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DX時代のIT資格はどう変わる?未来のスキル証明を解説【中編】

2025年11月26日
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【記事概要】

IT資格は本当に役立つのか──前編では資格の意義やスキル可視化の重要性を見てきました。中編ではさらに一歩進み、いま日本で広く受けられている代表的なIT資格、そしてサートプロが携わる資格の裏側に迫ります。ITパスポートや情報セキュリティマネジメント試験、G検定、生成AIパスポートといった時代を象徴する資格の動向を整理しながら、なぜこれらがDX時代に求められているのかを明らかにします。

また、2015年に立ち上がったIoT検定制度委員会における近森満の取り組み、IoT・AIブームとDXへの流れ、さらに近年急速に広がるマイクロクレデンシャルの考え方について詳しく紹介します。

中編では「資格の種類」「資格が社会でどのように使われるか」「企業変革に資格がどう貢献するか」を理解できる構造となっており、後編の“資格の未来像”につながる重要な橋渡しとなります。

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【著者情報】

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/

当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。D
X推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/

 

 

DX時代に求められるIT資格の “地図” を広げる

前編では、IT資格が「最低ラインを担保する安全装置」であり、スキル可視化のための重要な仕組みであることをお話しました。
では実際、今の世の中にはどんなIT資格があり、どれがDX推進に役立つのでしょうか。

DX・AI・IoT が社会基盤になっていく中、資格の種類は急速に増えています。
ITパスポートのように万人向けのものから、サイバーセキュリティ・AI・データ分析の専門資格まで、まさに“資格の地層”ができている状態です。

多くの読者が感じているのは、
「資格が増えすぎて、何を取ればいいか分からない」
という戸惑いでしょう。

そこで中編では、まず“代表的なIT資格の全体像”を整理し、後半でサートプロが関わる資格の裏側と狙いを紹介します。

 

 

ITパスポート:時代とともに進化する入口資格

まず、最も受験者数が多い ITパスポート試験 です。

毎年20万人以上が受験し、累計では数百万人規模に達する日本最大のIT資格です。企業から「入社までに合格しておくように」と言われる学生も増え、学校側も対策講座を用意するほどの定番になりました。

しかし、ここで重要なのは「なぜこれほど支持されるのか?」という点です。

かつて ITパスポートは「初級システムアドミニストレーター」でした。
これは情報システム部門向けの専門職寄りの資格でしたが、デジタル社会の広がりに合わせて“万人向けのデジタル基礎力を測る資格”へと進化しました。

つまり、
「ITの門前に立つ全員へ贈るパスポート」
という位置付けに変わったわけです。

DX推進の場では、営業、企画、人事、製造など、すべての職種がITを前提に動きます。そのため、社会的にも資格の存在意義が急拡大したのです。

 

事例:ITパスポート受験者の増加が示す“社会の変化”

企業の新人研修で「まずITパスポートを取ろう」が標準化してきました。
背景には次の3つの社会変化があります。

①デジタル前提の働き方への転換
コロナ禍でクラウド・ペーパーレス・キャッシュレスが一気に浸透。

②非IT職でもデジタル知識が必須に
営業がデータ分析を行い、バックオフィスがAIで業務効率化を図る時代。

③IT人材不足が深刻化し、企業が“最低ライン”を求め始めた
「知らないと危険」「知らないと仕事ができない社会」になった。

前編で触れた“資格は危険を避けるための安全装置”という視点が、ここでもまさに当てはまります。

 

 

DX社会で存在感を増す専門資格:セキュリティ・AI・生成AI

ITパスポートの上には、より専門性の高い資格が続きます。

● 情報セキュリティマネジメント試験

機密情報保護やリスク管理を担う“情報セキュリティの入口資格”です。
DX化が進むほどセキュリティ事故のリスクは高まり、企業は最低でもこのレベルを理解した人材を求めています。

 

● G検定(ディープラーニング協会)

AIブームの象徴。
AI技術の基礎から社会実装まで幅広く学べるため、エンジニアのみならず企画職・研究者・学生まで幅広い層が受験しています。

 

● 生成AIパスポート(民間資格)

ChatGPT をはじめとした生成AI利用の急速な広がりにより、
「生成AIを正しく扱える人材かどうか」を見える化する資格ニーズが急増しています。

生成AIは“誰でも使える”ように見えて、実は非常に危険な領域も含んでいます。

・著作権

・セキュリティ

・幻覚(ハルシネーション)

・不適切なプロンプト設計

こうしたリスクを理解した上で活用できるか否かは、DX推進における重要ポイントです。

 

 

IoT検定が誕生した背景:日本がDXへ向けて歩き始めた瞬間

ここからは、サートプロが深く関わる IoT検定 の誕生秘話へと進みます。

IoT検定が始まったのは2015年。
世界中で IoT が産業革命の中心テーマとなり、日本でも大きな注目を集めました。

当時、ITに “o” が加わりIoT、??? 何が変わるのか、多くの人が理解できていない状態でした。

・IoTとは何か?

