
【記事概要】
Googleが提供する生成AIツール「NotebookLM」が、ついに日本語での音声要約機能に対応した。近森満自身が実際に試してみたこの機能は、自身の音声配信やブログテキストを読み込ませるだけで、要約文の生成、マインドマップ化、さらには音声形式による出力まで可能にしている。特筆すべきは、AIとの対話形式でテキストを解説させたり、小学生でも理解できるような簡易要約を生成できる点。従来の「読んで、理解して、まとめる」という工程が、一気に自動化され、個人の思考やアイデアがより直感的に形にできるようになったことを示す。さらに、生成されたコンテンツをPodcastなどに展開することで、自らの知識発信やブランディングにもつなげられると力説する。
「創造の民主化」「アウトプット革命」とも表現されるこのAI活用は、まさにAGI時代の先駆けであり、誰もがディレクターとして活躍できる未来の働き方を示唆している。DX推進担当者や教育関係者にとっても、日常業務にすぐ活かせるヒントが詰まった実践的なレポートとなっている。
目次
- 【本文】
- NotebookLMとは何か?
- AIによる読み上げ要約のインパクト
- 事例: 音声要約によるブログのポッドキャスト化
- 小学生にもわかるDX:プロンプトの魔法
- マインドマップで全体像を“見える化”
- 事例: NotebookLMでのマインドマップ活用
- NotebookLMが示す未来:創造の民主化とアウトプット革命
- NotebookLM活用のポイントと注意点
- まとめ(企画書のネタ):生成AIで「1億総ディレクター時代」へ
- さいごに
- 【音声配信】
- 【著者紹介】
【本文】
【NotebookLMが日本語対応!音声要約とマインドマップを活用したDX時代の超実践レポート】
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/
NotebookLMとは何か?
Googleが提供するAIツール「NotebookLM」は、自分がアップロードしたドキュメント群をベースに、要約・分析・記事生成などを自動で行ってくれる生成AIプラットフォームです。これまで英語のみ対応だった音声要約機能が、ついに日本語に対応し始めたことを受け、私も早速実践投入してみました。
従来の生成AIツールは、プロンプトに入力してテキストを出力する「一問一答型」でしたが、NotebookLMは異なります。複数のソース(Word、Excel、PDF、ウェブリンクなど)をまとめてアップロードし、それらをもとに文脈を理解した上で、会話形式での出力や要約の提示が可能です。
NotebookLM の音声概要が日本語を含む 50 以上の言語で利用可能に
特に注目すべきは音声での要約読み上げ機能。これはテキストを読み上げるだけでなく、会話形式で解説し、場合によっては「ポッドキャスト風」に仕上げてくれる点で非常に実用的です。
AIによる読み上げ要約のインパクト
今回のアップデートの目玉である「日本語音声要約」では、例えば自分が書いたブログ記事をまるごと読み込ませ、AIが要点を会話形式で解説しながら読み上げてくれます。
私の音声配信を例にすると、以下のような流れで処理できます。
- ブログ記事や配信台本をNotebookLMにアップロード
- AIが自動で文章を解析し、トピックごとの概要を生成
- 内容を「ポッドキャスト風」の対話スタイルに変換
- AI音声が自動で朗読、wav音声ファイルとして出力
これがたった数分でできてしまう。まさにアウトプット革命です。
↓これが出来あがった音声データです。
しかもこのAI音声、単なる読み上げではありません。自然なイントネーションと抑揚で、AIとは思えないリアルな仕上がり。私の実践例では、仮想の登場人物「ジェニファーさん(女性)」と「ジピタくん(男性)」が私の代わりに対話してくれて、非常に聞きやすく、面白い内容になっていました。
しかしながらハルシネーションも多少ありますがそれは個性ということで。
友人からのコメント:

事例: 音声要約によるブログのポッドキャスト化
例えば「人間の思考にテクノロジーが追いついた日」という私のブログ記事を読み込ませたところ、AIはそれを「創造の民主化」と「AIによるアウトプット革命」という2つの柱で見事にまとめあげてくれました。
↓これが出来あがった音声データです。
そのうえでジェニファーさんとジピタくんという仮想人物による対話形式で、まるでNHKの教育番組のようなわかりやすいトーンで語られていくのです。実際にPodcastとして配信すれば、十分に「聴く学び」のコンテンツとして通用するレベルでした。
小学生にもわかるDX:プロンプトの魔法
NotebookLMのもう一つの魅力は「プロンプトへの柔軟な対応力」。
「この内容を小学生にも分かるように要約して」と指示すると、まるで国語の先生のように優しく解説してくれます。
実際、次のように生成してくれました。
たとえば、こんな経験はありませんか?
