
【記事概要】
生成AIとAIエージェントがもたらす「マーケティング革命」が今、急速に現実味を帯びてきています。特に注目すべきは、AI搭載ブラウザ「PerplexityのComet」によって、SNSへの自動投稿が誰でも簡単にできる時代が到来したことです。本記事では、近森満が実際にツールを操作しながら語る「自動発信の実演」をベースに、SNSマーケティングの未来像を描き出します。
従来のSNS運用における「手間」や「時間的拘束」といった課題を、AIエージェントがいかに効率化し、日々の情報発信を支援するのか。また、それが単なるツール利用に留まらず、「責任を持った発信者としての姿勢」をどう変えるのか。マーケティングとセールス、UX/UIの観点を交えながら、「自動投稿は本当にマーケティングなのか?」という問いにも迫ります。
さらに、Google GeminiやOpenAIのAgent機能、そしてmcp(マルチコンテキストプロトコル)など、最新のAIエージェント潮流にも触れ、ビジネスにおけるAI活用の実践的ヒントを提供します。AIとの共創により、誰もが“インフルエンサー的役割”を担える社会の幕開け──本記事は、その第一歩を後押しするコンテンツです。

【本文】
マーケティング革命:AIエージェントがSNS時代を変える──Perplexity×Cometで誰でも自動発信者になる未来
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
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SNS運用に革命が起きた
「SNSの自動投稿って、ただの機械作業じゃないの?」──そう思っていませんか?
確かに、かつてのSNS運用は、時間に追われる“手間”の象徴でした。特にマーケティングやセールス領域でSNSを活用しようとすると、投稿のタイミングや内容、媒体ごとの戦略まで、やるべきことは山積み。結果、「発信が続かない」「効果が見えにくい」といった悩みが常につきまとっていたのです。
そんな中、ついに登場したのがAIエージェント搭載のブラウザ「PerplexityのComet」。これが、私たちの日常業務、特にSNSマーケティングの在り方を根本から変えようとしているのです。
PerplexityとComet
まず、背景から少しお話ししましょう。
「マーケティング=SNS」ではありません。しかし、SNSは今や企業と顧客が接点を持つ重要なタッチポイント。Instagram、X(旧Twitter)、Facebook、LINEといった複数チャネルを駆使した“マルチポスト戦略”は、もはや定番です。
その運用で最も厄介だったのが、「毎回、人の手で投稿をする」という作業。
これを劇的に簡略化するのが、Perplexityが提供するCometというAI搭載ブラウザ。これを使えば、ニュースの収集からテキスト生成、Xへの投稿まで完全自動で完結するんです。
私は実際に使ってみました。具体的には──
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自身のXアカウントと連携
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「AIエージェントの最新ニュースを10個集めて、タイトル・概要・近森コメント・URL・ハッシュタグ付きで投稿して」と指示
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結果、自動的にXにシェア投稿が行われました
まさに“手を動かさないマーケティング”の誕生です。
セールス視点で見る「自動投稿」の威力
私はマーケティングのプロではなく、どちらかといえばセールス畑の人間です。だからこそ断言できます。
この仕組みは、セールスの現場で圧倒的な武器になります。
なぜなら、自動投稿によって以下のような“売れる仕掛け”を量産できるからです:
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タイミングを逃さない発信:
たとえば朝8時に投稿したいと思っても、人力だと忘れることもある。でもAIなら確実に時間通りに投稿。 -
鮮度の高いネタの発信:
Perplexityはインターネット上から今ホットな情報をピックアップしてくれる。 -
コメントまで自動生成:
しかも“近森らしい”コメントを入れてくれるよう指示すれば、テイストの統一感も保てる。 -
投稿確認のフローも自動化:
投稿完了後はURLで結果を確認できるから、品質担保もしやすい。
セールスにとって重要なのは、価値ある情報を、適切なタイミングで届けること。Cometを使えば、それが“寝ている間”に実現できるのです。
実践:cometブラウザーでX自動投稿
次の動画で6:28あたりから実演していますのでぜひ御覧ください。
自動化の落とし穴と責任
ただし、ここで重要な視点を一つ。
「自動で投稿できるからといって、責任を放棄してはいけない」ということです。
生成された投稿は、確かに便利です。けれども、「誰が選び、誰が決定し、誰が責任を取るのか」は常に問われるべきです。投稿ボタンを押したのがAIだとしても、発信の責任は人間、つまり私、近森が負うべきなのです。
これからのSNS運用においては、以下のような「責任設計」が不可欠になります。
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どこまでがAIの仕事で、どこからが人の判断なのか
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情報の正確性や倫理性のチェックは誰がするのか
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信頼のブランドをどう築くのか
自動投稿という新しい道具を手に入れた今こそ、「何を発信するか」以上に「なぜ発信するか」が問われるのです。
AIエージェント元年、始まる:時代の潮流
2025年は「AIエージェント元年」とも呼べる年に、本当になるかもしれません。
Perplexityだけでなく、以下のような主要プレイヤーたちも続々とエージェント機能をリリースしています:
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OpenAI:GPTs & Agents
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Google Gemini:Opalというエージェント機能
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Anthropic Claude:MCP(マルチコンテキストプロトコル)対応
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N8NやDify:ノーコード連携で業務自動化
