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DXって結局なに?ピンとこない人のための超入門ガイド

2025年9月16日
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【記事概要】

デジタル化の波が押し寄せる今、「DXって結局なんなの?」と感じている人は少なくありません。80年代のデジタル化とはまったく違う現代のDXは、単なるIT導入ではなく、社会やビジネスの“仕組みそのもの”を変えるトランスフォーメーション。

近森満は、これを「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「デジタルトランスフォーメーション」という“デジタル三兄弟”と、そこに必要な「マインド三姉妹(マインドシフト・チェンジ・トランスフォーメーション)」で説明します。企業のDXは技術導入だけではなく、社員一人ひとりの意識変革が不可欠。生成AIやAGIが登場する今、変わるのは“ツール”ではなく“人の考え方”です。

「うちは関係ない」と思った瞬間に、変化の波はあなたを置き去りにします。今こそ、身近な課題からデジタルを“自分ごと化”すること。DXは、未来を他人任せにしないための、あなた自身のマインド・トランスフォーメーションです。

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【著者情報】

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。
DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/

 

DXって結局なに?ピンとこない人のための「超入門」

「DXって最近よく聞くけど、正直ピンとこない」という声をよく聞きます。
確かに、デジタル化という言葉自体は80年代から使われてきました。しかし当時の“デジタル化”と、今私たちが直面している“デジタル・トランスフォーメーション”は、まったくの別物です。

デジタルが社会の一部の特権階級のものだった時代から、今では誰もがスマホ一台で世界とつながる時代。
けれども、まだまだ多くの企業や現場ではアナログ文化が根強く残っています。
「スマホで支払いを導入しているからウチもDXしてるよ」と思う人もいるかもしれませんが、それはほんの入口にすぎません。

DXとは、単にテクノロジーを導入することではなく、ビジネスモデル・働き方・価値提供の仕組みをデジタルで変革していくことなのです。

 

 

DXという言葉の誤解:なぜ「DT」ではなく「DX」なのか

「デジタル・トランスフォーメーション」を略すなら、本来“DT”で良いはずですよね。
でもなぜ“DX”と書くのか?
実は“トランス(Trans)”の“X”には、複雑な変化・交差・融合という意味があります。
デジタル技術が人・組織・社会と混ざり合い、新しい価値を生み出す──まさにその「交わり」がDXの本質です。

かつてDXと聞いて「デラックス」と勘違いした人も多いでしょう。
でもある意味、これは間違っていません。DXとは、既存のものを“てんこ盛り”にすることではなく、より良い社会・より良いサービスを作るためのアップデートなのです。

 

 

デジタル三兄弟:「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「デジタルトランスフォーメーション」

DXを理解するうえで欠かせないのが、この「デジタル三兄弟」です。

①デジタイゼーション(Digitization)
アナログ情報をデジタルに置き換えること。
紙の台帳をExcelにする、データをクラウドに保存する――これが第一歩です。

②デジタライゼーション(Digitalization)
データを活用し、業務を効率化・自動化するステージ。
売上データを分析して経営判断に活かす、AIで顧客対応を最適化するなど、データの活用による価値創出です。

③デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)
企業や社会の仕組みそのものを変革すること。
つまり、「データを使って何を変えるか」が問われる段階です。

多くの企業が第2段階で止まっており、DXに到達できていません。
理由はシンプル──人が変わっていないからです。

 

 

デジタルの前に「マインドチェンジ」が必要

どれだけ最新のテクノロジーを導入しても、人が変わらなければDXは進みません。
そこで登場するのが「マインド三姉妹」です。

①マインドシフト(Mind Shift)
「変わる必要がある」と気づく段階。

②マインドチェンジ(Mind Change)
自分ごととして受け止め、行動を変え始める段階。

③マインドトランスフォーメーション(Mind Transformation)
価値観や働き方そのものをアップデートする段階。

企業のDXは、経営層だけの話ではなく、社員一人ひとりの“心のDX”から始まります。
つまり、デジタル化の根底には「人間の成長」というテーマがあるのです。

 

 

DXは「技術」ではなく「文化の変革」

日本の多くの企業は、テクノロジーよりも文化の変化に時間がかかっています。
「前からこのやり方でやってきたから」「上司が紙で確認したいから」──そんな一言が、DXのブレーキになるのです。

けれども、DXはトップダウンでは成功しません。
一人ひとりが「なぜ変わるのか」を理解し、自ら“デジタルでより良く働く”ことを選択しなければならない。

私は全国の企業でDX支援をしてきましたが、最初の壁はいつも「人の意識」です。
仕組みより、マインドセットの変革=マインドトランスフォーメーションが鍵になります。

 

事例:中小企業の「小さなDX」から始まった変革

ある地方の製造業では、最初は請求書を紙からPDFにするだけの“デジタイゼーション”でした。
ところが、その過程で「請求データを自動集計したら、営業活動がもっと効率化できるのでは?」という社員の声が上がりました。

