【記事概要】
生成AI 時代に「仕事を奪われるのでは？」という不安が広がる一方で、本当に必要なのは“AIと共存し、自分の価値を再定義すること”である──そんなテーマを、近森満の実体験と軽快な語り口で掘り下げる内容です。
AIは敵でも脅威でもなく、水道・ガス・電気と同じ“新しい社会インフラ”。面倒な作業はAIに任せ、人間は企画・判断・対話・創造・共感といった「付加価値の領域」に集中するべきだと強調します。
また、キャリア維持の鍵として シグナリング理論（スキルや経験を“社会に示す”行為） を紹介。資格・実績・経験は単なる肩書きではなく、AI時代のキャリア価値を守る“見える化”手段だと解説します。
加えて、免許証が価値を持った時代の例や、インバウンド接客で翻訳AIが救った話、煙のように消えていく「先延ばし癖」からAI活用で脱却できた自身のエピソードなど、等身大の体験が豊富に登場。最後に、AIをフィルターやエフェクターのように使う具体的な発想や、自己棚卸しの重要性、“自分の強み×AI”という最強の組み合わせが未来を切り開くというメッセージで締めくくります。
【著者情報】
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
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AIとの向き合い方を変えると未来が変わる
「AIに仕事を奪われる」
という言葉を耳にすると、不安を感じる方は少なくありません。ですが、私自身が長年DX支援の現場を歩いてきた経験から申し上げると、AIが奪うのは仕事そのものではありません。AIが代替するのは、やりたくない作業、繰り返しのルーティン、時間を削られる「めんどくさい仕事」です。
現在、社会に広がる生成AIは、水道・ガス・電気と同じように生活インフラとして浸透しています。スマホアプリにはすでにAIが入り込み、通知、翻訳、文章作成、検索補助など、生活と仕事を自然に支えています。つまりAIは、あなたの仕事を脅かす存在ではなく、あなたの能力を拡張する存在へと進化しているのです。
シグナリング理論がキャリア価値を守る
AI時代において、キャリア価値を守る上で重要になるのが「シグナリング理論」です。人は経験や実績、資格、日々の活動を通じて、社会に自分の能力を示すシグナル（信号）を発信しています。企業はそのシグナルを基に、その人がどんな価値を提供できるかを判断します。
私自身、IoT検定、アジャイル検定、DX認定など、さまざまな制度を立ち上げてきました。この実績そのものが、私が社会に発している大きなシグナルです。あなたも同じように、発信できる価値を必ず持っています。それを棚卸しし、言語化し、見える形にしていくことが、AI時代のキャリアを安定させる第一歩になります。
事例: 免許証がシグナルだった時代
私が若い頃、車の免許は一種のステータスでした。社会に出る前に取得しておくことで身分証明書であることが大義名分ですが、人間味として「しっかりしている」「行動力がある」という印象を持ってもらえたのです。ですが、価値観は変化していきます。シェアリングや自動運転が進む今、「免許証を持つことが大人」みないな価値感は昔ほど強くありません。
しかし、本質は変わりません。社会が求める能力に応じて、適切なシグナルを発信し続けることが大切なのです。
AIが人間を進化させる瞬間
AIを活用することで、人は本来の強みに時間と集中力を使えるようになります。例えば私は長年、「締め切り直前にならないと動けない」先延ばし体質でした。しかし生成AIを使うようになってから、資料作成や企画書づくりが圧倒的にスピードアップしました。
作業スピードが上がることで、考える時間、改善する時間、そしてお客様に向き合う時間が生まれます。これは単なる効率化ではなく、人間が本来取り組むべき価値領域に戻るための進化といえます。
事例: 翻訳AIがインバウンド対応を変えた
以前は、外国人観光客が来ても言語が障害となり、十分に接客できないお店が多くありました。しかし翻訳AIアプリの登場によって、英語が苦手でもスムーズにコミュニケーションが取れるようになり、新しい顧客層を獲得するケースが増えました。
ポスターやチラシの作成、多言語対応ホームページの構築も容易に実現可能です。外部委託や多額の予算投入を必要とせず、デジタル技術の利点を最大限に活用することで、これらの業務を効率的に遂行することができます。
AIが人間の弱点を補った分かりやすい例であり、AIと共存する未来を象徴する出来事です。
自分の強みを棚卸しし、AIをフィルターに通す
AI時代に最も求められる習慣が「強みの棚卸し」です。人間にしかできない価値は次のような領域にあります。
・共感力
・倫理的判断
・創造力
・対話力
・リーダーシップ
これらはAIが代替しにくい領域であり、ここを磨くことがあなたの市場価値を高める最も効果的な方法です。さらに、これらの強みをAIという“フィルター”に通すことで、アウトプットの質とスピードが飛躍的に向上します。
AIをエフェクターのように使うイメージです。ギターに歪みやリバーブをかけるように、あなた自身の価値をAIが増幅してくれます。
心のDXが未来を変える
AI時代において、本当に重要なのは「マインド」です。私はこれを「マインド三姉妹」と呼んでいます。
・マインドシフト
・マインドチェンジ
・マインドトランスフォーメーション
