
【概要】
皆さん、日々の業務で「もっと効率的に情報を整理したい」「アイデア出しを手伝ってほしい」と感じることはありませんか? 今回は、Googleが提供する強力なAI「Gemini」を、あなたのMacのターミナル(黒い画面)で手軽に使えるようにするツール「Gemini CLI」の超簡単インストール方法と、すぐに役立つ活用法を解説します。
専門知識は一切不要!普段パソコンを使っている方なら誰でも試せる、ビジネスパーソン向けの内容です。
※ただし、エンジニア向けではなく一般MACユーザー、ビギナー向けですので、念の為。
【著者情報】
こんにちは、IT・DX教育サービスを提供する株式会社サートプロの近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では、DX推進人材教育プログラムとして初回無料のオンラインコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/
Gemini CLIってなに?なぜビジネスに役立つの?
GoogleのGeminiは生成AIとして優秀なことはすでに知っていると思いますが、Gemini CLIは、「Gemini Command Line Interface」の略で、文字通りコマンド(命令文)を打ち込むことでGemini AIと対話できるツールです。
Webブラウザを開かずに、ターミナル上で直接Geminiに質問したり、アイデアを出してもらったり、テキストを生成してもらったりできます。
これにより、以下のようなメリットがあります。
Gemini CLIで生産性向上(自分DX)
作業効率アップ別のアプリに切り替える手間なく、サッと質問して回答を得られます。
アイデア創出の加速会議資料の構成案や企画のアイデア出しなど、Geminiがブレインストーミングの相手になってくれます。
情報整理のサポート長文の要約やメールのドラフト作成など、文章作業を効率化できます。
Gemini CLIのうれしい特徴
完全無料Googleアカウントさえあれば、誰でも無料で利用可能です。
1分あたり60リクエストという、個人で使うには十分すぎるほどの無料枠が提供されますのでうれしいですね。
・Windows & Mac 両対応
今回はMacへインストールしたAI開発ツールですが、Gemini CLIはWindowsにも完全対応していますので、もうPC環境で悩む必要はありません。
・ターミナルで完結
「ターミナル」と呼ばれている、プロが良く使う黒い画面上で、AIとの対話からファイル操作まで、すべてが完結します。
・Googleの最新AIを搭載
Googleの現時点では最高ランクのAIモデル「Gemini 2.5 Pro」のパワーを、直接あなたのPCでぞんぶんに操ることができます。
さあ、あなたのMacにGemini CLIを導入して、AIアシスタントを活用する一歩を踏み出しましょう!
ステップ1:準備運動!Node.jsをチェック&インストール
Gemini CLIを使うためには、「Node.js(ノードジェイエス)」というソフトがMacに入っている必要があります。バージョン18以上が推奨されています。
まずは、あなたのMacにNode.jsが入っているか、そしてバージョンはいくつか確認してみましょう。
1)ターミナルを開く
※ターミナルはただの文字入力ツールです。間違えてもPCは壊れません!
「Launchpad」を開き、「その他」フォルダの中にある「ターミナル.app」をクリックします。
または、「Command」キーとスペースキーを同時に押してSpotlight検索を開き、「ターミナル」と入力してEnterキーを押します。
黒い画面が出てきたらOKです。

2)Node.jsのバージョンを確認するコマンドを打つ
※ターミナルには一般ユーザーには理解できない呪文を打っていきます。めんどいのでコピー&ペーストが便利です。
ターミナルに以下のコマンドを打ち込んで、Enterキーを押します。
node -v
※node -vはnodeのあと半角スペースがあります、注意してください。以後、半角スペースを覚えておいてください。
もし「v18.x.x」のようにバージョン番号が表示されたら、Node.jsはインストール済みです。もしバージョンが古い、または何も表示されない場合は、次のステップでNode.jsをインストールしましょう。
3)Node.jsをインストール(まだの方のみ)
Node.jsがインストールされていない場合や、バージョンが古い場合は、公式ウェブサイトからダウンロードしてインストールします。 Node.js公式サイト
お使いのMacに合ったインストーラー(macOS Installer)をダウンロードし、画面の指示に従ってインストールを進めてください。特に難しい設定は不要で、ほとんど「次へ」「同意する」で完了します。

