
目次
- 音声コンテンツの限界を超える
- ビデオ配信がもたらす“レコメンド経済”の恩恵
- 数字が物語る変化
- コンテンツ準備の工夫と生成AIの力
- 外部連携によるシナジー
- 音声・ビデオ配信に必要な“マインドチェンジ”
- まとめ
【記事概要】
音声配信の世界において「ビデオポッドキャスト」という新たな表現手法が台頭し、特にSpotifyが提供するビデオ機能が注目されています。
本記事では、IT教育サービスを展開する近森満が、自らのポッドキャスト「DX企画書のネタ帳」を音声配信からビデオポッドキャストへと進化させた背景とその効果について、率直に語ります。ビデオ化により視聴数が倍増し、視覚情報の強さや推薦アルゴリズムによる露出の増加、本noteとの連携による流入など、デジタルコンテンツの拡張可能性が明らかになりました。
また、生成AIを活用したコンテンツ準備や、後工程の工夫、継続のための実践的マインドセットにも言及し、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の時代にふさわしい新しい情報発信のかたちを示しています。この記事では、その体験をDX推進に取り組む人々への気づきと行動のヒントとして提供します。
【著者情報】
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/
音声コンテンツの限界を超える
ビデオポッドキャストへの挑戦
ある日ふと、「音声だけのコンテンツって、どこまで届いているのだろう?」と考えるようになりました。
日々配信しているポッドキャスト「DX企画書のネタ帳」は、多くの方に聴いていただいているとはいえ、視覚情報がない分、視認性やレコメンドされる機会には限界がある。
そんな中、Spotifyが“ビデオポッドキャスト対応”になったという情報をキャッチ。
「これはもう、やるしかない」と、2025年3月19日からビデオ配信を開始しました。
もちろん最初は不安もありました。
「準備大変じゃない?」
「収録時間、倍になるんじゃない?」
「編集に苦しむのでは?」…
…でも実際やってみると、意外に音声配信と変わらない負担感で、効果は倍以上でした。

ビデオ配信がもたらす“レコメンド経済”の恩恵
Spotifyは音楽プラットフォームのイメージが強いですが、いまやポッドキャスト配信者にとっても強力な武器です。
特にビデオ対応後の変化として大きかったのが「レコメンド表示されやすくなった」こと。
Spotify内で他のポッドキャストやビデオを見ているユーザーに対して、私の配信が視覚的に表示されることで、「ちょっと見てみようかな」とクリックしてもらえる回数が格段に増えたのです。(のだと思います)
音声だけのときは、目に見えないのでレコメンド効果が薄かった。
YouTubeのように“次の動画はこちら”といった流れがないので、「聴かれる」にはリスナーの能動的な検索が必要だった。
でもビジュアルが入るだけで、システムに“発見”されやすくなる。これは配信者として革命的です。
数字が物語る変化
再生回数が倍増した理由とは?
では、実際にどれほど変わったのか?
ビデオ化前は、平均再生回数が「50〜60回」。
多くても「100回」程度が限界でした。

それがビデオ配信後は平均70〜80回、多いときには100回超え。
週によっては平均で100回を超えることもあるという大きな変化が生まれました。
これは、私自身が特別な広告やマーケティングをしたわけでもなく、Spotifyというプラットフォームの仕様変化と、コンテンツの形態変更が生んだ成果なんです。
事例: 音声だけでは届かなかった新規層へ
Spotifyの“再生数ダッシュボード”を見て驚いたのが、新規リスナー数の増加です。
とくにビデオ配信を始めた週は、新規フォロワーが一気に増え、200名を突破。
現在では220〜230名規模の登録者が定着し、ファンコミュニティの広がりを実感しています。
一見地味な数字かもしれませんが、ニッチなDX領域、生成AI、技術教育のようなテーマでこれは驚異的です。
Spotify以外に追えてない数字もある
SpotifyのPodcastはもともとRSS配信で他のプラットフォームでも聴いてもらえます。
Spotify(ビデオ): spoti.fi/3KeWwEc
Apple (音声): apple.co/3IPgkhf
Amazon (音声): amzn.to/3tuFWtv
YouTube(音声): www.youtube.com/@DX_chikamori
このSpotify以外のプラットフォームはSpotify内では計測ができていないのです。
事実、YoutTubeのチャンネル登録者数は「86」あり、改めてYouTubeプラットフォームの大きさを知ることになります。