・ITとどう違うのか?

・センサー技術と何が関係あるのか?

こうした疑問を抱える企業が全国に溢れていたのです。

IoT検定制度委員会が立ち上がったのは、
「IoT専門家の育成と可視化」
が急務だったためです。

IoTは“専門職の世界”だった

IoTは単なる技術の流行ではなく、センサー・通信・データ分析・AIなどが複合的に絡む高度領域です。

・工場にセンサーを取り付け状態監視を行う

・物流でトラッキングデータを収集する

・監視カメラが人物情報をAIで解析する

これらは全て IoT の応用ですが、一般利用者から見える世界ではありません。

つまり、
IoTは「作れる人が極端に少ない」専門領域だった
ということです。

だからこそ、資格制度として体系化し、人材を育成し、可視化する必要がありました。

 

 

IoT検定制度委員会の使命:人材の“居場所”を可視化する

IoT検定制度委員会での取り組みには、大きく2つの役割がありました。

① 人材のスキルを可視化する

「この人がどのレベルまでIoTを理解しているのか?」
を、企業・行政・市場が判断できるようにする。

 

② 全国に“どこに専門家がいるのか”を可視化する

これが実は非常に重要でした。

・北海道でIoTを導入したいが、どこに専門家がいるのか分からない

・九州でプロジェクトを進めたいが、信頼できる人材に出会えない

こうした状況を解決するため、IoT検定は「専門家の地図」を作る役割を担ったのです。

近森満が「可視化したかったのはスキルと存在の両方」と語るのはこのためです。

 

 

検定がコミュニティを生む:資格は“村社会”ではなく“協働社会”

資格制度が成功するかどうかは、実は コミュニティ形成 にかかっています。

IoT検定でも、立ち上げ後すぐに全国で勉強会や実証プロジェクトが生まれました。

・IoT活用を考える企業

・IoT製品を提供するメーカー

・行政・自治体

・教育機関

・技術者・研究者

多様な人たちが集まり、情報交換し、協力し、新しい価値が生まれたのです。

資格とは「知識の証明」だけでなく、
“人と人をつなぐ装置”
でもあります。

DX人材不足を解消するためには、まさにこのコミュニティ形成が欠かせません。

 

 

IoTからDXへ:日本が変わり始めた流れを資格が支えた

2015年のIoTブームの後、AIが急速に進化し、2020年にはDXという言葉が本格的に普及しました。

そしてコロナ禍。
紙文化の限界が露呈し、ペーパーレス・キャッシュレス・クラウド化が一気に加速しました。

このとき、「デジタルを前提にする企業体質」に変える必要性が一気に顕在化しました。

結果的にこれが DXに追い風を作りました。

そこでIoT検定制度委員会ではいち早くDX人材のスキルマップを策定しました。

+DX認定(プラスDX認定)は、
「企業が自己変革するための基礎理解を測る」
という新しい資格として誕生しました。

・デジタイゼーション(業務のデジタル化)

・デジタライゼーション(プロセス改善)

・デジタルトランスフォーメーション(企業変革)

これらを体系的に理解させるための“学びの導線”として多くの企業が導入しました。

未来の資格像:マイクロクレデンシャルとスキル提示の新時代

現在、資格の世界は大きな転換期を迎えています。

それが マイクロクレデンシャル です。

● 小さな単位で学ぶ

● 小さな単位で証明する

● 必要なスキルだけを迅速に獲得する

生成AIの登場により、「いま必要なスキル」がめまぐるしく変化します。
そのため、従来の“年単位の資格”だけでは追いつかなくなりました。

たとえば、

・生成AIの適切な使い方

・セキュリティ上の注意点

・プロンプトエンジニアリング

・AI倫理とハルシネーション理解

こうした“今日必要なスキル”を証明する手段が求められているのです。

 

