
【記事概要】
新入社員に贈る“ことばの羅針盤”毎日の成長を支える「あかさたなはまやらわ」メソッドとは?
「あかさたなはまやらわ」という五十音を用いた“ことばの羅針盤”メソッドは、新入社員が日々の仕事や人生で大切にすべき心構えや行動指針をユニークに示す成長のフレームワークです。
本記事では、IT教育サービスの専門家・近森満が、自身の豊富な経験をもとに、「あかさたなはまやらわ」という五十音を用いた“ことばの羅針盤”メソッドという10のキーワードを通じて、新入社員へのメッセージを語ります。実際のビジネスシーンや人間関係、メンタルケア、キャリア形成にもつながる深い気づきを提供します。読者の方々、それぞれのグラウンドを持つ責任者にとっても、若手人材の育成や組織内コミュニケーション、リスキリング戦略に活かせる具体的な視点が満載です。
目次
- 【本文】
- 新入社員に届けたい“幸せのレシピ”
- 「あ」歩く:情報は現場にある
- 「か」噛む:遠慮せず、ぶつかり合え
- 「さ」サボる:余白をつくる自己管理
- 「た」食べる:共に食べ、関係を築く
- 「な」和む:安心できる人間関係をつくる
- 「は」話す:対話がすべての出発点
- 「ま」学ぶ:学び続ける人が成長する
- 「や」役立つ:Giveから始まる信頼関係
- 「ら」楽観する:前向きが行動を生む
- 「わ」笑う:笑顔が人を惹きつける
- まとめ(企画書のネタ):ことばの羅針盤で育む「社会人基礎力」
- さいごに
- 【音声配信】
- 【著者紹介】
【本文】
新入社員に贈る“ことばの羅針盤”――毎日の成長を支える「あかさたなはまやらわ」メソッド
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のオンラインによるコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/
新入社員に届けたい“幸せのレシピ”
春の訪れとともに、新たな一歩を踏み出した新入社員の皆さん。社会に出て最初の週末を迎え、少しだけホッとした気持ちになっているのではないでしょうか? そんな皆さんに週末のひとときをあらっと読めて充実させる、今日は“幸せのレシピ”をお届けします。
それは私が社会人として40年近く歩んできた中で見つけた、日々の行動や思考の指針――「あかさたなはまやらわ」の10の言葉に込めた、成長と人間力を高めるためのメソッドです。
このメソッドは、ただの語呂合わせではありません。製造業、IT業、教育業に籍を置き、製造現場、営業、教育、コンサル事業、一担当者から経営者と、さまざまな立場を経験してきた私が実感として学んできた、
「人として、社会人として、大切にすべきこと」
を1文字ずつに込めたものです。
さあ、今日からあなたの心の羅針盤にしてみてください。
「あ」歩く:情報は現場にある
まず「あ」は「歩く」。
これは文字通り、現場に足を運び、自分の目と耳で情報を取りに行く姿勢を指します。
インターネットの時代、検索すれば情報はたくさん出てきます。しかし、そのほとんどは“二次情報”や“加工されたデータ”。リアルな現場にある“生の情報”に勝るものはありません。
たとえば会社で起きたトラブルや課題。その多くはSNSや公式発表では表に出てきません。だからこそ、自ら歩き、関係部署の人に会い、空気を感じ、耳を傾けることで、真の課題やヒントを得ることができるのです。
DX推進においても、現場を知らずして変革などできるはずがありません。情報は待つものではなく、取りに行くもの。このマインドは、どんな職種であれ欠かせない武器になります。
「か」噛む:遠慮せず、ぶつかり合え
「か」は「噛む」。
つまり、議論を恐れず、遠慮せず、時にぶつかり合うことを恐れない勇気です。
会社には、年齢も経験も異なる多様な人が集まっています。だからこそ、自分の考えをぶつけ、相手の意見を聞くことで、新しい気づきが生まれます。
もちろん礼儀は大切です。ですが、言いたいことを飲み込んでばかりでは、いずれ心が疲弊してしまう。「こんなこと言ったら嫌われるかな…」ではなく、「それでも言うべきことは言おう」と考えられる人が、信頼され、成長していくのです。
私自身もかつて何度も「噛みついた」経験があります。そしてそれがきっかけで、信頼を得たことも、後悔したこともあります。でも、行動したからこそ得られた学びが、いまの自分をつくっているのです。
