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AIエージェントって何が嬉しいの?生成AIやRPAの“延長”じゃない、次世代AIの正体

2025年4月17日
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【記事概要】

生成AIの進化によって誕生した「AIエージェント」は、単なる業務効率化ツールの延長ではなく、次世代の自律的AIシステムとして注目を集めています。本記事では、AIエージェントがなぜ画期的なのか、従来のRPAや生成AIとの違い、そしてその活用にともなうリスクと期待を、筆者である近森満氏の視点から考察します。展示会でのリアルな反応や現場視点の疑問、さらにはAI同士が連携する未来像やセキュリティ課題への懸念まで、等身大の視点で語られた内容を通じ、単なる「AIブーム」では語れない本質的な問いかけを提示します。企業経営者、人材育成担当者、そして技術推進者にとって、「AIエージェントとは何か?」という問いは、単なる技術選定の話ではなく、未来の仕事や責任のあり方を問う重要なテーマであることがわかる構成となっています。

目次

  • 【本文】
  • AIエージェントの正体に迫る
  • 業務効率化の“先”にある新しい可能性
  • 事例: AIが提案書を作る未来
  • AIエージェントがもたらす責任とリスク
  • 事例: フィッシングサイトもAIが作れる時代
  • MCP: モデル・コンテキスト・プロトコルの台頭
  • 解説:説明可能なAI(Explainable AI、XAI)
  • マインドセットと行動のアップデートが求められる
  • 事例: 午後の時間が空いたら?
  • 経営者が問うべき「使うべきか」の視点
  • AI時代の学び方を学ぼう
  • まとめ(企画書のネタ):AIエージェント導入をどう進めるか
  • さいごに
  • 【音声配信】
  • 【著者紹介】

【本文】

AIエージェントとは何か? 生成AIやRPAとどう違うのか?

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/

AIエージェントの正体に迫る

―――AIエージェントって、何がそんなに「すごい」の?―――

最近よく耳にするこの言葉、実はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)や生成AI(Generative AI)の延長線では捉えきれない、新しい時代のAI活用のカタチなんです。

AIエージェントは、目的に応じて自ら計画を立て、行動し、学習し続けることができる自律的なAI。単なるツールではなく「仕事のパートナー」と言える存在になりつつあります。

Attentionを引いたのは、知人のYさんの投稿。彼が参加したAI展示会で目にしたさまざまな「AIエージェント」のブースが示す未来は、すでに目の前に迫っていました。

業務効率化の“先”にある新しい可能性

RPAのように決まった手順を実行するだけではない。生成AIのようにテキストを生成するだけでもない。AIエージェントはそれらを統合・連携し、自律的に判断し、結果を出すところが違うのです。

たとえば、AIエージェントが営業活動を自動化する場合、ただメールを送るだけでなく、顧客のニーズを分析し、最適なタイミングで最適な内容を提案し、フィードバックに基づいて改善するプロセスまで担当します。

つまり、「考えて」「動いて」「改善する」存在。これ、まさに人間と同じようなワークスタイルですよね。

事例: AIが提案書を作る未来

すでに一部では、数千万円〜数億円規模の案件に関する提案書をAIが下書きする事例も出てきています。ここに使われるのが、いくつかのAIエージェントの連携(マルチエージェント構成、Agent to Agent)です。

「Deep Research」で市場分析、別のAIで競合調査、そしてプレゼン資料作成まで自動的に完了。これまで数日かかっていた作業が、数時間で完了する世界が、もう始まっているのです。

AIエージェントがもたらす責任とリスク

とはいえ、すごいからといって「丸投げ」は危険です。例えば、ExcelのファイルをAIが勝手に読み取って、別のファイルに転記する――人間なら「ここ、注意してね」と言えるけど、AIは”指示通りにしか”動かない。

ここに「責任の所在」の問題が出てきます。AIエージェントを使って便利になる一方で、「何かトラブルが起きたとき、誰が責任を取るのか?」という問いは避けて通れません。

