
【記事概要】
これからの時代、大人は何を学び、何をやめるべきなのか。
今回の記事は、「大人のリスキリング勉強会」シリーズ最終回として、これから何を学び、何をやめるべきかをテーマに、近森満自身の経験と思考を軸に整理した内容です。学び直しやリスキリングという言葉が氾濫する中で、「全部やる」のではなく、「選ぶこと」「やめること」を同時に決める重要性を強く訴えています。
記事では、ピーター・ドラッカーの「選択と集中」やエッセンシャル思考を引き合いに出しながら、人生も学びも時間は有限であるという現実を直視する必要性を提示しています。リスキリングとは単なるスキルの追加ではなく、これまでの人生や習慣を手放してでも新しい挑戦を選び取る行為である、という近森満ならではの定義が語られています。
また、自身のライフワークである「教育・資格・スキルの可視化」、長年続けてきたギターという趣味、そして家族という三つの軸を例に、人生で大切にし続けたいものを明確にするプロセスを具体的に紹介しています。加えて、若い頃の飲み会中心の生活をやめ、ライフスタイルを大きく変えた実体験を通して、「やめる勇気」がもたらす集中力と成果についても触れています。
後半では、生成AI時代における学び直しの考え方として、「強み」「興味」「社会のニーズ」が重なる領域こそが最適なリスキリングであると示しています。そして、仲間・ツール・習慣という三要素を整えることで学びを習慣化する重要性を説き、最終的にはチェックリストによって次の一歩を可視化し、自分自身で選択することを読者に促す構成となっています。

【本文】
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/
これから何を学び、何をやめるのか
今回で「大人のリスキリング勉強会」は一区切りにしようと思います。
夏頃から続けてきて、前身の「大人の勉強会」も含めると、気づけば30回近く話してきました。どこかで一度、全部まとめてノートにしておきたいなとも思っています。
最終回のテーマは、とてもシンプルです。
これから大人は、何を学び、何をやめるべきなのか。
ビジネスの世界では昔から「選択と集中」という言葉がありますよね。ピーター・ドラッカーが語った、限られたリソースを最も効果の出るところに集中させるという考え方です。これは企業経営だけの話ではなく、人生そのものにも当てはまる話だと思っています。
選択と集中は人生にも当てはまる
私自身の話で言えば、サートプロは教育サービスをやっている会社です。その中でもIT、デジタル人材育成という領域に集中しています。
さらに細かく言えば、かつてはITエンジニア向けの資格・認定が中心でしたが、今はユーザー企業、これまでデジタルにあまり触れてこなかった人たちにも対象を広げています。
これは「なんでもやる」ではなく、一番成果を出しやすいところはどこかを考え続けた結果です。
人生も同じで、時間も体力も無限ではありません。だからこそ、どこにエネルギーを使うのかを選ばなければいけない。
エッセンシャル思考という生き方
ここで大事になるのが、エッセンシャル思考です。
グレッグ・マキューンが提唱している考え方で、「本当に重要なことを見極め、不要なことを捨てる生き方」。
学び直し、リスキリングというと、「何を学ぶか」に意識が向きがちですが、実は同時に何をやめるかを決めることが本質です。
私の考えるリスキリングは、単なるスキルアップではありません。
場合によっては、これまでの人生の延長線を一度手放してでも、新しい挑戦を選ぶこと。かなり覚悟のいる行為です。
学びは無限、人生は有限
学びそのものは無限にあります。
一方で、人生の時間はどう考えても有限です。
50代、60代になってから、語学を学びたい、楽器を始めたい、キャンプをしたい、そんな声もよく聞きます。それ自体はとても素敵なことです。ただ、その前に一度立ち止まって、「自分はこれから何を大切にしたいのか」を考える必要があると思うんです。
全部やろうとすると、結局どれも中途半端になります。
だから私は、人生の中で大切にしたいものを数個に絞るのもアリだと思っています。
私が一生続けたい三つのこと
私の場合、大きく三つあります。
1)教育と資格、スキルの可視化。
自分が何者なのかを証明する仕組みを作ること。これは完全にライフワークです。資格ビジネス、検定制度、教育支援。インターネット社会、生成AI時代だからこそ、ますます重要になっていると感じています。
2)ギター
10代の頃から触っていて、いまだに飽きません。若い頃とは楽しみ方も変わりましたが、音楽そのものが好きなんですよね。
3)家族
仕事や趣味と同じくらい、人生の軸として大切にしたい存在です。
この三つは、これからも学び続け、向き合い続けたい要素です。
やめる勇気が人生を変える
では、何をやめるのか。
これが一番難しい。
私自身、若い頃(20台のころ)は仕事が終われば飲みに行く生活でした。営業だったこともあり、接待や付き合いも多かった。正直、それが仕事の一部だと思っていました。
でも結婚と出産をきっかけに、夜の飲み会をほとんどやめました。お酒も飲まなくなりました。
その代わり、昼の時間を大事にするようになった。ランチミーティング(パワーランチと言うそうです)や、短時間で集中した打ち合わせ。結果的に、仕事の生産性はむしろ上がったと思っています。
