
【記事概要】
生成AIが普及した現代、誰もが簡単に「ひとり社長」になれる時代が到来しています。しかし、「社長になること」自体がゴールなのではなく、「社長になって何をしたいか」が本質であると強調します。自身の体験を通じて、外資系企業での雇われ社長や、自ら立ち上げたサートプロでの真の起業経験を語り、「決意」と「目的意識」の重要性を説きます。失敗も経験値に変えられること、生成AIとの壁打ちによる自己の言語化が行動へのステップになることなど、生成AI時代の起業に必要なマインドと現実的視点が語られています。会社員からの転身、副業と起業の違い、生成AIによる支援の可能性など、多角的に「企業」と「起業」の違いを掘り下げた内容です。

【本文】
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/
ひとり社長の時代がやってきた
生成AIの進化により、ひとりで起業することのハードルは大きく下がりました。
SNS上では「ひとり社長」や「ノーコード起業」が注目を集め、多くの若者がフリーランス的な働き方を目指し始めています。もはや、会社を設立し社長になることは、珍しいことでも難しいことでもありません。生成AIを使えば、ロゴもキャッチコピーも、マーケティング戦略も即日で構築可能。数名分の仕事を1人でカバーできる“超人化”が現実のものになっています。
けれど、ここで私が伝えたいのは「社長になることがゴールではない」ということです。
それはあくまでスタート地点にすぎないのです。
「なりたいか」よりも「やりたいか」
私は小学生の頃から「社長になりたい」と思っていました。
それは“何をするか”より“どう見られるか”を重視していた幼い頃の願望でした。
しかし、本当に意味のある社長業とは、自分のビジョンを実現するための手段であり、「自分が何をしたいか」に真剣に向き合うことにあります。
例えば、ミュージシャンになりたいと言うのなら、あなたが「私はミュージシャンです!」って言えばいいだけのこと。
それで「何のために音楽をするの?」がなければ本物にはなれません。
感動を届けたいのか、自己表現をしたいのか、飯を食っていきたいのか。
この「目的」が明確になってこそ、「私なり、社長になる」という肩書きが本当の意味を持つのです。
雇われ社長と自分資本の起業の違い
私はこれまでに複数回、社長を経験しています。
初めての「社長業」は、外資系企業の日本法人の立ち上げ、そして社長就任でした。
ある意味、すでに箱があり、資本があり、仲間もいました。
その時は「日本法人の代表」という肩書きを任されていたにすぎません。いわゆるカントリーマネージャーってやつですね。
そして次は、資格ビジネスのグローバル展開を担うアジア統括会社の社長。これも雇われ社長。でも仕事の内容はグローバルな資格を0から立ち上げ、アメリカの団体と交渉しながら開発、世界同時リリースで試験を開始しました。
しかし本当の意味で「自分の起業」を果たしたのは、今の株式会社サートプロを立ち上げたときでした。
資金も人もリスクも、自分ですべて背負う決断。
これこそが、真の意味での「起業」だと、いま強く思います。
事例: サートプロ設立の原点
40代でのサートプロ起業。
教育ビジネスを通じて「日本のIT人材育成に貢献したい」と思い、自分のお金で自分の意思で立ち上げました。
「ITのスキルを見える化する」ことに本気で向き合い、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定、E検定などを次々に開発。
すべては“やりたいこと”を形にするためのアクションでした。
決意がすべてを変える
起業には不安がつきものです。
会社員として給与をもらっていた身から、「明日のご飯も食べられるか分からない」立場へ飛び込むには、相応の覚悟が必要です。
でもそれを乗り越える原動力は、「決意」以外にありません。
もちろん私の場合は「妻の存在」が大きくありました。
現代の起業にいて、生成AIという“道具”が進化しても、決意までは代行してくれません。
最後に意思を決め、責任を取るのは人間です。
やりたいことがあるなら、まずは「自分で決める」ことが何より大事なのです。
副業と起業の境界線
最近は、会社に勤めながら副業をする人も増えました。
とても良い傾向だと思います。
でも「副業」と「起業」は明確に違います。
副業は“所属の傘の中での活動”であり、最終責任は会社にあります。
一方で起業は“完全に自分の責任”。
自由に見えて、実はすべての失敗も痛みも自分の手に返ってくる世界です。
余談ですが、副業に関して一言お伝えします。
「副業は体力を使うものではなく、知力で働けるものにしましょう。」
経験という最大の資産
若くして起業してうまくいく人も確かにいます。
でも、失敗してしまう人の多くは「経験不足」が原因です。
20代での起業は、エネルギーに満ちています。
けれど、トラブル対応力やリスクマネジメントの引き出しは圧倒的に足りない。
40代になって“腹黒くなる”こと、つまり失敗を「まあ、そんなもんか」と思える力が備わってくるんです。
経験こそが最強のリスクヘッジなのです。
事例: 若き社長が陥った失敗のパターン
私の周りでも、20代で起業して勢いで事業を拡大し、資金繰りで詰まった若者がいます。
生成AIでコンテンツは作れるけど、営業の現場対応や金銭トラブルの処理までは担ってくれません。
最終的に心を病んでしまったという話もあります。
大事なのは、リスクに備える準備と「自分の人生を自分でコントロールする力」です。
生成AIとの“壁打ち”が未来を変える
起業前に絶対にやってほしいことがあります。
それが生成AIとの壁打ちです。
「自分はなぜこれをやりたいのか?」
「これは市場に必要とされるのか?」
「どうやって収益を得るのか?」
これらをAIに問いかけ、返答をもらいながら自分の考えを“言語化”するのです。
あと、人間に相談することも大切ですが
「そんなの、やめたら?」とか言う無神経な言葉には耳を貸さなくて良いです。
言語化とは、自分自身の意思決定を可視化する行為です。
これにより、迷いや曖昧さが削ぎ落とされ、決意が明確になります。
さいごに:生成AI時代の起業で問われるもの
いまは「誰でもひとり社長になれる時代」です。
でも、そこには「何をしたいか」がなければ、成功も継続もありえません。
会社員として企業に所属し、経験を積みながら副業にチャレンジし、
「これは自分のビジョンだ」と言える何かが見つかったら起業する。
これが現代における“堅実な起業ルート”かもしれません。
重要なのは、「時代の武器を活かしつつ、自分の内なる決意で勝負する」こと。
そうすれば、生成AIという最強の仲間を得ながら、自分だけのビジョンを実現することができるでしょう。
まとめ(企画書のネタ):生成AI時代の“やりたいこと”起業
・「社長になる」より「何をするか」が重要
・生成AIで1人何役もこなせる時代に突入
・副業と起業の違いは“責任の所在”にある
・“やりたいこと”の明確化には壁打ちが最適
・最も重要なのは「決意」
さいごに
いかがでしたでしょうか?
すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
ではまた。
www.certpro.jp/dxconsulting/
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【音声配信】
※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
最近ビデオポッドキャストを始めましたので映像でもどうぞ!
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)