•サッカーで、プロの選手みたいにかっこいいフェイントをしたい!と頭では思い描いているけど、体が言うことを聞かなくてうまくできない1…。
•作文で、頭の中には書きたいことがたくさんあるのに、どう言葉にすればいいかわからなくて書くのが難しい。
•絵を描きたいけど、思った通りの線を書いたり色を塗ったりするのが難しい。
•工作で、作りたいものは決まっているのに、道具の使い方や作り方がわからなくて困ってしまう。
•パソコンで資料を作りたいけど、やり方が複雑で時間がかかっちゃう1…。これらが、「頭で考えたこと」と「実際にできること」の間の「差」、つまり**「ギャップ」**です1…。これまで、このギャップをなくすには、一生懸命練習したり、たくさんのことを勉強したり、専門の人にお願いしたりする必要がありました1…。
ところが、**「生成AI」**という新しい技術が出てきたことで、このギャップがびっくりするくらい小さくなったんです1…。
これら小学生でもわかるように、例え話とともに説明してくれるんですね。これ、教育現場でも十分に活用できるでしょう。
マインドマップで全体像を“見える化”
NotebookLMでは、アップロードされたドキュメントから自動でマインドマップを生成する機能も搭載されています。
このマインドマップは、単なる見た目だけでなく、構造化された知識のナビゲーションとして非常に使いやすい。
例えば、私が取り上げたテーマ「思考と現実のギャップを埋める生成AIの役割」に対して、以下のように分類されました:
- テーマA:AIによる創造の民主化
- テーマB:構想からアウトプットまでの自動化
- テーマC:個性を活かすプロンプト指示法
一つ一つがノードになっていて、そこから関連情報へジャンプできる。これは、今後の教育設計やビジネス企画においても非常に有効な知識可視化ツールです。
事例: NotebookLMでのマインドマップ活用
近森が音声配信の台本として使用していた「超知性時代の思考整理法」というブログ記事を読み込ませたところ、NotebookLMはその内容を4つのカテゴリに分類し、全体を1枚絵で表現するマインドマップに変換。

その結果、記事の全体像を視覚的に把握できただけでなく、さらに深掘りすべきポイントまで提案してくれました。
NotebookLMが示す未来:創造の民主化とアウトプット革命
このツールがもたらすものは、単なる利便性ではありません。
- 誰でもプロ並みのアウトプットが可能になる
- 教育、ビジネス、コンテンツ制作に革命的変化が訪れる
- 個人が持つ「構想力」を即座に「創造力」に変換できる
まさにこれは「創造の民主化」と言えます。
従来ならライター、編集者、ナレーターが必要だった作業が、すべて一人で可能になり、それもわずか数クリックで。
この意味で、NotebookLMはアウトプットの武器であり、DX人材に必須のツールとなるでしょう。
NotebookLM活用のポイントと注意点
とはいえ、万能ではありません。いくつかの注意点もあります。
- 音声ファイルは現在、wav音声のみ対応で、mpeg4は非対応
- 名前の誤認識やハルシネーション(誤情報)が発生する場合あり
- 会話やドキュメントは明示的に保存しないと消えてしまう
このように、まだまだβ版的な要素もありますが、それを補って余りあるほどの進化を遂げています。
まとめ(企画書のネタ):生成AIで「1億総ディレクター時代」へ
NotebookLMのような生成AIの普及により、私たちは「誰でもディレクターになれる時代」を迎えています。
つまり、自分の思考を形にし、音声やテキスト、視覚化されたコンテンツとしてアウトプットする能力が、職種や業界を問わず求められるようになります。
DX推進人材のスキルセットにおいても、「読み解く力」から「伝える力」への転換が求められている今、このNotebookLMは、極めて実践的な教育ツールであり、ビジネスツールであると断言できます。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
ではまた。
www.certpro.jp/dxconsulting/
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【音声配信】
※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
最近ビデオポッドキャストを始めましたので映像でもどうぞ!
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社代表(コンテンツ制作)
・経済産業省地方版IoT推進ラボビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省地域DX推進ラボビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合設立理事(DX推進)
・一般社団法人サステナブルビジネス機構幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)