
【記事概要】
今回の文字起こしは「リスキリングは“記憶より行動”で加速する」という、大人の学びをテーマにした内容です。人は忘却曲線のとおり覚えたことをすぐ忘れるが、日々の小さなアウトプットこそが学びを定着させ、スキルを資産へ変えていく——という核心が語られています。
近森満自身が5年間続けている音声配信の習慣、学生時代に夢中で続けたギターの話、DX・リスキリングの本質、そして“知行合一”の考え方まで、日常とビジネスを横断して展開するスピード感あるトークが特徴です。
さらに、生成AIやDXの潮流、日々の行動が未来のキャリアを形づくるという視点も随所に登場し、「行動習慣がこれからの大人の武器だ」と強く背中を押してくれます。

【本文】
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。
DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/
学びの本質は記憶ではなく行動である
大人の学びが続かない理由は、記憶力が落ちたからでも、年齢のせいでもありません。
最大の理由は、行動の習慣化ができていないからです。
人は忘却曲線のとおり、覚えた内容の多くをすぐに忘れてしまいます。しかし、毎日の小さなアウトプットを続けると、学びは記憶ではなく行動に紐づいて定着します。
リスキリングが叫ばれるいま、求められるのは新しい知識を詰め込むことよりも、知識を行動へ移す仕組みづくりです。学び続けるための最大のコツは、考える前に一歩踏み出すこと。知行合一という言葉が示すように、知ったら動く、動きながら考える。この循環こそが大人の学びを加速させます。
DX時代の行動習慣がキャリアを変える
デジタル・トランスフォーメーションとは、ただデジタル技術を使うことではありません。社会や産業構造の変化に合わせて、自分自身の行動や考え方を変える取り組みです。企業が変わり続けるように、個人もアップデートし続ける必要があります。
特にデジタル人材の育成では、スキルセットを覚えるインプットより、毎日の小さなスキルチェンジの積み重ねが効果を発揮します。
・5分でいいので生成AIを触る
・DXのニュースを読む
・自社の業務で改善できるところを探す
その些細な行動こそが、キャリアパスを変える種になります。
事例: 音声配信が資産になった理由
私は2020年からほぼ毎日、音声配信を続けています。最初はコロナ禍でお客様と対面で会えなくなり、内にこもりがちな自分を変えるための行動でした。しかし続けてみると、配信は私自身の思考整理になり、DXやIoTを伝えるコンテンツとしてストックされ、後にビジネスにも活きるようになりました。
たった1日20分の積み重ねが5年で大きな資産になったことを実感しています。行動は未来の自分への投資です。
※2025年11月現在1,900回以上、配信しています。
習慣化がリスキリングを成功させる理由
リスキリングとは、未来に必要なスキルを学び直し、行動変容を起こすプロセスです。しかし、多くの人は学習を「一気にやるべきもの」と捉えて途中で挫折してしまいます。
本来リスキリングは、毎日の小さな積み重ねが前提です。大きな改革は必要ありません。5分の実践でも、前日より成長していれば十分です。この積み重ねがやがて大きな成果につながり、DX人材としての能力を確かなものにしていきます。
アウトプットが思考と行動を磨く
インプットした内容は、その日のうちに小さくアウトプットすることで初めて定着します。
例えば、
・読んだDXの記事の要点をメモに残す
・生成AIの新機能を触ってみる
・学んだ内容を自分の言葉でSNSに書き出す
行動のハードルを下げることで、学びのハードルも下がります。アウトプットが思考を整理し、思考が行動の質を高める。この循環を習慣化することが、デジタル時代の学び方です。
事例: ギターとDXに共通する習慣化の力
高校時代、私は帰宅すると毎日ギターを触っていました。専門書で勉強したわけではなく、ただ毎日触れて、弾いて、音を楽しんでいただけでした。しかし気づくと自然と弾けるようになっていた。
DXもまったく同じです。毎日少し触れる、試す、失敗する。この積み重ねがスキルを鍛え、やがて仕事で即戦力の武器になります。特に生成AIは触った分だけ理解が深まり、扱える幅が大きく変わります。
リスキリングは未来の資産形成
リスキリングは短期的に成果が出る学びではありません。しかし、長期的な視点で見れば、その価値は資産と呼べるほど大きくなります。
たとえば、毎日の生成AI活用を習慣化すれば、1年後には大きな差がつきます。小さな行動の積み重ねが、未来の仕事を生み、選択肢を増やし、キャリアアップのチャンスを広げます。
行動は未来の自分のための投資です。だからこそ、今日の5分から始める価値があります。
まとめ:今日の小さな行動が未来をつくる
DXは技術の話ではなく、行動を変える話です。学びは記憶に残すのではなく、行動を通じて身体に定着させていくものです。
今日の5分の行動は、明日の大きな変化につながります。リスキリングは未来の資産。動いた分だけ、自分がアップデートされていきます。
あなたの行動が、組織のDXを前に進め、社会の変革にもつながります。
本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。
10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。
ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。
「社員のDXマインドをどう高めるか?」、「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。
初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。
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生成AI導入を検討させている方は、こちらもご覧ください。
セキュリティから活用方法まで、サポートさせていただきます。
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次回の記事も、どうぞお楽しみに!
【キーワードの解説】
DX(デジタル・トランスフォーメーション)
DXとは、デジタル技術を導入すること自体ではなく、デジタルを前提に組織の業務・文化・意思決定・ビジネスモデルを変革することを指します。単なるIT化(デジタイゼーション)とは異なり、企業の仕組みや社員の行動変容まで含めた総合的な変革が求められます。たとえば紙の申請書を電子化するのはIT化ですが、申請プロセス全体を見直し、手間を減らし、顧客体験を向上させる取り組みはDXといえます。DX推進は競争力の源泉となり、意思決定の高速化、コスト削減、新規事業の創出など、多面的な効果が期待されます。
リスキリング
リスキリングとは、変化する社会・産業構造に対応するために、新しいスキルを学び直す取り組みです。一度身につけたスキルが長期的に通用しない時代において、働く人が継続的に学び、行動を変えることが求められています。例えば、営業職の人がデータ分析スキルを身につけて顧客洞察の質を高めたり、事務職の人がRPAや生成AIを活用して業務効率を改善するなど、日常業務と直結した学びがリスキリングの領域です。重要なのは知識の習得だけでなく学びを行動に結びつけ、習慣化することです。
知行合一
知行合一とは、知識と行動が一体であるという考え方です。知識を得ただけでは意味がなく、実践を通して初めて理解が深まり価値が生まれます。例えば、AIの使い方を本で読んだだけでは何も変わりませんが、実際に生成AIを使い、小さなアウトプットを積み重ねることで初めてスキルとして定着します。知行合一は大人の学びにおける重要な原則であり、学びが続かない原因の多くは「行動しない」ことにあります。知ったら動く、動きながら考える姿勢が、DX時代の成長につながります。
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)