そこからデジタライゼーションへ進み、やがてデータ活用を軸に新サービスを創出。
結果的に、社内文化まで変わったのです。
DXは、大きな投資ではなく“小さな気づき”から始まる。
これが私が多くの現場で見てきた共通点です。

 

 

DXが進まない理由:「人は変わらない」

「うちの会社はITツールを導入したのに、効果が出ない」と嘆く経営者がいます。
その原因の多くは、ツールの前に“人”が変わっていないこと。

デジタル活用を推進できる人材はまだまだ少なく、経営層がDXを“コスト”と誤解しているケースもあります。
だからこそ、今企業に必要なのはデジタル人材の育成とマインドセット改革です。

 

 

自分ごととしてのDX:「困りごと」をデジタルで解決する

DXは遠い世界の話ではありません。
あなたの職場・家庭・生活の中に“変えたいこと”があるなら、それがDXの出発点です。

たとえば、

・書類を探すのに時間がかかる → クラウドで共有

・会議の議事録が追えない → AI文字起こしを活用

・顧客対応が属人的 → チャットボットで自動応答化

こうした小さな改善こそが、DXの原石です。

 

 

変わる勇気を持てない人へ

「今のままで困っていない」と感じている人に、私はこう言いたい。
それ、本当に“困っていない”ですか?
現状維持を選ぶことは、変化を拒むことと同じです。
そして、その間に世界はどんどん前に進んでいく。

DXは、誰かのためではなく、自分の未来のための行動です。
変わる覚悟さえあれば、年齢も役職も関係ありません。

 

 

未来のDX:生成AI・AGI・ASIがもたらす「超知性社会」

生成AIやAGI(汎用人工知能)の登場によって、DXは次のステージへ進みます。
AIが業務を代替するのではなく、人間の思考を拡張する時代です。

企業は今後、AIと人が協働する「デジタル協創社会」へ移行していくでしょう。
そしてその時に問われるのは、人間のマインドセットです。

つまり、DXの究極形は「マインド・トランスフォーメーション」──
自分自身の意識を変え、テクノロジーを“使いこなす人間力”を持つことなのです。

 

 

まとめ:あなたのDXは、あなたの中にある

DXとは、会社や社会のためにあるのではなく、あなた自身の可能性を広げるための変革です。
一人ひとりが“変化の担い手”になることで、組織全体が動き出します。

DXは他人事ではなく「自分事」
まずは「やってみよう」と思うその一歩が、未来を動かすのです。

本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。
10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。
ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。

「社員のDXマインドをどう高めるか?」、「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。
初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。
www.certpro.jp/dxconsulting/

 

生成AI導入を検討させている方は、こちらもご覧ください。
セキュリティから活用方法まで、サポートさせていただきます。
certpro-generationaiservice.sfsite.me/

次回の記事も、どうぞお楽しみに!

 

【スキルチェックリスト】

今日からあなたもDX推進に向けた行動をチェックしてみましょう!

□ 自社・自分の仕事の中で「アナログな部分」を一つ挙げられる
□ その課題をデジタルで解決するアイデアを考えた
□ チームでマインドチェンジの話をしてみた
□ 新しいツールやAIを実際に試してみた
□ 「DXは自分ごと」という言葉を口にしてみた

 

 

【重要なキーワード解説】

DX(デジタル・トランスフォーメーション)

DXとは、デジタル技術を活用して社会やビジネスの仕組みそのものを変革することを指します。単なるIT化や効率化ではなく、組織文化・働き方・価値提供の構造を根本から再設計することが目的です。AI、IoT、クラウド、データ分析などの技術を活かし、顧客体験(CX)や事業の競争優位を生み出すことがゴール。日本では経済産業省が「2025年の崖」問題を提起し、DXの遅れが国全体の生産性低下につながると警鐘を鳴らしています。成功の鍵は「テクノロジー」ではなく「マインドの変革」です。

デジタル三兄弟(デジタイゼーション・デジタライゼーション・デジタルトランスフォーメーション)

DXを理解するための重要な概念がこの「デジタル三兄弟」です。
デジタイゼーションはアナログ情報をデジタル化すること。デジタライゼーションはデジタル化した情報を活用して業務効率を高めること。そしてデジタルトランスフォーメーションは、デジタルを前提にビジネスモデルや組織文化を変革する段階を指します。これら3段階は「DXへの進化の階段」であり、企業はどのレベルにいるのかを把握しながら次のステップへ進む必要があります。

マインド・トランスフォーメーション

DXを成功させる最大のカギは「人の意識改革」にあります。
マインドシフト(気づき)→マインドチェンジ(行動)→マインドトランスフォーメーション(価値観変容)という3ステップを経て、人は変わります。デジタル技術を導入しても、社員が「やらされ感」のままでは何も変わりません。個人が変わり、チームが変わり、企業文化が変わる。これが本当の意味での「トランスフォーメーション=変革」です。DXは技術ではなく、人間の進化の物語なのです。

 

 

【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)

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