
【記事概要】
今回のエピソードでは、生成AIと画像生成ツールの進化に注目し、近森満が自身の体験をもとにその活用方法について語っています。特に、Googleが提供する「Gemini Nano Banana(ナノバナナ)」と、ChatGPT-5に搭載されている画像生成モデル「DALL·E 3」を比較し、それぞれの特徴や使用感を紹介しています。
近森は、自身の顔写真を使って映画『マトリックス』風のプロモーション画像を生成するという実験を行い、Geminiの画像再現力と柔軟性の高さを実感しました。ChatGPTでは顔がアニメ調に変換されてしまったのに対し、Geminiでは元の写真に忠実なリアルな画像が生成された点を高く評価しています。
また、生成AIにおける「ガチャ的要素(出力の不確実性)」や、同じプロンプトを使っても再現性が低いといった課題、生成速度や課金モデルの違いについても、実務的な視点から深掘りしています。さらに、こうしたツールを業務に活用する際には、単なるツール選定にとどまらず、組織全体の「マインド・トランスフォーメーション(価値観の変革)」が不可欠であると提言しています。
最後に、近森はリスナーに対し、個人としても価値観のアップデートに取り組むことの重要性を訴え、AI時代を生き抜くためのヒントとして本エピソードを締めくくっています。

【著者情報】
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
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当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
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画像生成AIの今、どれが一番使えるのか?
最近の生成AI、とくに画像生成の進化は目を見張るものがあります。GoogleのGeminiシリーズの新たなコードネーム「Nano Banana(ナノバナナ)」、そしてChatGPT-5に統合されたDALL·E 3。これらのツールは、ただ画像を生成するだけでなく、もはや「伝えたい世界観」を視覚化してくれる段階に来ています。
私が特に注目しているのは、「自分自身の顔を使って、思い描いた世界観の中に自分を配置できる」かどうかという点です。現実世界の自分と、バーチャル世界の自分がどこまで融合できるか。これこそが次の時代の「表現」の鍵になると感じています。
Gemini「Nano Banana」のリアル再現力
Gemini Nano Bananaを使ってみたところ、まず驚いたのが「写真そのままのような再現性」でした。具体的には、私の顔写真をアップロードし、『マトリックス』のネオ(キアヌ・リーブス)風のイメージで生成してみました。黒のトレンチコート、弾丸を避ける直前の立ち姿、背景はデジタルなグリーンコード。
すると、Nano Bananaは、私の髪型や笑顔、輪郭をしっかり保ちつつ、希望したイメージに非常に近い画像を出力してくれました。これまでの画像生成AIは、どこかで“誰かわからない人物”になってしまうことが多かったのですが、Nano Bananaではそれがありませんでした。
事例: ChatGPT-5との比較
同じプロンプト、同じ顔写真で、ChatGPT-5(DALL·E 3)にも画像生成を依頼しました。すると、出てきた画像は「アニメ調」。一見すると悪くないのですが、本人らしさがあまりない。もっといえば、「別人風のイラスト」という印象でした。
DALL·E 3は著作権リスクに配慮しているため、オリジナル画像に似すぎると判断すると、意図的に顔や表情を変えてくる傾向があります。一方、Gemini Nano Bananaはそこを緩やかに乗り越えて、私の顔の特徴をしっかり残してくれました。


画像生成AIに潜む「ガチャ性」と向き合う
生成AIを使っていると、どうしても避けられないのが「ガチャ性」です。同じプロンプトを使っても、出てくる画像は毎回違う。ちょうどソーシャルゲームのガチャのように、何が出てくるかはお楽しみ──これは便利さと同時に、大きな課題でもあります。
たとえば、一度気に入った画像が生成されても、次に似たものを再現するのが難しい。角度が違ったり、表情が違ったり、服装が微妙に変わったり。細部にこだわる必要があるプロモーション用素材などでは、これは致命的です。
「引き継がれる顔」の価値と革新
面白いのは、Geminiでは一度使った顔写真が、次の生成でもその特徴をうまく引き継いでくれる点です。以前は、画像のソースコード番号を使って「この顔を再利用してくれ」と英語で指定しなければなりませんでした。ですがNano Bananaでは、テキストで指示するだけでOK。「この前の顔で」「同じキャラクターで」などの自然な表現でも、意図を汲み取ってくれます。
これは、マーケティングやブランディングにおいて大きな意味を持ちます。一つのキャラクター、一つのアイコンを使い回し、かつ表情やポーズをバリエーション展開できるからです。
事例: キャラIPの一貫性に使えるか?
企業のプロモーションでよくあるのが「統一感のあるキャラクター表現」。以前はイラストレーターに依頼して、同じタッチで何十枚も描いてもらう必要がありました。ところがGemini Nano Bananaなら、その工程が1/10に短縮できる可能性があります。※あくまで個人的な見解です
課金と時間、AI活用のコストをどう見るか
ChatGPTやGeminiは基本課金モデルで動いています。プロンプトを回せば回すほど、トークンが消費され、最悪、他の作業に支障が出ることもあります。生成にかかる時間も問題です。数十秒〜数分かかることも珍しくなく、その間「何もできない」状態が生まれます。
効率性を求めるなら、速度の速いGeminiに軍配が上がるかもしれません。ただし、画像サイズや品質、使用目的によっては、ChatGPTを選ぶ意味も十分にあります。状況に応じた使い分けが重要です。
まとめ:AI時代の表現は「人間性との融合」
画像生成AIは、もはや「絵を描く道具」を超えて、「人間らしさ」をどう表現するかのステージに来ています。技術の進化とともに求められるのは、マインドセットの変化。ツールを使いこなすスキルではなく、「自分がどう活用するか」という発想の転換が必要です。
私たちがAIを活用する上で、最も大切なのは「自分の価値観をアップデートすること」です。
現場では「AIができること」と「人間がやるべきこと」の線引きが必要になります。そして、何よりも「人間らしさ」を失わない活用が、今後のDXにとって極めて重要です。
本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。
10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。
ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。
「社員のDXマインドをどう高めるか?」、「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。
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次回の記事も、どうぞお楽しみに!
【キーワードの解説】
画像生成AI
画像生成AIとは、与えられたテキストやプロンプトから画像を自動で生成する人工知能技術を指します。近年ではDALL·E、Midjourney、Geminiなどのツールが登場し、イラスト、写真風、アート風など多様なスタイルで画像生成が可能になっています。マーケティング、教育、ゲーム開発、プロダクトデザインなどへの応用が進み、業務効率化やクリエイティブの民主化を推進する重要な技術となっています。
マインド・トランスフォーメーション
マインド・トランスフォーメーションとは、デジタル社会に適応するために、従来の思考や価値観を根本から見直し、変革していくことを指します。単なるスキル習得だけでなく、「どうあるべきか」「どう行動すべきか」といった意識変革が求められる段階です。生成AIやDXを導入する際にも、このマインドの刷新が組織全体の成功に直結するとされています。
ガチャ性(不確実性)
生成AIにおける「ガチャ性」とは、同じプロンプトを使っても毎回異なる結果が出力される「ランダム性」や「不確実性」のことです。これは一方で創造性を高めるメリットでもありますが、業務においては「再現性のなさ」としてデメリットとなる場合もあります。この特性を理解し、生成AIとの付き合い方を工夫することが、今後の活用の鍵となります。
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)


