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AI失業はもう始まっている?海外の現実と、日本に“その波”が来るタイミングとは

2025年5月20日
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【記事概要】

AI失業はもはや遠い未来の話ではなく、実際に世界各国で現実のものとなりつつあります。本稿では、最新の事例をもとに、SalesforceやDropbox、Microsoftなどのグローバル企業が生成AIの導入によって人員削減に踏み切った経緯を紹介します。Duolingoのように契約社員業務の一部をAIに置き換えるケースや、モルガン・スタンレーによる効率化を目的としたレイオフなど、幅広い実例を挙げながら、AIと雇用の関係を考察します。また、日本においてこの“AI失業の波”がどのような影響を及ぼす可能性があるのか、中小企業の視点や日本の雇用文化に照らして展望しています。AIがもたらす雇用の変化と、それにどう向き合うべきか。超知性AI時代におけるDX推進の観点から、今求められる人材戦略のヒントを提示します。

【本文】

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/

AI失業はもう現実に

「AI失業」、この言葉を聞いてどう感じますか?ちょっと煽りすぎ?いえ、そんなことはありません。すでに海外では、大企業が生成AIの導入によって人員削減に踏み切るケースが相次いでおり、私たちは確実にその“波”の中にいます。

例えば、Salesforceは2025年の新規エンジニア採用を中止する方針を示し、さらに約1,000人の削減を発表。Dropboxは2023年10月にAIの導入を背景に約500人、つまり全従業員の約20%を削減しました。これらの情報は公式IRには現れていないものの、ブルームバーグやロイターといった信頼ある報道機関が伝えています。

Duolingoに至っては「AIファースト」宣言を掲げ、契約社員業務の段階的廃止を進めています。もちろん「全員AIに置き換える」わけではありませんが、その方向性が示されたのは事実です。

世界規模で進行するAIによる再編

さらに、MicrosoftもAIへの投資資金確保の一環として、約7,000人、全体の3%の人員をレイオフする方針を示しました(※公式ブログでは通知済みとはなっていません)。モルガン・スタンレーも効率化を理由に、約2,000人(2.5%)を解雇するという報道がされています。

事例: Salesforce、採用ゼロ宣言

SalesforceのCEO、マーク・ベニオフ氏は、2024年に「今年はエンジニア採用ゼロ」と明言しました。これはAIエージェントによる業務の代替が現実の選択肢として台頭してきたことを意味しています。

プログラマーの雇用が減っている

アメリカでは、特にプログラマーの雇用が著しく減少しています。ブルームバーグの報道によれば、過去2年間で約27.5%の雇用が減少。ソフトウェア開発者など他の業種はほぼ横ばいである一方で、プログラマーだけが顕著に減少しているというのは注目すべきポイントです。

これは、コードの自動生成やGitHub CopilotのようなAIツールが、従来のプログラミング作業の一部を代替可能にしたことが背景にあると考えられます。

日本に来る“その波”

では、日本ではどうなのか。すぐにアメリカのようなAI失業が発生するかと言えば、少し様相が異なります。

たとえば、Microsoft Japanなどの外資系企業の国内法人では一定の影響が予想されますが、日本の大手企業ではまだAIによる雇用代替に慎重な姿勢が見られます。

事例: リクルートHD、Indeedeで1,000人削減

とはいえ動きがないわけではありません。リクルートホールディングスが保有する求人検索エンジン「Indeed」では、2025年5月に約1,000人、全体の8%を削減すると発表しました。

日本の雇用構造とデジタル人材の需給ギャップ

日本では、開発やエンジニアリング部門が海外企業ほど中心に据えられておらず、セールスやマーケティングの領域がメインとなっています。そのため、即座にAIに代替される業務が少ないという現実があります。

また、地方の中小企業や製造業では、今なおDX人材が不足しており、むしろ「人が来てくれたら助かる」状態です。AIで人があぶれるどころか、「人手が足りない」という本音が聞こえてきます。

生成AIはツールか、それとも脅威か

生成AIを「脅威」と捉えるか「ただのツール」と捉えるか。それはその人のマインドセット次第です。

日本では、「人の代替」よりも「業務効率化」「時短」の文脈で語られることが多いです。たとえば営業資料の作成や社内FAQの自動応答など、すでに導入が進んでいる領域ではありますが、それが即“解雇”に直結するわけではありません。

AIを活用するためには、「マインドチェンジ」こそが重要です。

事例: 中小企業のDX推進と人材循環

AIにより雇用が縮小された大企業の人材が、中小企業に流れていくという人材循環が理想です。デジタルに弱い企業にとって、経験豊富な人材が加わることは、何よりのDX推進になります。

キーワード解説:DX推進とデジタル人材

DX(デジタル・トランスフォーメーション)は、単なるIT導入ではなく、業務やビジネスモデルの変革を指します。
それに必要な人材が「デジタル人材」です。
AIやIoT、クラウドなどを活用し、業務改善や新サービスの創出をリードできるスキルセットが求められます。
現在、日本の中小企業ではこのデジタル人材が深刻に不足しています。
リスキリング(学び直し)を通じて、既存社員のスキルチェンジを図ることが急務です。

まとめ(企画書のネタ):超知性AI時代における人材活用戦略

超知性AI(ASI)が登場する前に、私たちが今やるべきことは「人材の再配置」と「リスキリング」です。AIを恐れるのではなく、使いこなす側に回る。生成AIが生む雇用の空白を、いかに新しい価値創造に活かすかが、企業の競争力を左右します。

AIによって仕事を奪われるのではなく、AIと協働しながら成長できるよう、マインドセットの切り替えが求められています。

さいごに

いかがでしたでしょうか?
すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
ではまた。
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【音声配信】

※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
最近ビデオポッドキャストを始めましたので映像でもどうぞ!

【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)

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