
【記事概要】
Googleが提供する生成AI活用ツール「NotebookLM」を使い、音声配信と連携させた“週刊パーソナルポッドキャスト”の新習慣づくりを実践した事例を紹介します。著者である近森満が毎日行っている音声配信をChatGPTでテキスト化・リライトし、その内容を「NotebookLM」に集約。1週間分の内容を自動要約し、週次レビューとして再発信するというサイクルを構築しました。
これにより、情報の再整理と振り返りが効率化され、リスナーとの情報共有もスムーズに。自身のマインドセットを整えつつ、生成AIを使った“習慣化による思考整理”の新たな可能性を模索する内容です。Podcast、NotebookLM、ChatGPTなど複数のAIツールを活用しながら、AI時代にふさわしいアウトプットの仕組みを模索するプロセスが語られています。

【本文】
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/
NotebookLMという新しい“思考の相棒”
AIツールがどんどん進化している現在、私たちは「日々の発信をどう整理し、どう共有するか?」という課題に直面しています。私自身、毎朝の音声配信「DX企画書のネタ帳」を欠かさず続けていますが、「その情報、どうやってまとめてるんですか?」という質問をよく受けます。
そこで注目したのがGoogleの「NotebookLM」というサービスです。これは自分の用意したテキストやPDFをもとに、AIが文脈を理解し、自分専用の「会話できるノート」をつくってくれるというもの。まさに“AI秘書”のような存在です。
私の場合、音声で話した内容をChatGPTでテキスト化し、さらにリライトしてnoteに投稿しています。そのnote記事をまとめてNotebookLMに取り込むことで、週単位のまとめ=「週刊パーソナルポッドキャスト」を生成する、という新しい試みを始めました。
“毎日の発信”が“週次レビュー”に進化する
音声配信は習慣化しているとはいえ、ブログ記事にまとめるには時間と手間がかかります。ですがNotebookLMを活用すれば、1週間分の内容を要約し、振り返りやすく、また他人にも共有しやすい形式で整えてくれます。
これ、実現するとどうなるか?
たとえば、日曜日や月曜日に「今週のまとめ」としてリスナーに発信すれば、毎日チェックできない人でも要点だけをキャッチアップできます。「近森が今週、何を語ったのか?」が一発でわかる。そんな体験を提供できるわけです。
しかも、このまとめ自体が私自身にとっての“内省”や“思考整理”の材料になります。これはまさに、「音声配信 × AIによる要約」というデジタル時代ならではの自己成長サイクルです。
事例: NotebookLM × ChatGPT × 音声配信の融合
私の実践方法はこうです。
- 毎朝の音声配信(ビデオ)をSpotifyポッドキャストで公開
(Spotifyでは文字起こし機能が付いています) - その音声内容をChatGPTのGPTsでリライト記事をnoteへ投稿
(この段階でサムネイル画像をCanvaで、また挿入画像はAIで) - note記事で作成した記事を当社ブログへ投稿
- 1週間分のnote記事をNotebookLMへ投入
- NotebookLMでサマリーを音声要約し音源を取得
- 「週刊ポッドキャスト」としてSpotifyで再発信!
このプロセスにより、情報の蓄積だけでなく“意味づけ”が生まれました。AIがただのメモやログを、価値あるナレッジコンテンツに昇華してくれるのです。
AIで“マインドチェンジ”を起こす
この仕組みの本質は、単なる自動化ではありません。
私たちは日々、多くのインプットとアウトプットを行っていますが、それを「体系化」し、「他者と共有できる知」に昇華するには、一定のスキルと仕組みが必要です。NotebookLMのような生成AIツールを使えば、このハードルが一気に下がります。
そしてそれは、個人のマインドセットを変える力を持っています。
「毎日発信する」→「記録を残す」→「振り返る」→「再発信する」
これらの行動をAIと一緒に続けることで、自然と“思考の筋トレ”ができる。これはリスキリングの一環でもあります。生成AI時代における「思考の補助輪」として、NotebookLMは非常に有効なのです。
生成AI時代の“自分DX”を習慣化する
DX(デジタル・トランスフォーメーション)というと企業や組織の取り組みをイメージしがちですが、私は「個人のDX=自分トランスフォーメーション」も重要だと思っています。
そのための第一歩が、毎日の発信習慣 × 生成AIによる整理です。NotebookLMはまさに“自分用のAGI(汎用人工知能)への入り口”のような存在。近い将来、こういったツールがパーソナルASI(超知性AI)へ進化することもあり得ます。
だからこそ、今のうちにAIと共に思考を積み重ねる習慣をつけることが、スキルセットの変革——すなわち「スキルチェンジ」に繋がるのです。
事例: NotebookLM週次配信を企画してみたら
私はこの仕組みを“実験”ではなく“提案”として進めています。実際、NotebookLMで1週間分のコンテンツを要約し、「日曜の番外編」として配信すれば、リスナーにも有益ですし、自分自身の棚卸しにもなります。
また、これを続ければ「月間まとめ」「四半期ごとの気づき」など、より長期的な自己レビューにも展開できます。人間の記憶は曖昧ですが、AIは忘れません。 だからこそ、蓄積した記録を再利用し、未来の自分に価値を提供できるのです。
AI習慣化で変わるナレッジチェーン
この一連のプロセスを通じて感じたことは、AIによる支援が思考の質を高めるという点です。NotebookLMは「問いかける力」を高めてくれます。自分が発した言葉を“別の視点”で要約されることで、新しい解釈や深掘りが可能になるのです。
つまり、これは「AIと共に書き、考え、育つ」プロセスです。
今までは「喋る→発信」で終わっていたものが、「喋る→テキスト化→要約→再発信→思考整理→習慣化」という循環に変わる。
これはまさに、AI時代の“知の再定義”ではないでしょうか。
ナレッジチェーンとも言える知の営みが個人の成長に、周りとの関係性に大きく影響すると感じています。
まとめ(企画書のネタ):週刊AIパーソナルレビューのススメ
今回紹介したように、「音声配信 × ChatGPT × NotebookLM」を組み合わせることで、自分自身の発信を体系的に整理・再利用することが可能になりました。これはパーソナルな知識管理=“知の資産化”の第一歩です。
私はこのような情報整理と知の連鎖を行っていますが、あなたならどのように連鎖(ナレッジチェーン)を組みますか?
生成AIが進化する時代において、自分のアウトプットを自動で構造化するスキルは、ビジネスパーソンにとって非常に重要な武器になります。ぜひみなさんも、「週刊AIレビュー」を習慣化してみてください。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
ではまた。
www.certpro.jp/dxconsulting/
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【音声配信】
※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
最近ビデオポッドキャストを始めましたので映像でもどうぞ!
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)