「さ」サボる:余白をつくる自己管理
「さ」は「サボる」。
…と言っても、仕事を放棄するという話ではありません。
ここでいう“サボる”とは、上手に休むこと、適切に余白を作る自己管理能力のことです。
仕事は本気でやるべきもの。でも、本気を出し続けるには、心と体を整える“ゆるめる時間”も必要不可欠です。
たとえば、1時間の作業を30分で終えられたら、その30分を「心を整える時間」として使ってもいい。お茶を飲む、散歩をする、雑談をする――こうした“余白”が、次の集中力や発想力を育みます。
エンジニア人材の育成でも、成果主義とメンタルケアのバランスが求められる今、「上手にサボれる人」は組織においても貴重な存在です。
DX軸で言えば、生成AIを活用することで得られる”時短”や”生産性向上”はまさにそれにあたります。
まわりと同じことをしていても違いは生まれませんね。
「た」食べる:共に食べ、関係を築く
「た」は「食べる」。
実は、食事の時間は関係づくりにおいて非常に有効な手段なのです。
私は「パワーランチ」という言葉が好きで、仕事の合間にお客様やパートナーとランチミーティングを昼食時間で積極的に行ってきました。
ランチを共にすると、不思議と心の距離が縮まる。「あの時のランチ、美味しかったですね」といった記憶は、何年経っても関係のきっかけとして残ります。
食を通じた記憶の共有は、ビジネスにも生きます。共に食べる=共に生きることの象徴であり、良好な人間関係の基盤でもあります。
とは言え、会社にいると昼食代は経費ですか?または夜の時間は残業代がつくのですか?などわからない事は多いと思いますので、先輩や上司に確認をしてみると良いでしょう。これは私の経験談であり、過去実践してきたことでもありますので、必ずしも皆様に温まるとも限りませんのでご自身で判断してください。。
「な」和む:安心できる人間関係をつくる
「な」は「和む」。
仕事の仲間とはいえ、常に緊張していては疲れてしまいます。だからこそ、気を許せる仲間、心を預けられる関係を築くことが大切です。
職場外での会話、趣味の共有、ちょっとした雑談――そういった「和み」の時間が、あなたを支えてくれる“人とのつながり”を育てます。
DX時代の人材戦略では、「心理的安全性」の確保がキーワードになっています。和みの時間は、その第一歩としての“余白”の時間。自分の心を整え、他者と信頼を築くベースになります。
「は」話す:対話がすべての出発点
「は」は「話す」。
ビジネスは対話からすべてが始まります。
テキストチャットもメールも便利ですが、やはり“声”や“対面”のコミュニケーションには敵いません。情報の正確性だけでなく、感情や熱意が伝わるからです。
最近ではSNSやメッセンジャーツールでの会話も増えていますが、それも「話す」ことの一種。
目的は“心と心をつなぐこと”です。
まず自分から話しかけてみましょう。先手必勝とも言います。会話は信頼の第一歩であり、共創の起点です。
「ま」学ぶ:学び続ける人が成長する
「ま」は「学ぶ」。
学生時代の“勉強”と、社会人の“学び”は大きく違います。
社会人の学びは、立場や役割に応じて変化し続けるものです。
新入社員の今は、ビジネスマナーや業務知識。
リーダーになれば、チームビルディングやマネジメント。
部長になれば、経営視点や意思決定スキル。
そして、生成AIやAGIなど新しい技術が台頭する中、学び方そのものもアップデートし続ける必要があるのです。
つまり、「学ぶ」ことは“習慣”であり“ライフスタイル”。一生かけて更新し続けるべき、自分自身の武器です。
「学び方を学ぶ」スキルも大事になっています。
「や」役立つ:Giveから始まる信頼関係
「や」は「役立つ」。
ビジネスの基本はGiveから始まります。
相手の困っていることを察し、手助けをする。
必要な情報を先回りして提供する。
些細なことであっても、相手の助けになることを考える。
この“役立つ精神”があると、不思議と相手も助けてくれるようになるものです。
これが「ギブ&テイク」の本質であり、信頼の構築方法です。
もちろん、過度な自己犠牲はNG。でも、自分のリソースを少しだけシェアする勇気が、信頼関係をつくる第一歩になるのです。
