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音楽生成AIは創造性を奪う?DX時代のクリエイティブ論

2025年9月28日
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【記事概要】

音楽や映像がAIによってリアルタイムに生成される時代が、本格的に幕を開けようとしています。かつてバンド少年だった私は、自分でギターを弾き、コードを覚え、仲間と音を重ねながら「作品を生み出すとは何か」を体感してきました。

しかし今では、Sunoに代表される音楽生成AIが、わずか数十秒でメロディも伴奏もミックスも仕上げてしまいます。AIがクリエイションを肩代わりする未来は、便利さと同時に「オリジナリティとは何か」という問いを突きつけてきます。

本記事では、生成AI時代における音楽表現の変容と、私たちが大切にすべきマインド・トランスフォーメーションについて丁寧に解説していきます。DX推進、人材育成、創造性、そして技術との共創時代における“自分らしいアウトプット”のあり方を、一つのストーリーとしてお届けします。

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【著者情報】

こんにちは、IT・DX教育サービスを提供する株式会社サートプロの近森満です。

www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/

当社では、DX推進人材教育プログラムとして初回無料のオンラインコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。

www.certpro.jp/dxconsulting/

 

 

1)AIが拓く“音楽生成の現在地”

音楽も映像も、もはや「作品を受け取る時代」から「作品が自分に合わせて生成される時代」に移りつつあります。私が十代の頃、曲を一本仕上げるには、楽器を練習し、録音機材を揃え、仲間とスタジオに入り、汗だくで音を重ねる必要がありました。しかし今では、AIに数行のプロンプトを入力するだけで、数十秒後には自分の“頭の中のイメージ”がそのまま曲の形になって返ってきます。

生成AI「Suno」を初めて触ったとき、私は正直驚きました。「やりたい音楽の方向性」「歌詞のイメージ」「アーティスト像」を数行書くだけで、私が長年バンドで試行錯誤してきた工程を AI が一気に再現してしまったのです。

※あれ?あのアーティストに似ているかな?というのは御愛嬌

 

 

これは脅威でしょうか? それとも可能性でしょうか?

私は“後者”だと考えています。
なぜなら、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の本質は、単なる効率化ではなく 「人がより創造的な領域にシフトできること」 だからです。音楽も例外ではありません。

 

 

Sunoってなに?

Suno(スノ、スノー)とは、テキスト(文章)を入力するだけで、歌詞、メロディー、歌声(ボーカル)、伴奏を含む高品質な楽曲を自動生成できるAIサービスのことです。正式名称は「Suno AI」と呼ばれることもあります。

「音楽の知識が全くなくても、誰でもプロ並みの曲が作れる」として、現在世界中で非常に注目されています。

主な特徴は以下の通りです。

1. 何ができるのか?

・テキストから作曲:
「雨の日の切ないバラード」や「疾走感のあるアニメのオープニング曲」といった指示(プロンプト)を入力するだけで、AIが曲を作ってくれます。

・歌声の生成
インストゥルメンタル(楽器のみ)だけでなく、人間のようにリアルな歌声が入った曲を作れます。

・作詞機能
歌詞を自分で入力することもできますし、テーマだけ伝えてAIに歌詞を書いてもらうことも可能です。

 

2. Sunoのすごいところ

・日本語に対応:
日本語の歌詞を入力すれば、自然な日本語の発音で歌ってくれます。

・クオリティの高さ
以前のAI音楽生成ツールとは一線を画し、ラジオで流れていても違和感がないレベルの楽曲が生成されます(特に最新バージョンのv3.5など)。

・ジャンルの幅広さ
J-POP、ロック、ジャズ、ヒップホップ、クラシック、演歌など、あらゆるジャンルに対応しています。

 

3. 使い方と料金プラン

Webブラウザやスマートフォンアプリ(iOS/Android)から利用できます。

・無料プラン:
毎日一定数の曲を無料で生成できますが、商用利用はできません(YouTubeでの収益化などは不可)。

・有料プラン(Pro / Premier):
生成できる曲数が増え、商用利用が可能になります。また、生成スピードが速くなるなどの特典があります。
※私はクーポンでお得に年間Proプランに入りました。コードは以下のものをご利用ください。

 

まとめ

Sunoは、「言葉を音楽に変換する魔法のようなツール」と言えます。作曲家でなくても、自分のイメージした曲を数分で形にできるため、クリエイターだけでなく一般のユーザーにも広く使われています。

 

 

 

2)AI生成物とオリジナリティの関係

AIが生成したメロディを聴くと、
「自分で作っていないのに作品と言えるのか?」という問いが浮かびます。バンドの世界では、曲はメンバーの血と汗と時間で作り上げてきたもの。そこに価値があると信じていました。

しかし冷静に考えると、これまでの音楽も“共同創作”でした。
作曲者、演奏者、エンジニア、リスナー…
数え切れない人たちが関わり、音楽が形になってきたのです。

ならば、AIもその“共同創作者の一人”と捉えても良いのではないでしょうか。

 

事例: エ◯ザイル風ソングをAIで制作したとき

以前、DX推進のセミナーで紹介するために「エ◯ザイル風の楽曲をAIで作る」というデモを行いました。歌詞をAIに投げ、曲調の指定をして出力された楽曲は、想像以上にクオリティが高く、参加者から「本当にAIが作ったんですか?」と驚かれました。
このときの私の感想は、まだSunoが出始めたころで今のように長尺でもなく音質もよくありませんでしたが衝撃的でした。

