【記事概要】
生成AIとASI（超知性）の時代に突入した今、私たちはこれまでのように「職種」や「肩書き」で自分のキャリアを語るのではなく、「役割」と「スキル」、そして「価値提供」を中心に自分の未来を再定義すべきです。本エピソードでは、キャリアデザインの新しい捉え方として「スキル資産論」や「プロティアンキャリア」の考え方を紹介し、変化の激しい時代においてどのようにアップデートし続ければよいのか、近森満の視点で深掘りしていきます。生成AIの進化により、従来の業務や職種が再構成される中で、人間固有の「創造力」「対人力」「問題解決力」をどう資産として蓄積していくか。また、リスキリング（学び直し）が単なるスキルアップではなく「退路を断つ」ような人生設計の一部であるという強いメッセージも発信しています。役割ベースで自分を捉え、スキルを武器にして未来に挑む人にとっての「新しいキャリア戦略」のヒントとなる内容です。
【本文】
AI時代のキャリアデザイン：職種ではなく「役割・スキル・価値」で未来を描く
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
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キャリアの捉え方が変わる
皆さんは「キャリアデザイン」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか？
おそらく「転職」「昇進」「専門職へのスキルアップ」など、会社や職種に紐づくイメージが強いのではないでしょうか。
しかし、生成AIが台頭し、変化のスピードが日々加速する今、キャリアの描き方は根本から問い直す必要があります。
私たちは「役職」や「肩書き」ではなく、「果たすべき役割」や「社会に提供できる価値」でキャリアを再構築する時代に生きているのです。
この文脈において注目すべき概念が「プロティアンキャリア」。これは「柔軟かつ自己主導的にキャリアを形成する」という理論です。つまり「会社の階段を上る」から「自らキャリアをデザインする」への大転換が起きているのです。
スキルは“資産”
私がここで皆さんに気づいてもらいたいのは「スキル資産論」です。
これは、自分が持っているスキルや経験を“資産”と捉え、それをどう使ってどんな価値を社会や組織に提供できるか？という視点です。
たとえば、エンジニアという「職種」はAIによって代替される可能性があります。ですが、「課題を発見し、技術で解決する」という“役割”は簡単に奪えません。
つまり「スキルセットを肩書きでなく役割ベースで定義しなおす」ことが、これからのキャリア持続性を担保する鍵になるのです。
事例: 近森満自身のキャリア変遷から
私自身、元々は電子機器の製造現場にいました。技術者？としてのキャリアをスタートし、その後、教育支援・人材育成事業に転身。現在はサートプロを経営しています。
この変遷の中で、私の“職種”は大きく変わりましたが、“役割”は一貫しています。それは「技術と教育で人を支援すること」。この軸があったからこそ、AI時代の今も社会に価値提供ができていると自負しています。
なぜ「職種名」で考えると危ないのか
生成人工知能の進化によって、「仕事の中身」が根本的に変わり始めています。
たとえば、従来“専門職”とされていた「翻訳」「文章作成」「分析」などの作業は、AIが秒でこなせるようになっています。
つまり、肩書きや職種名がそのまま自分の価値を保証してくれる時代ではなくなったのです。
このような状況下でキャリアを肩書きベースで設計すると、変化に取り残される危険があります。
むしろ、「今どんな役割を果たしているか？」と「今後、どんなスキルを資産として磨くべきか？」にフォーカスすることが重要です。
AI時代の価値は「創造性」と「行動」にある
「AIに代替されにくいスキルとは何か？」という問いに対する一つの答えが、「創造性」や「対人力」「問題解決力」です。
ただし、ここでいう「創造性」とは、単なる“ひらめき”ではありません。
「頭の中の曖昧な想像を、試行錯誤しながら具体的な形に落とし込んでいく力」です。
行動し、試し、改善しながら、他者に価値として提供できる形にする。
この「知行合一（ちこうごういつ）」の考え方が、まさにAI時代における人間の真価です。
事例: ゲーム開発に見る創造と行動の融合
「ゲームを作りたい」と思っていても、アイディアのまま止まっている人は多い。
一方で、未完成でも自分の手で形にしてリリースしてみた人は、それだけで「想像を創造した人」です。
AIはこの“モヤモヤからカタチへ”のプロセスを、まだ代替できません。
スキルの可視化と棚卸しはセットで考える
資格や試験はあくまで“手段”であり、スキルを可視化するツールの一つです。
大切なのは、「自分が何をできるのか」「どんな経験を持っているか」を自分の言葉で語れるようにしておくこと。
そのためには、定期的な「スキルの棚卸し」と「証明手段の獲得」が必要です。
履歴書や職務経歴書に書く内容を、日々アップデートしておく。これがスキル資産を武器として使うための基盤になります。
「どこで部長だった」「何年勤めた」ではなく、「どんな成果を出し、どう影響を与えたか」を言える人がこれから評価されるのです。
リスキリングは“キャリアの保険”ではない
日本では珍しく、国が「リスキリングのために補助金を出す」時代になっています。
