が前提になります。今は月数千円で「人ひとり分」レベルの作業を肩代わりしてくれるため安すぎるとも言えますが、社会インフラ化が進めば、いずれ値上げで依存のツケを払う局面が来るかもしれません。これはSpotify配信をもとにした近森満の思考ログとして、AI依存時代のDX推進、マインドセットの変化、そして備えるべき視点を実務目線で整理していきます。

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【本文】

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ、近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/

今日は少し強い言葉から始めますが、今の世の中は、正直言って異常だと思っています。
ただし、これは不安を煽りたいわけでも、誰かを批判したいわけでもありません。生成AIを日常的に使い、DX推進や人材育成の現場に関わり続けている立場として、どうしても伝えておきたい違和感があるからです。

生成AIにいくら課金しているのか、というリアルな話

まず、とても現実的な話からします。
私は現在、生成AIに対していくつも課金している…と言いたいところですが、実は課金しているのはたった2つだけです。

1つは、OpenAIのChatGPT。
月額20ドル、日本円でだいたい3,000円前後のプランです。

もう1つは、GoogleのGemini。
これはGoogle Workspaceを使っている関係で、月1,500円〜2,000円程度の追加コストで使えています。

以前は、GhatGPTのプロ向けライセンスの200ドルプランを1年間くらう使ったこともあります。
当時は「これはすごい」と思いましたが、冷静に考えると、今の自分の使い方にはオーバースペックでした。結果的に、20ドルプランに落ち着いています。

この2つだけで、正直なところ、私の業務レベルでは十分すぎるほどです。
資料作成、文章チェック、企画の壁打ち、テンプレート生成、コンプライアンス確認まで、ほぼすべてをカバーしています。

それでも増え続ける生成AIたち

ところが最近、生成AIの世界はさらに騒がしくなっています。

たとえば、Xと連動してリアルタイム情報に強いGrok。
Facebook(正確にはMeta)が買収したManus。
そして、最近やたらと名前を聞くようになったGenspark。

「これは面白そうだな」と思うものが、次から次へと出てくる。
これ自体は健全な競争ですし、技術の進化としては歓迎すべきことです。

Gensparkについても、「ブラウザ型の生成AI」「情報収集と要約が強い」「音声入力の品質が高い」など、評判を聞けば聞くほど、試したくなります。

実際に触ってみると、「あ、これは確かに便利だな」と感じました。

実は以前はAnthropicのClaudeを試しに使っていたこともあります。当然ですが有償課金で使ってました。しかしながら、私の業務にはオーバースペックでした。日本語変換と日本語文章の綺麗さはピカイチらしいのですが。

AIエージェントという“戻れない仕組み”

生成AIの進化で、特に注目しているのがAIエージェント機能です。

これは何かというと、
・毎朝8時にニュースを集める
・それを要約する
・SNS投稿用の文章を複数作る
・画像も生成する
・Xに下書きとして保存する

こういった一連の作業を、人が介在せずに自動で回してくれる仕組みです。

ChatGPTでもGeminiでも、ある程度それっぽいことはすでにできます。
「毎朝8時に日本語ニュースを5件届けてください」と書くだけで、実行してくれます。

ここがポイントです。
一度これをやってしまうと、人はもう手作業に戻れません。

「また自分でやればいいじゃないですか」と言われることもありますが、
正直に言って、戻れないです。

楽を知ってしまった人間は、もう元の不便な世界には戻れません。

悪魔に魂を売ってしまったようです。

無料プランで起きた“とんでもない出来事”

ここで、今日の本題に近い話をします。

GensparkのAIエージェント機能を使ったアプリを試してみたときのことです。
仕組みとしては、よくできています。

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ところが、最後のアウトプットが出る直前で、
「クレジットを使い切りました」
と表示されました。