いずれも「情報収集→分析→意思決定→発信」までをAIが担い、人間は“決めること”と“責任を取ること”に専念できる未来を想定しています。
その中でもCometの面白い点は、インターフェースがChromeそっくりで使いやすく、拡張機能もそのまま使えること。つまり、既存のブラウザ体験をそのままAI対応に移行できるのです。

参考:PerplexityのCometが無料化、AIブラウザ競争の波紋
AI搭載ブラウザ「Comet」(提供:Perplexity)は、2025年7月まで月額200ドルのMaxプラン限定で提供されていましたが、このたび 完全無料化 が発表されました。 
Cometは、標準の検索エンジンにPerplexity AIを採用し、ページ要約やユーザー向けニュース配信、価格比較、旅行プラン調整、資産管理など多様なタスク支援機能を備えています。これらの機能は「Comet Assistant」と呼ばれるAIエンジンによって実現されています。 
無料化によってユーザー数拡大を狙う一方、さらにプレミアム機能を提供する「Comet Plus」も導入されました。こちらは信頼性の高い出版社・ジャーナリストの記事へのアクセスを提供する月額サービスで、Maxプラン加入者には追加費用なしで利用できるようになっています。 
この動きは、Chromeをはじめとする既存ブラウザ市場への挑戦と、AI対応ブラウザの主導権争いの始まりを示すものと見られています。GoogleはChromeへのGemini統合を進め、OperaやThe Browser Companyなども相次いでAIブラウザを発表しており、競争は本格化してきています。 
UX/UIから考えるエージェントの実力
エージェントの実力は「見た目」では判断できません。大事なのは、
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どう動くか
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どう繋がるか
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どんなタスクを肩代わりしてくれるか
そしてその上に、UI/UXの設計思想──つまり「誰がどう使うのか」という“利用者視点の設計”があるのです。
AIツールの多くは、技術的には優れていても、現場で使いこなせないものが多い。その点、Cometは一般ユーザーに向けて“マーケティングオートメーション”を可能にした最初のブラウザかもしれません。
マーケティングの定義が変わる
さて、ここで原点に戻りましょう。
SNS自動投稿はマーケティングか?
答えは、「Yesでもあり、Noでもある」です。
マーケティングとは「価値を創造し、届け、育てること」。
単に投稿するだけでは、その一部に過ぎません。大切なのは、その発信が「誰かの意思決定を支援しているか?」ということです。
AIの力を借りて“発信力”を得た今、私たちはただのコンテンツ配信者ではなく、「意思決定を導くナビゲーター」としての役割を担うべき時代に入っているのです。
自動投稿から始まる「責任ある情報発信者」への進化
ここまで読んでくださったあなたには、きっと気づきがあるはずです。
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SNSマーケティングは、もはや「作業」ではなく「戦略」。
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自動投稿は、やらされ仕事を減らし、「創造」に時間を使うための仕組み。
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そして何より、発信は「社会との接点」であり、責任を伴う営み。
AIエージェントと共に進化する時代。私たちは情報発信者から社会的信頼を持つ“知的インフラ”の一部へと進化しなければなりません。
まとめ:AIと共に、私たちはどう変わるのか
AIエージェントによって、誰もが“発信者”になれる時代がやってきました。
ただし、それは「発信の責任」から逃れられることを意味しません。むしろ、選び、決め、届ける力が今まで以上に問われてくるのです。
だからこそ今、技術に任せる部分と、自分が責任を持つ部分を見極めるリテラシー=“超知性リテラシー”が求められています。
人とAIの協働が当たり前になる未来。あなたは、どんな「役割」を果たしますか?
さいごに
本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。
10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。
ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。
「社員のDXマインドをどう高めるか?」、「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。
初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。
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次回の記事も、どうぞお楽しみに!
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キーワードの解説
AIエージェント
AIエージェントとは、人間の指示を受けて情報収集・分析・実行までを自律的に行う人工知能の一種です。近年では、チャット形式の対話だけでなく、SNS投稿やファイル操作、業務代行まで可能な「行動型AI」として進化中。従来のAIと異なり、あらかじめ決められたタスクだけでなく、文脈に応じて臨機応変に対応できるのが特長です。
マーケティングオートメーション(Marketing Automation)
見込み客の発掘、育成、購買促進といったマーケティング活動をツールやシステムによって自動化する手法のこと。AIと連携することで、ユーザーの行動データや嗜好に応じたパーソナライズド施策の実行も可能になり、属人化しやすいSNS運用を標準化・高速化する手段としても注目されています。
超知性リテラシー(Superintelligence Literacy)
AGI(汎用人工知能)やASI(超知能)時代に対応するための、AIと共存・協働するための新しい教養のこと。情報の取捨選択、AIとの協働設計、責任の所在の明確化などが中核的な要素であり、単なるITスキルではなく、AIと人間が共に意思決定する社会で求められる倫理・論理・感情の統合的判断力が問われます。
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)