サートプロが次に作る資格たち

IoT検定 → DX認定 と進化した流れの中で、現在サートプロは次の資格を立ち上げています。

・超知性ASI検定

・組込みC言語プログラミング検定

・サイバーセキュリティ検定

・セキュリティスキル診断

・各種マイクロラーニング型資格

これらはすべて、「DX・AI時代に必要なスキルを小さく、早く、確実に可視化する」ためのものです。

 

 

まとめ:社会の変化が資格を進化させ、資格が社会を変えていく

中編では、IT資格が“時代のニーズとともに進化してきた”ことを紹介しました。

・ITパスポートは万人向け資格へ進化

・セキュリティ・AI・生成AI資格が急増

・IoT検定は全国の技術者を可視化し、コミュニティを形成

・DX認定は企業変革を支援

・マイクロクレデンシャルがスキル証明の新時代を開く

資格は社会の変化に応じて形を変え続けています。
そして、その変化の裏には常に「人材育成」があります。

 

当社もチャレンジしています。

2026年は当社サートプロの設立20周年にあたります。社長として、この記念すべき年に記録や記憶に残るような取り組みをしたいと考え、ギネス世界記録に挑戦しております。皆様のご期待に添えるよう、尽力して参ります。

本日の内容が、あなたの組織でのDX推進やスキル体系の整備に役立つヒントとなれば幸いです。
AI・IoT・ロボティクス・サイバー領域が加速し、AGI・ASIが実用化される未来を見据えると、私たちは“学び続ける力”を証明する必要があります。

資格はそのための強力なツールです。

次回、後編では「資格の未来」「マイクロクレデンシャルの本格展開」「生成AI時代の新しいスキル証明のあり方」についてさらに深掘りします。
どうぞお楽しみに。

 

本記事が皆さまの気づきにつながれば幸いです。
IT・DX教育サービスについてお悩みがある方は、ぜひ初回無料のオンラインコンサルティングをご利用ください。
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生成AI導入を検討させている方は、こちらもご覧ください。
セキュリティから活用方法まで、サポートさせていただきます。
certpro-generationaiservice.sfsite.me/

 

【重要なキーワード解説】

● マイクロクレデンシャル(Micro-Credential)

マイクロクレデンシャルとは、従来の「大きな資格体系」と異なり、必要なスキルを小さな単位で学び、小さな単位で証明するための仕組みです。DX・生成AI時代では、技術変化が激しく、企業も個人も“今日必要なスキル”を素早く獲得することが求められています。例えば、生成AI活用、プロンプト設計、セキュリティリスク、データリテラシーなどは、従来の資格試験では対応しきれないスピードで変動します。そこで登場したのがマイクロクレデンシャルです。学習者は短期間で学び、すぐに現場で活用でき、企業は人材の「能力証明」を迅速に評価できます。特にDX推進企業にとって、マイクロクレデンシャルは“変化に強い組織”を作るための必須要素になりつつあります。

 

● IoT検定(Internet of Things Certification)

IoT検定とは、IoTを導入・活用するために必要な知識とスキルを体系的に証明する資格制度です。センサー技術、通信、データ分析、AI連携など複合領域を扱うIoTは、専門性が高く、理解している人材が極端に少ないのが特徴でした。IoT検定制度は、2015年の世界的IoTブームの中、日本における“人材のスキル可視化”を目的に立ち上げられたものです。特に重要なのは、「専門家のスキル」と「専門家がどこに存在しているか」の二つを可視化した点です。これにより企業・行政は、地域ごとのIoT人材の分布を把握でき、事業推進の基盤が整いました。DX時代においてもIoTは重要な基礎技術であり、IoT検定は人材育成と産業競争力向上に貢献しています。

 

● 生成AIパスポート

生成AIパスポートは、ChatGPT や各種LLMを安全に効果的に利用するための基礎知識を証明する資格です。生成AIは便利である一方、情報漏えい、著作権、倫理問題、ハルシネーションなど、多くのリスクが存在します。企業ではこれらのリスクを知らないまま利用されることが最大の脅威となるため、「正しく理解し、適切に扱える人材」を評価する必要があります。生成AIパスポートは、生成AIの基本構造、プロンプトの作り方、リスク管理などを体系化して学べるため、DX時代の“最低限必要なAIリテラシー”として注目されています。

 

 

【スキルチェックリスト】

今日からあなたも“DX時代の学び直し”をチェックしてみましょう!

□ DX推進に必要な資格を一つ調べた
□ 自社に必要なスキル体系を考えてみた
□ IoTとDXの関係性を理解した
□ マイクロクレデンシャルの利点を説明できる
□ 学びのロードマップを1つ作成した

 

 

【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)

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