「ら」楽観する:前向きが行動を生む
「ら」は「楽観する」。
困難に直面した時、私たちは不安や恐れにとらわれがちです。
でも、そんなときこそ「なんとかなるさ」と楽観する心が、次の行動を起こす原動力になります。
私自身、若い頃はネガティブ思考に陥りがちでした。でも、「きっと乗り越えられる」「これも経験だ」と思えるようになってから、行動が早くなり、成果にもつながるようになりました。
楽観とは、無責任ではありません。
未来を信じる力であり、自分を信じる勇気です。
楽観する前にストレスが発生する場合があります。そんな時は友人や家族・恋人など、ぺしゃんこになる前に話してみることをお勧めします。
「わ」笑う:笑顔が人を惹きつける
最後に「わ」は「笑う」。
笑顔は最高のコミュニケーションツールです。
笑っている人の周りには、人が集まり、話が生まれ、信頼が生まれます。
かつて私は、会社の仲間と麻雀をしながら一晩中笑い合うこともありました。そんな時間が、信頼と友情を育ててくれました。笑いをつくるための実践の場だったと考えることもできます。今考えるとあの時本当にたくさんのことを学んだと実感しています。皆さんもそれぞれ楽しみを求めていろんなことにチャレンジすると思いますが、友人とのコミニケーションから得られることもたくさんあります。
DXもAIも進化しますが、最後に人と人とをつなぐのは「感情」です。
その感情を開く鍵が「笑顔」です。
まとめ(企画書のネタ):ことばの羅針盤で育む「社会人基礎力」
「あかさたなはまやらわ」メソッドは、社会人としての“心の支え”であり、組織の成長を支える“人材育成の軸”です。
とくにエンジニア人材のマインドセットやキャリアパス支援を考える上で、このような日常の行動・思考習慣を明文化することは重要な教育戦略となります。
この考え方はオープンソースです。近森満が勝手に考えたものですので、どうぞ自由に使っていただければと思います。
人材育成研修や新人教育のコンテンツとして、社内展開してみてはいかがでしょうか。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のオンラインコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
ではまた。
www.certpro.jp/dxconsulting/
あ:歩くこと――現場に足を運び、人や場所との出会いを通じて自ら情報を取りにいこう。
か:噛むこと――遠慮せずディベートし、人に絡み、時に“噛みつく”。失敗も成長の一部。
さ:サボること――やるときは本気で。そのぶん“上手にサボる”ことも覚えると持続力がつく。
た:食べること――ランチや夜の食事は関係づくりの場。食を共にすることで距離が縮まる。
な:和むこと――職場の外でも、気を許せる相手と過ごす「和み」の時間で心に余裕を。
は:話すこと――ビジネスは対話から始まる。積極的に話しかけ、信頼を育てよう。
ま:学ぶこと――常に学び続けよう。新しい環境では「学び方」そのものも更新される。
や:役立つこと――まずは「相手の役に立つこと」から。ギブの精神が人間関係の基盤になる。
ら:楽観すること――困難に直面しても「何とかなるさ」と前向きに。楽観は行動の原動力。
わ:笑うこと――笑顔が人を呼ぶ。自分も周囲も笑わせられる存在になろう。
【音声配信】
※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
最近ビデオポッドキャストを始めましたので映像でもどうぞ!
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定+DX認定)
ET教育フォーラム 合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省 地方版IoT推進ラボビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省 地域DX推進ラボビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁 デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)