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生成AI課金するなら「自分にできないこと」にしろ!自己投資の最適ラインと“賢い外注”の境界線

2025年5月18日
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【記事概要】

生成AIやChatGPTなどの活用が進む中、「課金の最適化」についての考察が本稿の中心テーマです。「自分にできることに課金するのは負けだが、自分にできないことに課金しないのはもっと負けだ」という逆説的な主張を軸に、生成AIの賢い活用法、自己投資としての価値、時間とお金のバランスの重要性が語られています。特に「時給換算」という視点から、月額数千円の課金がもたらすリターンの大きさに着目し、近森氏自身が苦手だった「書くこと=文才」を生成AIで補完した体験談が紹介されます。また、企業や個人にとって「やるべきこと」「任せるべきこと」の判断基準として、スキルセットの見極めやコスパ視点が語られ、最終的には自己成長への投資の必要性が強調されます。本記事は、DX時代を生き抜くための“課金思考”と“投資マインド”の実践的な指南書となっています。

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【本文】

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/

生成AI活用、「課金」の境界線はどこか

自分でできることに課金するのは負けだ。けれど、自分でできないことに課金しないのは、もっと負けだ。

これは、私が最近考える「生成AI活用」における新しい価値判断の軸です。ちょっと矛盾して聞こえるかもしれませんが、これは「自分のスキルと時間の価値をどう認識するか」という話なんですね。

たとえば、自分が苦手な作業を無理してやるより、それが得意な人やAIに任せた方が、全体としての生産性は圧倒的に上がります。これを「比較優位の法則」と言います。

逆に、自分でできることばかりにこだわり、それに必要以上に時間をかけてしまうと、他にもっと成果の出せることへのリソースを削ってしまう可能性すらあります。

生成AIが普及し始めた今、重要なのは「何を自分でやるべきで、何を外部に任せるべきか」の判断軸です。そしてその指針が「課金すべきかどうか」の分かれ道になります。

「課金」は自分の時給から考える

私がChatGPTの課金を本格的に始めたのは、自分の「時給価値」に気づいたからです。

ChatGPTやClaude、Geminiといった生成AIのサブスクリプションは、1ヶ月あたり約3,000円。1日あたりに換算すると、たったの100円です。この100円で、あなたが30分〜1時間節約できるなら、その1時間は時給いくらの価値がありますか?

仮にあなたの時給が3,000円だとすれば、たった1時間の節約でサブスク代は元が取れる。時給が6,000円なら、たった30分で十分に「元を取った」ことになります。

このように時間価値を金額換算することで、「課金する/しない」の判断が明確になるのです。

生成AIが私の「文才」を変えた

私はもともと「話すのは得意だが、書くのが苦手」でした。講演やセミナーは好きだけど、ブログやレポートを書くのは本当に苦手だった。だから、ずっと「自分には書けない」とあきらめていたんです。

でも、ChatGPTの登場でそれが変わりました。

自分の音声を文字起こしして、それをベースにChatGPTで構成する。仕上げを自分で手直しする。それだけで、自分の考えが「形」になり、ブログやSNSに載せることができるようになりました。

これがなければ、「近森満」という個人ブランドはインターネット上で可視化されていなかったでしょう。

つまり、自分が不得意なことを補完するための投資=課金は、自分の価値を最大化する手段なのです。

得意・不得意で外注判断するのはもう古い

よく言われる「得意なことは自分で、不得意なことは外注しろ」という考え方、これは半分正しくて、半分不十分です。

なぜなら、現代は「できるけど、時間がかかること」も山ほどあるからです。

例えば、私は助成金の申請書類も、自分で頑張ればできます。でも時間がかかるし、構成を整えたり、要件確認をしたり、何よりチェックが思いの外手間がかかります。ここに生成AIを挟むことで、時間短縮にもなるし、成果物のクオリティも上がる。

丸投げしているわけではありません。
あくまで文章化が苦手な私には最良・最善の選択肢なのです。

さらに言えば、私は短距離型の人間。瞬発力はあるけど、長期戦や地道な作業は苦手。そういう特性を踏まえて、後工程やチェック、リライトは「誰か」や「AI」に任せる方が合理的です。

課金=投資。あなたは自分に投資できてますか?