テクノロジーが急速に発展する今、私たちも考え方を柔軟に変化させる必要があります。思考や価値観をアップデートできる人こそ、AI時代にチャンスをつかめるのです。
事例: AIで生まれた“分身”という最高の相棒
私はずっと「自分の分身がほしい」と思ってきました。ところが、AIが登場したことで、それが現実になりました。文章作成、資料整理、アイデア出しなど、AIが日常的にサポートしてくれます。しかも365日24時間、疲れ知らずです。
この恵まれた環境を生かすかどうかは、あなた自身のマインドセットにかかっています。
まとめ：AIと共に歩むキャリア設計
AIはあなたの仕事を奪う存在ではありません。むしろあなたの可能性を引き上げるパートナーです。シグナリングによって強みを見える化し、AIをフィルターとして掛け合わせることで、キャリア価値はより強固になります。
未来はAIに奪われるのではなく、AIと共に創っていく時代へと変わっているのです。
本日の内容が、あなたのシンギュラリティ時代への準備に向けて、少しでも気づきや行動のヒントになっていましたら幸いです。10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向け、共に自分自身をアップデートしてまいりましょう。
DX推進や教育研修に関するお悩みがあれば、初回無料のコンサルティングをぜひご活用ください。
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生成AI導入を検討させている方は、こちらもご覧ください。
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次回の記事も、どうぞお楽しみに。
【キーワードの解説】
AI（Artificial Intelligence）
AIは、人間の知的行動を模倣し、学習・推論・判断を行う技術の総称である。近年のAIは、特に「生成AI」と呼ばれるモデルの発展によって、文章生成、画像生成、会話、要約、分析など、これまで専門家しかできなかった高度な作業を高速に実行できるようになっている。AIの本質は、人間の仕事を奪うことではなく、人間の能力を拡張し、創造力や判断力が本当に必要な仕事へ集中させる支援ツールである点にある。AIを効果的に活用するには、単に使うだけではなく、どの工程をAIに任せ、どこを人間が担うかを明確化し、業務のプロセス自体を見直す視点が重要となる。
シグナリング理論
シグナリング理論とは、経済学・教育学などで使われる概念で、人が自分の能力・価値・実績などを「社会に向けて発信する行為」を指す。資格、職歴、実績、ポートフォリオ、SNSでの発信などがその例であり、相手がその人の能力を判断しやすくする“信号”として機能する。AI時代はスキルの劣化速度が速くなるため、常にアップデートし続ける姿勢と、その成果を外部に見える形で示すことがカギとなる。これはキャリア価値を高める最もシンプルかつ強力な戦略のひとつである。
マインド・トランスフォーメーション（Mind Transformation）
マインド・トランスフォーメーションとは、状況の変化に合わせて考え方・価値観・行動様式を根本から変えるプロセスのこと。AI・DX時代は技術の変化が早く、従来の思考法では対応できない局面が増えている。そのため「昨日までの正解が今日も正解とは限らない」という前提で、自分の思考を柔軟に更新することが求められる。これは単なる意識改革ではなく、AIの積極活用・デジタルの受容・行動パターンの変化などを含む“心のDX”とも言える。
【著者紹介】
近森 満（ちかもりみつる）
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、＋DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長（IoT検定、＋DX認定、超知性ASI検定）
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長（Android資格）
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長（E検定）
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー（組込み）
・ET教育フォーラム合同会社 代表（コンテンツ制作）
・経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター（IoT支援）
・経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター（DX支援）
・デジタル庁デジタル推進委員（デジタル化支援）
・DX事業共同組合 設立理事（DX推進）
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事（SDGs認証）
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事（DEI支援）
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長（Agile検定）
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長（IACS認定）