ステップ2:いよいよGemini CLIをMacにインストール!
Node.jsの準備ができたら、いよいよGemini CLIのインストールです。これもターミナルでたった1つのコマンドを打ち込むだけ!
1)ターミナルを開く
(開いている場合はそのまま)
2)インストールコマンドを打つ
以下のコマンドをターミナルに打ち込んで、またはコピーして貼り付け、Enterキーを押します。
npx https://github.com/google-gemini/gemini-cli
または
npm install -g @google/gemini-cli
ブラウザーが起動するのでGoogleアカウントでログインします。
ステップ3:Gemini CLIを使えるように認証しよう!
インストールが完了したら、Gemini CLIをGoogleアカウントと連携させて使えるようにします。
1)Gemini CLIを起動する
ターミナルに以下のコマンドを打ち込んで、Enterキーを押します。
gemini
ブラウザでGoogleアカウントにログインする
自動的にWebブラウザが開き、Googleアカウントへのログインを求められます。普段使っているGoogleアカウントでログインしてください。ログインが完了すると、ターミナルに戻り、Gemini CLIが使えるようになります。

💡 ワンポイントアドバイス! 個人のGoogleアカウントでログインすれば、無料で1分あたり60リクエスト、1日1,000リクエストまでGeminiを利用できます。これは日常業務で使うには十分な量です!
※ビジネスで使っているGoogle work placeではログインできません。
ステップ4:インストールできたかテストしてみよう!
これでGemini CLIがMacに無事インストールできたはずです。本当に動くか、簡単なコマンドで確認してみましょう。
1)イントールの確認
インストールに成功しているはずですので、ターミナルに以下のコマンドを打ち込んで、Enterキーを押します。
gemini
2)ターミナルでバージョン確認
gemini --version
と打ち込んでEnterキーを押してみてください。「1.x.x」のようなバージョン番号が表示されたら、インストール成功です!

①初回起動時、自動的にいつものブラウザ(Chromeなど)が開き、Googleのログイン画面が表示されます。
②Gemini CLIで使いたいGoogleアカウントでログインし、次の画面で「許可」や「Continue」をクリックします。
③「Authentication successful!」のような英語が表示されれば、認証完了です。
さあ、AIと「ブロック崩しゲーム」を作ってみよう!
「プログラミングなんて…」とゲンナリしてしまう方もいるかもしれませんが、ご安心ください。生成AIが勝手にプログラムしてくれるので、あなたは指示するだけ。
私もそうですが、ビギナーにはHTML、css、Java Scriptとか、「まずは覚えましょう」と言われたら⋯そっと閉じますね。
1)プロンプト(指示)を入力してみましょう。
>の後に、以下の指示を打ち込んで、Enterキーを2回押します。
ブロック崩しゲームを生成してください
これだけで、Geminiは開発を進めてくれます。

すると、Geminiが「HTML」「CSS」「JavaScript」という3つのファイルを作成し始めます。
・index.html: これがウェブページの「骨組み」となる画面です。人間でいうところの「顔」のようなもの。
・style.css: これはウェブページの「見た目」を整えるファイルです。人間でいうところの「おしゃれな服装」と考えればOK。
・script.js: これがゲームを実際に動かすための「指示書」となるファイルです。
ほんの1分もかからずに、これら3つのファイルを作成してくれました。さすがAI、あっという間ですね!

ウェブページの最初のインデックス.htmlと言う画面を作ってくれました。続きます。

人間で言う所のおしゃれな服装と考えればいいstyle.cssと言うファイルを作ってくれました。続きます。

ゲームを動かすための指示分としてscript.jsというファイルを作ってくれました。続きます。

さぁ、3つのファイルを作ってくれました。さすがです。
どこにボタンがあるの?
…で?
どうすれば動くのでしょうか?
index.htmlがハイパーリンクになっていませんので⋯
それも聞いてみよう。
どうしたらゲームがスタートしますか?

