
【記事概要】
生成AIの進化が止まらない中、Googleの「NotebookLM」を使った音声要約機能にスポットを当て、近森満とアシスタントの堀内隆がその活用実例を実演形式で紹介。本エピソードでは、NotebookLMが提供する三大機能(Web検索提案・マインドマップ生成・音声概要)を解説しつつ、実際にDX企画書のネタ帳を同ツールに読み込ませて生成されたラジオ風音声を公開。その精度や応用可能性についても考察を深めている。また、このAI機能によって「本を読む」という行為自体の概念が変わるのではという仮説を提示し、情報との新しい付き合い方を提案する一方、近森氏自身の読書苦手エピソードなども交え、視聴者に親しみやすく紹介。AI活用による情報処理の変革と、そこに人間がどう向き合うべきかが本テーマである。
※近森満と堀内崇氏の対談
【本文】
実演!話題のNotebookLMでこの番組をしゃべらせてみた(前編)
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
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NotebookLMって何者?
話題のAIツール「NotebookLM」登場。その本質とは?
Googleが提供する生成AIの新サービス「NotebookLM」は、まるで自分専属の“情報整理コンサル”のような存在です。堀内さんとの掛け合いでも紹介した通り、このツールの魅力は「資料を読んで、まとめて、語ってくれる」点にあります。
機能は大きく分けて3つ。まず1つ目はWeb検索提案機能。アップロードした資料に関連するWeb情報を提案してくれます。2つ目がマインドマップ機能。読み込んだ資料を自動で構造化し、視覚的に把握できるようにしてくれます。そして最後が今回の目玉、音声概要機能。資料の内容を要約し、まるでラジオ番組のように男女ペアがナビゲートしてくれるんです。
マインドマップと音声概要の衝撃
“読む”から“話してもらう”時代へ
特に驚くべきは、音声要約のクオリティ。今回は近森自身のNote記事をNotebookLMに読み込ませ、音声化してみました。出てきたのは、まるでプロのナレーターの掛け合いのような流暢な会話。
「こんにちは、・・・です」と始まり、Googleの公式ノートをもとにNotebookLMを解説する会話がテンポよく展開されます。「情報整理を支援するAI」として紹介され、従来のGeminiなどとは異なる“RAG”的な仕組み、つまり指定ソースのみから生成される仕組みに驚かされました。
事例: NotebookLMが生成した「DX活用力」のラジオ音声
実際に使ったのは、近森がNoteに連載していた「人間のAI活用能力」シリーズ第1〜5回をまとめたテキスト。それをNotebookLMにアップロードし、音声化させたところ、要点が整理された対話形式のラジオ番組風コンテンツが生成されました。
しかも、同じAI音声でも近森の声質に近いキャラクターをElevenLabs(AI音声アプリ)で再構成すれば、「近森満(低音)×近森満(高音)」の会話も実現可能。AI技術の進化は、個人ブランドの再定義すら可能にしているのです。
音声化で変わる「読書」の意味
読まない時代の情報習得とは?
NotebookLMの活用は、単なる音声変換にとどまりません。“読む”という行為そのものを再定義してくれる可能性を秘めています。たとえば、二人が参考にした森哲平氏のNote記事では「テキストの読み込み=情報処理」の概念を超えて、「話してもらう」「要約を聞く」という新たな習慣が紹介されていました。
この体験を通じて近森自身も「疲れていると本を読むのがしんどい」という悩みに直面。NotebookLMで音声化して聞くことで、耳からの理解が深まる感覚を強く実感しました。
このように、情報の“視覚的・聴覚的再構成”が、個人の学習スタイルや業務効率にも直結するのです。
RAG的仕組みとセキュアな情報利用
企業にとっても注目すべき“クローズドAI”の可能性
NotebookLMの音声要約やマインドマップ機能の裏には、いわゆる「RAG(Retrieval-Augmented Generation)」の発想があります。つまり、与えられた情報ソース以外からは生成しないという仕組み。
これは企業での活用において非常に重要です。たとえば機密性の高い資料や自社ドキュメントを、外部に情報漏洩させることなくAIで活用するには、クローズド環境でのAI生成が必要になります。
NotebookLMはその実現を“個人レベル”で可能にした初の実践的サービスといえるでしょう。
事例: NotebookLMと企業研修の新たな融合
近森が取り組むDX推進人材教育プログラムでは、今後NotebookLMを社内教育・OJT支援ツールとしての活用も視野に入れています。
社員が研修資料を読み込まずとも、「聞くDX教育」や「マインドマップでの構造理解」が可能となれば、教育のアクセシビリティは一気に高まります。
「読む」文化と「話す」文化の交差点
情報処理の主役は、ついに耳になる
ここで注目すべきは、近森自身が語った「書けない・読めない・でも話せる・聞ける」という特性。文字が苦手でも、音声でなら情報にアクセスできる。まさに、デジタルの民主化といえる瞬間です。
読み書きより“聞く・話す”に強い人が、これまで情報格差の壁を感じていたとすれば、NotebookLMのようなツールはその壁を破壊してくれます。
そしてこれは単なるスキルセットの変化ではなく、マインドセット=学ぶ姿勢の転換をも意味します。
まとめ(企画書のネタ):NotebookLMで広がる音声DX
NotebookLMは単なるツールではなく、“情報の再発見エンジン”である。
DX推進におけるNotebookLM活用の可能性は無限です。たとえば次のような企画書ネタが生まれます。
- 「音声化で変わる社内ナレッジ共有」
- 「読み手依存からの脱却:デジタル耳学問の時代」
- 「社員の学習スタイルを可視化し、最適な教育手法へ」
DXとはテクノロジーだけの話ではなく、人間の思考や行動様式を変革すること。NotebookLMはその変革を、手軽に、しかも体験的に促してくれる強力なパートナーです。
さいごに
情報が溢れる時代において、私たちは「いかに多く読むか」よりも、「どう効率よく理解するか」が問われています。NotebookLMのようなAIが情報を構造化し、音声で届けてくれる時代には、耳で学ぶ文化が主流になるかもしれません。
デジタル時代の読書は、もはや“聞く”ことに進化しました。そんな変化を、まずあなた自身が体験し、社内に広げてみてください。
いかがでしたでしょうか?
すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
ではまた。
www.certpro.jp/dxconsulting/
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【音声配信】
※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
最近ビデオポッドキャストを始めましたので映像でもどうぞ!
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)