そしてそれは、企業経営に直結する大問題です。

事例: フィッシングサイトもAIが作れる時代

実際、悪意ある人間がAIエージェントを使って、わずか数分で本物そっくりのフィッシングサイトを作ることが可能になってきています。

これは企業にとっても脅威です。使い方を誤れば、自社が攻撃対象になるどころか、暴走によって自社が加害者になるリスクすらあるのです。

MCP: モデル・コンテキスト・プロトコルの台頭

Anthropic社が提唱するMCP(Model, Context, Protocol)は、複数の生成AIを有機的に連携させるための「共通言語」のようなもの。AIエージェントが実用化されるには、このような共通プロトコルの整備が不可欠です。

ChatGPTとClaude、GeminiとSlack、NotionやGitHubなどがスムーズに連携できるようになれば、人間が間に立ってコピペする必要がなくなります。

でもその一方で、「このデータ、どこから来たの?」「どのプロセスを経てこの結論に至ったの?」というトレーサビリティの確保がますます重要になってきます。

解説:説明可能なAI(Explainable AI、XAI)

説明可能なAI(Explainable AI、XAI)とは、AIが導き出した結果や判断を、人間が理解できる形で説明できるAIのことです。つまり、AIがなぜその結果を出したのか、そのプロセスを透明化し、人間が納得できる説明を提供できるAIを指します。

マインドセットと行動のアップデートが求められる

「AIが業務を効率化してくれる」その結果、空いた時間に人は何をするか?実際には、空いた時間にまた新しい仕事が放り込まれるのが現実です。

この「本末転倒」を解決するには、技術よりもまず人のマインドチェンジが必要です。時間を空けるために使ったAIが、結果的に自分を追い詰める――そんな未来は避けたいですよね。

AIエージェントを導入するなら、それにどう向き合うかの哲学や倫理、教育が欠かせません。

事例: 午後の時間が空いたら?

生成AIのおかげで午後の作業が30分早く終わった――その時間を「学び」に使うのか、「新しいタスク」に充ててしまうのか?それを決めるのは、会社の文化と個人の意志です。

「働いたら負け」じゃないけれど、AIを味方につけるなら、余白を活かす発想が求められるのです。

経営者が問うべき「使うべきか」の視点

AIエージェントを企業経営に取り入れるとき、重要なのは「それを使えば何が実現できるか」という目的志向の思考です。

・売上が上がるか?
・コストが下がるか?
・トラブルが減るか?
・顧客満足が上がるか?
などなど

これらの視点なくして「導入してみた」は無意味です。

また従業員の気持ちも大事、多様性の時代です。

AI時代の学び方を学ぼう

今後は「学び方を学ぶ」ことが最大の競争力になります。

AIエージェントを正しく使うためには、情報リテラシー・超知性リテラシー・倫理観が必要です。逆に言えば、それを備えた人材こそが次世代のデジタル人材といえるでしょう。

研修講座やeラーニングを通じて、企業はこのような適応力の高い人材を育てる必要があります。

まとめ(企画書のネタ):AIエージェント導入をどう進めるか

AIエージェントは、RPAの延長ではなく、DX戦略の中核を担う存在です。導入を検討する際には、以下の4ステップを押さえるとよいでしょう。

  1. ゴールを明確化する(業務効率化/顧客満足度向上など)
  2. データとプロセスを整理する(どこに何の情報があるか)
  3. リスクと責任の範囲を定義する(管理体制・監査体制)
  4. 小さく試す(PoCから本番展開へ)

これらを踏まえた企画書を作成することで、経営陣を説得するDX企画として成立します。

さいごに

AIエージェントは、決して「勝手に仕事をしてくれる魔法の杖」ではありません。しかし、正しく理解し、責任を持って活用すれば、これまでにないイノベーションの原動力になることは間違いありません。

いかがでしたでしょうか?
すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
ではまた。
www.certpro.jp/dxconsulting/

―――

【音声配信】

※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
最近ビデオポッドキャストを始めましたので映像でもどうぞ!

【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会メンバー(組込み)
ET教育フォーラム合同会社代表(コンテンツ制作)
経済産業省地方版IoT推進ラボビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省地域DX推進ラボビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合設立理事(DX推進)
一般社団法人サステナブルビジネス機構幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)

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