2)作成されたファイルを確認する
Gemini CLIがファイルを作成した場所は、通常、ターミナルでコマンドを実行していたフォルダの中です。例えば、あなたのMacの「書類」フォルダでターミナルを起動してGemini CLIを使っていたなら、その「書類」フォルダの中に新しくゲームのファイル(index.htmlなど)が入ったフォルダができているはずです。

なるほど、フォルダの中にinsex.htmlファイルが見つかりました。
3)ゲームを起動する
見つけたindex.htmlファイルをダブルクリックしてみましょう。 すると、なんとWebブラウザ(Chromeなど)が開き、無事にブロック崩しゲームの画面が表示されるはずです!
マウスやキーボードで操作して、実際にゲームが動くことを確認してみてください。 「たった数行のプロンプトで、ここまでできるのか!」と感動したのではないでしょうか。

index.htmlをクリックすると無事にゲーム画面になりました。
「ゲームスタート」ボタンも付けましたので押したら開始します。
4)さあ、ブロック崩しゲームの開始
とてもシンプルで簡単ではありますが、無事に動くことが確認できました。ゲームスタートボタンは2回目の指示に入れてみましたが、簡単に修正してくれました。勝手にゲームオーバー画面もつけてくれますので、素人でもゲームアプリなら簡単に作ることが可能ですね。

まあ、こんな感じで動くようになりました。
今回のまとめと次のステップ
Gemini CLIのインストールは思ったより簡単だったのではないでしょうか? そして、AIに指示を出すだけで、こんなに本格的なゲームまで作れるという驚きの体験ができたことと思います。
一通り動かしてみると、実際にゲームを「AIと共創」するまでの手順が体感できたはずです。この「できた!」という成功体験は、ビギナーにとって非常に重要なことです。
これからの時代、デジタルトランスフォーメーションも大切ですが、「AIを使いこなして自分の可能性を広げる」というマインドトランスフォーメーションはもっと大切なことです。その大切な要素の1つに「しつこさ(諦めずにチャレンジする気持ち)」というものがありますので、ぜひ皆さんも諦めずにAIと共に様々なことにチャレンジしてください。
今後このゲームをアップデートするには、先ほどのターミナルを使ってGeminiに指示を出し、どんどん改善していくことができるというわけです。例えば、「ブロックの数を増やしてほしい」「色を変えたい」など、あなたのアイデアをAIに伝えれば、それが形になるかもしれません。
このやり取りを世にいう「バイブ・コーディング」というのでしょうね。
プログラミング言語を直接触らなくてもよく、かつ厳密な計画や設計図に縛られず、イメージの感覚や直感を頼りに、その場のノリやひらめきでコードを書いていくスタイルを指す、新しい開発の形なのかもしれません。
今回の解説記事が、皆さんの日々の仕事にAIを活用するきっかけになり、そしてAIとの共創の楽しさを知る一助となれば幸いです。
もっと詳しく知りたい方へ:
Node.js 公式サイト: nodejs.org/ja/download/
Gemini CLI GitHubリポジトリ: github.com/google-gemini/gemini-cli
Gemini CLIは、今後も進化を続けるパワフルなツールです。ぜひ色々な質問を試して、その可能性を探ってみてください!
また新しい情報があれば、お伝えしていきますね。
お知らせ:超知性&ASIを一緒に学びましょう!
皆さん、AIの進化が加速する中、「超知性(Superintelligence)」や「ASI(人工超知能)」という言葉を耳にする機会が増えていませんか? これらの概念は、私たちの未来を根本から変える可能性を秘めています。
CertPro.jpのブログでは、この最先端のテーマについて、専門家が分かりやすく解説しています。技術的な背景から、社会にもたらす影響、そして私たちがどう向き合うべきかまで、多角的に学ぶことができます。
未来の社会を形作る超知性とASIについて、一緒に理解を深め、これからの時代を生き抜く力を身につけませんか? ぜひブログをチェックして、この刺激的な学びの旅に参加してください。
本記事が皆さまの気づきにつながれば幸いです。IT・DX教育サービスについてお悩みがある方は、ぜひ初回無料のオンラインコンサルティングをご利用ください。必ずお役に立ちます。
www.certpro.jp/dxconsulting/
生成AI導入を検討させている方は、こちらもご覧ください。
セキュリティから活用方法まで、サポートさせていただきます。
certpro-generationaiservice.sfsite.me/
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)