これほどチャンスな状況は、世界的にも稀です。
しかし、ここで重要なのは「リスキリング＝キャリアアップのためのスキル強化」ではなく、
**「退路を断ってでも次の役割を手に入れるための挑戦」**だという認識です。
キャリアの変革とは、「今いる場所がなくなったとき、何を武器に生きていくか」を考えることです。
そのために必要なスキルを今のうちに磨いておく。これが本質的なリスキリングです。
ネットワークと他者との交わりが未来を拓く
未来に強いキャリアを持つには、「孤立」ではなく「共創」の力が不可欠です。
自分よりもスキルが高い人、異なる価値観を持つ人、違う業界で活躍している人と出会うことで、自分の盲点に気づけます。
異業種交流会を「無駄」と切り捨てていませんか？
むしろ“無駄”と思える体験こそが、あなたのキャリアを再構築するヒントになるのです。
まとめ：スキルは未来に持ち運べる資産
キャリアを「職種」や「肩書き」で語る時代は、終焉を迎えつつあります。
これからは「自分がどんな役割を担うのか」「どんなスキルを持ち、どんな価値を生み出すのか」が、最重要です。
スキルは“未来に持ち運べる資産”であり、自分らしいキャリアを支える基盤です。
ぜひ、今からでも遅くないので「役割とスキルと価値」でキャリアを描き直す視点を持ってください。
さいごに
本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。
10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。
ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。
「社員のDXマインドをどう高めるか？」「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。
初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。
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次回の記事も、どうぞお楽しみに！
キーワードの解説
プロティアンキャリア
プロティアンキャリアとは、キャリア形成を企業や組織に依存するのではなく、個人が自らの価値観や人生の目標に基づいて柔軟に形成していく考え方です。変化の激しい現代では、職種や役職にしがみつくのではなく、環境の変化に応じてスキルや役割を再定義していくことが求められています。AIやDXが進展する時代、自己主導的なキャリア構築はますます重要となります。
スキル資産
スキル資産とは、単なる「スキルの有無」ではなく、「そのスキルが将来的にどれだけ価値を生み出すか」という観点から捉えた考え方です。企業に所属して得た経験や技術だけでなく、個人が持続的に価値を提供できる力として、再現性や応用可能性のあるスキルを「資産」として蓄積していく意識が必要です。リスキリングとの相性も良く、キャリア設計に不可欠な要素です。
リスキリング
リスキリングとは、既存のスキルをアップデートするのではなく、新たな職務や役割に対応するために「根本的に学び直す」ことを指します。DXや生成AIの進展によって業務内容が激変する現代においては、単なる業務改善では不十分で、まったく別のスキルセットを獲得することが求められています。自己変革の手段としてのリスキリングは、未来のキャリア戦略の中心的存在です。
【著者紹介】
近森 満（ちかもりみつる）
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、＋DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長（IoT検定、＋DX認定、超知性ASI検定）
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長（Android資格）
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長（E検定）
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー（組込み）
・ET教育フォーラム合同会社 代表（コンテンツ制作）
・経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター（IoT支援）
・経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター（DX支援）
・デジタル庁デジタル推進委員（デジタル化支援）
・DX事業共同組合 設立理事（DX推進）
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事（SDGs認証）
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事（DEI支援）
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長（Agile検定）
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長（IACS認定）