重要なのは、「AIが作った=自分の作品ではない」ではなく、
自分がプロデューサーとして作品を生み出した
という認識に切り替えることです。

これはまさに マインドチェンジ、マインド・トランスフォーメーション(MX) に他なりません。

 

 

 

3)リアルタイム生成社会の到来と“デジタル3兄弟”の融合

AI(人工知能)、IoT、データ活用、デジタルを前提としたデジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタル・トランスフォーメーション、これらは DX時代の「デジタル3兄弟」です。
そして、私が提唱している「マインド3姉妹」(マインドシフト、マインドチェンジ、マインド・トランスフォーメーション)と掛け合わせることで、個人も企業も劇的に進化していきます。

例えば、
Spotify が将来的に
「気分」「天気」「今の自分の課題感」
に応じてリアルタイムで曲を生成する。

これは現実味を帯びています。
近い将来、映画もドラマも自分専用にリアルタイム生成され、視聴者の感情変化に合わせて最適化されるでしょう。

こうした時代に求められるのは、
技術を理解し、自分の感性と掛け合わせて活用できる人材=デジタル人材
です。

 

 

4)AI生成の限界と“人間のクリエイティビティ”が残る領域

音楽生成AIは飛躍的に進化していますが、まだ完全ではありません。特に「歌」に関しては、発音やブレス、歌手特有の“情感”が均質化されやすく、どうしても人間のシンガーの味わいには及びません。

ではこの“差”こそ、今後の人間の価値になるのではないでしょうか。

AIは模倣の天才です。
しかし 人間は“経験から意味を生む力”を持っています。

企業のDXでも同じことが言えます。
ツールは進化しますが、使いこなすのは結局「人の感性と判断」です。

 

事例: 動画生成との組み合わせ

画像生成AI、動画生成AIが音楽とリアルタイムに同期すれば、誰でもプロ並みのミュージックビデオを作れます。しかしテーマ設定、ストーリー、世界観は、依然として人間が握る“クリエイティブの核”です。

AIは道具であり、パートナーであり、
あなたの創造性を拡張する存在 として活かすことが重要です。

 

 

 

5)生成AI時代のキャリアと人材育成

DX・GAI・AGI・ASI──
テクノロジーの進化は、働き方・キャリアパスそのものを揺さぶり始めています。

私はこれまで多くの企業・自治体でDX推進を支援してきましたが、最も重要なのは
技術よりも“人のマインドセット”
だと確信しています。

AIはあなたの仕事を奪うのではありません。
あなたが より人間的な価値を発揮するための舞台 を広げてくれるのです。

DX人材、デジタル人材の育成においても
「まず使ってみる」「まず作ってみる」
という姿勢が圧倒的に重要です。

 

 

まとめ:生成AI時代に求められる“あなた自身の物語”

音楽生成AIは、単に楽曲をつくるツールではありません。
自分の内側にあるストーリーを表現するための拡張装置 です。

DXもまったく同じです。

企業も個人も、これからは「自分は何を実現したいのか?」という物語を持つことが求められます。AIはその物語を形にするパートナーです。

そして、その第一歩は
マインドセットと小さな行動変容(MX)
から始まります。

 

本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。
10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。
ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。

「社員のDXマインドをどう高めるか?」「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。
初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。www.certpro.jp/dxconsulting/

 

生成AI導入を検討させている方は、こちらもご覧ください。
セキュリティから活用方法まで、サポートさせていただきます。
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 【キーワードの解説】

●生成AI

生成AIとは、テキスト・画像・音楽・映像などを自動生成する人工知能技術の総称です。機械学習モデルが膨大なデータを学習し、ユーザーの指示(プロンプト)に応じて新しいコンテンツを作り出します。生成AIの特徴は、非専門家でも高度なクリエイティブ制作が行える点にあり、音楽制作、動画編集、文章作成、デザイン業務など幅広い領域に利用が広がっています。一方で、著作権やオリジナリティの価値、倫理的課題も議論されています。DX時代において生成AIは、人間の創造性を補完し、業務効率化から新しい表現の創出まで、多様な変革を推し進める重要な技術です。

 

●DX(デジタル・トランスフォーメーション)

DXとは、デジタル技術を活用してビジネスモデル、組織文化、業務プロセスを変革し、新しい価値を創出する取り組みです。単なるシステム導入とは異なり、企業や社会の構造そのものを変える視点が求められます。重要なのは「目的」であり、技術は手段です。マインドセットの転換、データ活用、人材育成が成否を左右します。AI、IoT、クラウドなどのデジタル技術が高度化する中、DXは競争力強化に不可欠な取り組みといえます。

 

【スキルチェックリスト】

今日からあなたもDX推進に向け行動をチェックしてみましょう!
□ 生成AIを一度触って自分の作品を作ってみた
□ DXにおける「目的」と「手段」を整理した
□ マインドセットを更新する小さな行動を取った
□ AIと人の役割分担について言語化した
□ 自分の“物語”として発信するテーマを決めた

 

 

【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)

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