私はGensparkに課金していません。
無償プランで試していたからです。

つまり何が起きたかというと、
途中まで動かしたAIエージェントが、コスト切れで止まったということです。

これは仕事では致命的です。

生成AIは“ポイント制の労働者”である

生成AIは、見た目は魔法のようですが、裏側はとてもシビアです。

・処理をする
・文章を生成する
・情報を集める

そのたびに、トークンやクレジットといった「見えないお金」が消費されていきます。

無料プランは、このクレジットが驚くほど少ない
1回ちゃんと使っただけで、その日はもう使えない、ということも普通に起きます。

仕事で使うなら、
有償プランで、安定して使える状態を作らないと成立しない
というのが現実です。

「安すぎる」という最大の違和感

ここからが、私が「今の世の中は異常だ」と感じる理由です。

生成AIは、よくこんな言われ方をします。
「人ひとり分の仕事をしてくれる」
「一日分の作業を一瞬で終わらせる」

それなのに、月額20ドル、3,000円程度です。

冷静に考えてください。
これは安すぎます。

もし生成AIが、本当に人ひとり分の価値を持つなら、
月30万円でもおかしくありません。

今は3,000円。
将来30万円。
この差は100倍です。

依存が進んだあとに来る“値上げ”

今は、
・安い
・便利
・手放せない

この3点がそろっています。

だからこそ、
「値上げします」と言われたとき、私たちは拒否できません。

これは、これまでのITサービスでも何度も見てきたパターンです。
無料 → 格安 → 依存 → 値上げ。

人間は、便利さを知ったあとでは、
「じゃあ使わない」という選択がほぼできません。

それでも生成AIを使い続ける理由

では、生成AIを使うのをやめるべきなのでしょうか。
私は、そうは思っていません。

生成AIは、もはや単なるツールではなく、
社会インフラに近づきつつある存在です。

電気や水道と同じように、
「ある前提」で仕事や生活が設計されていく。

だからこそ重要なのは、
・依存している自覚を持つこと
・コスト構造を理解すること
・人間側のスキルとマインドを更新し続けること

この3つです。

まとめ:異常なのはAIではなく、私たちの向き合い方

今の生成AIは、
・性能が異常に高く
・価格が異常に安く
・人間が異常に依存しやすい

この三重構造になっています。

問題なのはAIそのものではありません。
私たち人間のマインドセット、マインドチェンジの遅れです。

DX推進とは、ツール導入の話ではなく、
人の思考と行動をどう変えるかの話です。

さいごに

生成AIは、これからも進化します。
AGI、ASIといった超知性の話も、もう絵空事ではありません。

そのとき、
「使わされる側」になるのか、
「使いこなす側」でいられるのか。

その分かれ目は、今の向き合い方にあります。

本日の内容が、あなた自身や、あなたの組織のDX推進において、
ほんの小さな「気づき」になれば幸いです。

「社員のDXマインドをどう高めるか?」、「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。
初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。
www.certpro.jp/dxconsulting/

次回の記事も、どうぞお楽しみに。


【重要なキーワード解説】

生成AI依存

生成AI依存とは、業務や意思決定の多くを生成AIに委ねた結果、「AIが止まると仕事が止まる」状態に陥ることを指します。近森満が指摘しているのは、便利さそのものではなく、戻れなくなる構造です。一度AIエージェントによる自動化を体験すると、人は手作業に戻れません。これは怠惰ではなく、人間の合理的な行動です。問題は、依存が進んだ先で価格改定や仕様変更が起きたとき、選択肢がなくなる点にあります。DX推進においては、AIを「使う前提」で設計しつつも、依存度を可視化し、代替手段や人の判断領域を意識的に残す設計が重要になります。

AIエージェント

AIエージェントとは、単に質問に答える生成AIではなく、目的を与えることで複数の作業を自律的に実行する仕組みです。ニュース収集、要約、SNS投稿文の作成、画像生成、下書き保存までを一気通貫で行うことで、人の作業時間を大幅に削減します。一方で、処理量が増える分、トークンやクレジット消費が激しくなり、無償プランでは途中停止するリスクが顕在化します。業務利用では「便利そうだから試す」ではなく、コスト構造を理解した上で設計・導入するDX視点が欠かせません。

DX推進におけるマインドチェンジ

DX推進はツール導入ではなく、人の思考様式を変える取り組みです。生成AIが安価に使える今、人は無意識のうちに「AI前提」で仕事を組み立て始めています。この状態を自覚しないまま進むと、価格改定やサービス終了時に大きな混乱を招きます。必要なのは、AIを否定することではなく、AIに依存している自分自身のマインドを点検し続ける姿勢です。マインドセット、マインドシフト、マインド・トランスフォーメーションは、これからのDX人材に必須のリテラシーになります。


【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)

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