何かを手に入れるには、何かを手放す必要がある。
これはきれいごとではなく、現実です。
生成AI時代の学び直し
今は生成AIの時代です。
業務や作業はAIに任せられる部分がどんどん増えています。だからこそ、自分の生活習慣や仕事のやり方を棚卸ししないといけない。
強みは何か。
興味はどこにあるのか。
社会から求められていることは何か。
この三つが重なるところが、リスキリングの最適解です。
学びを習慣化する三つの要素
学びを続けるには環境が重要です。
-
仲間
-
ツール
-
習慣
この三つを整えること。
私の場合、eラーニングと外部の委員会活動、業界団体への参加が学びの場になっています。一人で悶々と考えていても答えは出ません。外に出て、違う視点に触れることが大事です。
チェックリストで次の一歩を可視化する
最後にお伝えしたいのは、全部やらなくていいということ。
学び直しは選ぶこと。やめることを決めることで、集中できる環境が生まれます。
誰かに言われたからやめるのではありません。
自分で考え、自分で選ぶ。
そのためのチェックリストを、これから用意します。
ぜひ、自分自身の人生の棚卸しに使ってください。
【添付】これからの学び直し方向性を決めるワークシート
1️⃣ 学ぶこと(強み・興味・ニーズから選ぶ)
□自分の強みをさらに伸ばす学び
□昔から興味があったけど手をつけていない分野
□社会や職場で今後求められるスキル(DX/AI/データなど)
□日常や生活に役立つ知識(お金・健康・ITリテラシー)
□人との関係を豊かにする学び(心理学・コミュニケーション)
2️⃣ やめること(時間を奪う習慣や不要な学び)
□目的が曖昧な資格取得のための勉強
□ 惰性で続けている情報収集(SNS・ニュースチェック過多)
□本業や生活を圧迫する副業・勉強
□「やらなきゃいけない」と思い込んでいるけど成果につながらない学習
□ 人と比べるためだけのスキル習得
3️⃣ 習慣化の工夫
□毎日5分でも続けられる小さな行動を決める
□学んだことを日記・SNS・仲間との共有でアウトプットする
□月1回は棚卸しして「やめること」を見直す
□学び仲間をつくってモチベーションを維持する
□成果を小さくても“見える化”する(グラフ・記録アプリ)
「学ぶこと」と「やめること」を両方書き出すと、自分の時間とエネルギーの配分がクリアになり、学び直しの方向性が自然と見えてきます。
まとめ:学び続けるために、やめることを決める
学びは人生を豊かにします。
しかし、学び過ぎは人生を苦しくもします。
選択と集中。
エッセンシャル思考。
そして、自分なりのリスキリング。
これからの超知性AI時代、AGIやASIが当たり前になる未来に向けて、自分自身をアップデートし続ける。そのためにも、何を学び、何をやめるのかを、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
さいごに
本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかな気づきや次の一歩のヒントになれば幸いです。
「社員のDXマインドをどう高めるか?」
「実践的なITスキル教育が進まない」
そんなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングで、必ずお役に立ちます。
www.certpro.jp/dxconsulting/
次回の記事も、どうぞお楽しみに。
キーワードの解説
DX推進
DX推進とは、単なるIT導入や業務効率化ではなく、デジタル技術を活用して企業や組織の在り方そのものを変革していく取り組みを指します。システム刷新やツール導入が目的化してしまうと失敗しやすく、本質は「人・組織・文化」の変化にあります。近森満が強調しているのは、DX推進は技術論ではなく意思決定と行動の連続であり、その中心にいるのはデジタル人材だけでなく、現場で働くすべての大人であるという点です。だからこそDX推進には、スキルセットの見直しと同時にマインドセットの転換が不可欠となります。
リスキリング
リスキリングとは、新しいスキルを学び直すことと一般的には説明されますが、近森満の文脈では「これまでの延長線を一度捨ててでも、新しい挑戦を選ぶ覚悟」を含む概念です。単なる学習や資格取得ではなく、人生やキャリアの方向性を再定義する行為そのものを指します。強み・興味・社会のニーズが重なる領域を見極め、不要な習慣や優先度の低い学びをやめる決断まで含めて初めて、本当の意味でのリスキリングが成立します。
生成AI
生成AIとは、文章・画像・音声・コードなどを自動生成できるAI技術の総称です。業務効率を飛躍的に高める一方で、人の役割や働き方を大きく変えつつあります。生成AI時代において重要なのは、AIに仕事を奪われるかどうかではなく、AIを前提に自分の仕事や生活習慣を再設計できるかどうかです。近森満は、生成AIをきっかけに「何をAIに任せ、何を人が担うのか」を考えることが、マインド・トランスフォーメーションの第一歩だと語っています。
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)
