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DXの次はMX(マインドトランスフォーメーション)だ〜デジタル時代に本当に変わるべきは人間の意識だった〜

2025年4月29日
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【記事概要】

「DXの次に来るもの」として提唱された「MX(マインドトランスフォーメーション)」は、デジタルツールによる変革の限界を超え、人間の“意識”に着目した新しい概念です。本記事では、生成AIやパンデミックを契機に求められるマインドセットの転換を背景に、テクノロジー主導の変革だけでは不十分であり、人間の無意識的なバイアスを超えて「自分を変えること」が真の変革を生む鍵であると強調します。DXがうまく進まなかった要因のひとつに「意識の変化の欠如」があり、それを乗り越えるには、変化を楽しみ、小さな挑戦を歓迎し、完璧を求めず失敗から学ぶという三つのマインドチェンジが重要であると述べています。変革の主役はツールではなく人間自身であり、その変化の第一歩は「自分のマインドを変えること」なのです。

目次

  • DX社会の“その先”を考える
  • デジタルの限界が導く「意識」の重要性
  • MX(Mind Transformation)とは何か
  • 意識変革を阻む“最大の敵”は自分自身
  • 技術だけでは社会は変わらない:オーガニゼーショナル・カルチャー・チェンジ
  • 生成AIやAGIの時代、求められるのは“人間力”
  • 今すぐできる3つのマインドチェンジ
  • 超知性リテラシーとしての「マインドトランスフォーメーション」
  • まとめ(企画書のネタ):MX(マインドトランスフォーメーション)という新しい人材戦略
  • さいごに
  • 贈る言葉
  • 【音声配信】
  • 【著者紹介】

【本文】

DXの次に来る本当の変革、それは「人間の意識」を変えること。マインドトランスフォーメーション(MX)の時代が始まる。

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/

DX社会の“その先”を考える

2020年代に入り、世界は劇的な変化を経験しました。新型コロナウイルスの感染拡大、リモートワークの普及、そして生成AI(Generative AI)の台頭。これらの出来事は、私たちの生活や仕事の前提を大きく揺るがしました。

特にDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進は、日本中の企業で叫ばれてきましたが、「ITを導入すればOK=DX」になってしまっている現場も多く見受けられます。実際には、テクノロジーの導入だけでは本当の変化は起きないという事実が明らかになりつつあります。

では、本当の変化とは何か?

それが、「マインドトランスフォーメーション(MX)」=意識の変革なのです。

デジタルの限界が導く「意識」の重要性

デジタル化が進む中で、私たちは「変化にどう向き合うか」という“人間の意識”の限界にも直面しています。どれだけ新しいツールや技術が導入されても、そこに関わる人の思考が変わらなければ、結局は形だけの変化に留まってしまいます。

DXで成果を出す企業には、必ずといってよいほど「意識変革」が先にあります。既存の価値観にとらわれず、新しい発想と行動を歓迎するマインドセットを持っているのです。そこにこそ、MXという新しいキーワードが必要になってきます。

MX(Mind Transformation)とは何か

MXは単なるキャッチコピーではありません。人間のマインドを起点とした変容を指します。従来の

DXが「技術×業務プロセス」

にフォーカスしていたのに対して、

MXは「マインド×価値観×行動」

に焦点を当てます。

特に、DXが成果を挙げられない最大の要因として、
「思い込み」
「変化への恐怖」
「完璧主義」
といった内面的なバリアがあると私は考えています。それらを乗り越えるには、マインドバイアス(無意識の思い込み)を解除するマインドチェンジが不可欠です。

意識変革を阻む“最大の敵”は自分自身

DXが進まない企業でよく見かけるのは、「うちは関係ない」「難しいことは専門家に任せたい」という声です。これはまさに無意識の抵抗であり、「意識が変わらないこと」が変革を阻んでいる真因です。

「自分には関係ない」「デジタルはわからない」――そう感じた瞬間に、思考は停止してしまいます。だからこそ、マインドセット(思考様式)そのものを変える必要があるのです。

技術だけでは社会は変わらない:オーガニゼーショナル・カルチャー・チェンジ

「組織文化変革論」という考え方があります。これは、いくら技術革新を推進しても、それだけでは組織や社会は変わらないという考えに基づいたもので、海外ではOrganizational Culture Changeとして知られています。

この理論では、組織が変わるには「制度・風土・人材」の三つのレイヤーすべてにアプローチする必要があるとされます。中でも最も根幹にあるのが、個々のメンバーのマインドセットなのです。

生成AIやAGIの時代、求められるのは“人間力”

生成AI(Generative AI)、AGI(汎用人工知能)、そして今後登場すると言われているASI(超知性AI)。これらのテクノロジーが急速に進化する時代において、逆説的に人間にしかできない「思考・価値観・共感」の力が重要になると私は確信しています。

MXは、「テクノロジーによる変革の時代」から「人間の意識が変革を導く時代」へのシフトを象徴するものなのです。

今すぐできる3つのマインドチェンジ

では、具体的にどうすれば「マインドトランスフォーメーション」が進むのか? 私からの提案は、以下の3つの行動習慣です。

  1. 変化を楽しむ
    変化は恐れるものではなく、楽しむもの。変化そのものをポジティブに捉えることで、チャレンジに対する心理的抵抗を和らげることができます。
  2. 小さな挑戦を歓迎する
    完璧を目指すより、小さな一歩を踏み出すこと。日常の中で少しずつ違うことを試すだけでも、自分のマインドは変化していきます。
  3. 完璧を求めず、失敗から学ぶ
    失敗は成長の糧。失敗を受け入れ、そこから何を学ぶかに意識を向けることで、挑戦するマインドが育まれます。

超知性リテラシーとしての「マインドトランスフォーメーション」

DXに続く新たなテーマとして注目されているのが、「超知性リテラシー」です。これは、AIと共に働く時代における人間の基本素養を指します。ここでも求められるのは、最新ツールの操作スキルではなく、変化に適応し続けられる柔軟なマインドです。

マインドトランスフォーメーションは、この超知性リテラシーの土台を作るための最も基本的で、かつ本質的なアプローチなのです。

まとめ(企画書のネタ):MX(マインドトランスフォーメーション)という新しい人材戦略

企業が「DXの次」を模索するなかで、MXの視点は極めて有効な企画書のネタになります。特に、以下のようなテーマで展開できます:

  • DXが進まない本当の理由は「意識」だった!
  • MXによる組織文化変革で「変化を楽しむチーム」へ
  • 「失敗歓迎文化」を根付かせるマインド設計の方法

このように、DX→MXへの視点転換を提示することで、経営層の納得を得られる人材戦略・研修提案が可能になるのです。

さいごに

「自分と未来は変えられる」――この言葉を信じて、私たちはまず自分のマインドを変えるところから始めましょう。企業の未来を変えるのは、ツールでもAIでもありません。「人」なのです。

贈る言葉

他人と過去は変えられない
自分と未来は変えられる

カナダの精神科医 エリック・バーンの言葉です。原文は下記の通りです。You cannot change others or the past.
You can change yourself and the future.

いかがでしたでしょうか?
すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
ではまた。
www.certpro.jp/dxconsulting/

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【音声配信】

※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
最近ビデオポッドキャストを始めましたので映像でもどうぞ!

【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者 技術者育成研究会メンバー(組込み)
ET教育フォーラム 合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省 地方版IoT推進ラボビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省 地域DX推進ラボビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁 デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人 サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)

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