今の私たちが持っているスキルや知識は、過去に誰かが時間やお金を使ってくれた「投資の結果」です。

親が学校に通わせてくれた。企業が研修を受けさせてくれた。自分で資格を取るために勉強した。

すべて、「未来の自分に対しての投資」です。

だから、未来の成果を得たいなら「今」投資をしないといけない。しかも、「お金を節約する」ことだけが目的ではない。

「どこに」「どう投資するか」を考え、自分の成長可能性を信じて、お金の使い方を学ぶべき時代なんです。

キーワード解説:スキルセット・スキルチェンジ・リスキリング

  • スキルセットとは、ある仕事や役割を果たすために必要なスキルの組み合わせのこと。現代では技術スキルだけでなく、AIリテラシーやコミュニケーション能力なども含まれます。
  • スキルチェンジは、既存のスキルを別領域に転用・応用する力。これは特にDX時代に求められる柔軟性であり、職業寿命を延ばすカギです。
  • リスキリングとは、新しいスキルを習得して再度学び直すこと。生成AIなどの技術進化に対応するため、すべての社会人が「学び直し」を求められる時代に突入しています。

組織にも課金マインドが必要な時代

この課金思考は、個人だけでなく組織にとっても重要です。

私は自社のメンバーにもChatGPTなどの生成AIを積極的に使ってもらっています。希望者には課金もOK。

生成AIの利用管理はどうしていますか?
「どう使って、どう成果に繋がったかはしっかり確認する」なんて野暮なことは一切いたしません。過去、文字を調べるのに辞書を使っていた人に辞書を支給したのだから用途や使用頻度を提出して、とは言わないですよね。それこそ時間の無駄というものです。

結果、一人当たりの生産性は1.5倍、案件対応力は2倍になったと感じています。

もし経営者が「課金してる?してない?」なんて話をしてる段階であれば、それ自体がもうリスク。他社がオールインしてるなら、自分の会社だけ昭和のままでは生き残れないんです。

「できないこと」に課金できる人が、未来を変える

ChatGPT、Claude、Geminiなどの生成AIは、課金しないとその「真価」が分からない世界です。

表面的な無料ツールとして見ていては、そのポテンシャルは掴めません。

本当に大事なのは、「自分が苦手なこと」や「時間がかかること」にお金を投じられるかです。そこにこそ、自己成長の余白があるのですから。

私自身、文才が無いと公言し続けてきました。けれど、今では週に何本もブログを発信できるようになりました。すべては、「3000円の課金」から始まった変化です。

キーワード解説:超知性リテラシー

超知性リテラシーとは、AGI(汎用人工知能)やASI(超知能)が登場する未来に向け、人間が持つべき認知能力・倫理判断・情報活用力のことです。AIと共存するためには、技術だけでなく「AIをどう使いこなすか」「どこに依存し、どこに制限するか」といった視点が必要になります。

まとめ(企画書のネタ):AI課金は「判断力の可視化」

AIに課金するかどうかは、結局のところ「自己判断力」の可視化です。

何ができて、何ができないのか。その線引きをして、「じゃあどこを補完するのか」「どこは任せるのか」を自分で決める力。

これは単なる節約ではなく、未来に向けた最短距離を取るための投資判断です。

生成AIは、あなたを二人にする道具でも、あなたの代わりになる機械でもありません。あなたの可能性を、もう一段上げてくれる「スキルブースター」なんです。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
ではまた。
www.certpro.jp/dxconsulting/

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【音声配信】

※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
最近ビデオポッドキャストを始めましたので映像でもどうぞ!

【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)

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