このようにPodcastの魅力は1次ソースが多方面の方へも届いている可能性を広げていきます。
コンテンツ準備の工夫と生成AIの力
さて、ここで気になるのが「準備と手間」の話。
結論から言うと、音声配信と大差なし!
ポイントは、「ネタの事前準備を生成AIと壁打ちしておくこと」。
私は普段からChatGPTなどの生成AIとネタ出しをしています。
このやり方を使えば、事前に伝えたいキーワードや構成を可視化できるので、収録時に台本を用意しなくても自然に話せるんです。
編集も、最小限のトリミングとエンコード処理だけ。
収録〜配信まで30〜40分で完了します。
これは、効率化された「DX発信モデル」と言ってもいいでしょう。
外部連携によるシナジー
noteとのクロス配信
ビデオポッドキャスト化と並行して、note記事との連携も強化しました。
私のブログ記事はすべて生成AIと共同制作しており、Spotifyリンクを埋め込んで相互導線を設置。
その結果、note経由の視聴者流入が目に見えて増えたんです。
noteは最近、Googleと提携しSEOが強化されているので、生成AI×DXというキーワードで検索されやすくなり、可視性の相乗効果が出ている状態です。
事例: note記事経由の新規リスナー獲得
noteで記事を読んだ方から、「この記事で紹介されていたSpotify配信、実際に聞きました」とコメントをもらったことがあります。
さらには「生成AIがアイデアの足場を作ってくれる」という表現が響いたとフィードバックも。
コンテンツの一貫性とクロスチャネル運用が、新しいリスナーを呼び込む原動力になっています。
音声・ビデオ配信に必要な“マインドチェンジ”
新しいことを始めるとき、最大の障壁は「心理的ハードル」です。
でも、私が一貫して伝えたいのは、完璧を求めるより“継続”が大切ということ。
ビデオにしようが、音声だけにしようが、一歩踏み出すマインドセットの方がよほど重要です。
編集に時間がかかるなら、最低限にすればいい。
内容がまとまらないなら、生成AIに頼ればいい。
失敗を恐れず、まずやってみる。
これがまさに、DXの第一歩であり、個人のリスキリングでもあります。
まとめ
ビデオポッドキャストが示すDX推進の道筋
今回のテーマから導かれる企画書ネタは、「視覚情報を活かした情報発信のDXモデル」です。
具体的には、
・Spotifyなどのビジュアル対応プラットフォームの活用
・コンテンツ生成における生成AIの併用
・noteなど外部チャネルとのクロス配信連携
・レコメンドアルゴリズムを味方につけた戦略設計
これらをまとめて一つのDX施策として提案することができます。
とくに広報・PR・ブランディング部門と人材育成部門との連携によるデジタル発信体制は、今後の組織運営に欠かせません。
いかがでしたでしょうか?
音声配信だけで満足せず、ビジュアル化、外部連携、AI活用といった施策を掛け合わせることで、情報発信の“DX”が加速する実感を得られました。
大切なのは、「楽しみながらやること」。
そして、「発信を止めないこと」。
本記事が皆さまの気づきにつながれば幸いです。
IT・DX教育サービスについてお悩みがある方は、ぜひ初回無料のオンラインコンサルティングをご利用ください。必ずお役に立ちます。
www.certpro.jp/dxconsulting/
生成AI導入を検討させている方は、こちらもご覧ください。
セキュリティから活用方法まで、サポートさせていただきます。
certpro-generationaiservice.sfsite.me/
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社代表(コンテンツ制作)
・経済産業省地方版IoT推進ラボビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省地域DX推進ラボビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合設立理事(DX推進)
・一般社団法人サステナブルビジネス機構幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
DX企画書のネタ帳をはじめた人「DXの鍛え方 伝道師」とは?「DXの道を切り開く伝道師、その人物と使命に迫る」【近森満:自己紹介:2024年版】|#DX企画書のネタ帳