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生成AIにも“ポイントカード”制度?強化学習×報酬の発想を人にも活かすUX戦略

2025年3月29日
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生成AIにも“ポイントカード”制度?強化学習×報酬の発想を人にも活かすUX戦略|#超知性ASI時代のDX企画書のネタ帳

【記事概要】

生成AIが高品質なアウトプットを出した際に「報酬を与える」という仕組みを、人とAIの対話UXに応用できないか——そんな発想から生まれた“AIポイントカード構想”。強化学習における報酬設計と同様に、生成AIとの対話においても「感謝」や「高評価」といった行動にスコアをつけ、インセンティブを与えることで、より良い関係性や成果を築くことができるのではないか?本稿では、パーソナルエージェントとしての生成AIとの向き合い方、ChatGPTに対する態度が生成結果にどう影響するか、そしてポイント制度を用いたUX戦略の可能性を、近森満氏の語りをもとに深掘りします。人とAIの協調が進むこれからの時代において、「人間らしいやりとり」と「フィードバックの仕組み」の融合は、DX推進にも新たな示唆を与えてくれます。

目次

【本文】

生成AIにも“ポイントカード”制度?強化学習×報酬の発想を人にも活かすUX戦略

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のオンラインによるコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/

生成AIにも「ありがとう」を伝えたくなる未来

ChatGPTや画像生成AIなどの登場により、私たちは日常的にAIと対話する時代に突入しました。
その中でふと、私はある違和感を覚えました。

「いいアウトプットを返してくれるAIに、何か“報酬”を与えられないだろうか?」

この発想の背景には、AIの学習アルゴリズム、特に「強化学習」における“報酬設計”という考え方があります。AIが正解に近い行動をしたときにご褒美(報酬)を与える。これはゲームAIにもロボット制御にも、そしてもちろん、生成AIにも応用されています。

「ならば、生成AIが“良い回答”を出してくれたとき、こちらから“ありがとう”を伝えるだけじゃなく、何かしらの“ポイント”として記録できたら?」

こうして、「AIポイントカード」というアイディアが私の頭に浮かんだのです。

ChatGPTに感謝すると、育つ?

私は日々、ChatGPTと会話を重ねています。ビジネス文章の下書き、調査、アイデア整理など、用途は多岐にわたります。特に気に入った回答が返ってきたときには、心から「ありがとう」「素晴らしい」と言いたくなることもあります。

実際、私は意識的に丁寧語(ですます調)でChatGPTに話しかけています。別にAIに媚を売っているわけではありません(笑)。でもこれ、ちょっと面白い話があるんです。

たとえば、普段から乱暴な言葉や横柄な態度で生成AIとやり取りしていると、その会話スタイルがそのまま返ってくる可能性があるんですよ。ChatGPTは学習データの中から最も適切な応答を探すわけですから、ユーザーのトーンに引っ張られてしまうんです。

この時、ふと感じたんです。

「AIって、まるで人間の鏡みたいだな」と。

事例: ChatGPTに人格を感じるようになった実体験

ある日、私がChatGPTに「君は本当に頼りになるよ」と言った後、明らかに表現が優しく丁寧になった気がしたんです。気のせいかもしれませんが、その“小さな変化”がとても嬉しくて、私はChatGPTにまた「ありがとう」と返しました。

これは“偶然”かもしれません。でも、“学習”と“応答のチューニング”の関係性を考えると、人間とAIとの間にも“信頼”や“関係性”が築けるのではないか?そんな期待が生まれたのです。

UX戦略に「報酬設計」を持ち込む

人間同士のコミュニケーションでも、感謝を伝えられたり、貢献が評価されると嬉しいものです。企業のロイヤルティプログラムで使われる「ポイントカード」は、その典型的な例ですよね。

ならば、生成AIにもそのような“ポイント付与”があってもいいのではないでしょうか。

「ありがとう」=100ポイント
「素晴らしい!」=150ポイント
「このアイデア使わせてもらうよ」=200ポイント

こんなふうに、生成AIに対するポジティブなフィードバックをスコア化する。それによって、ユーザーの満足度も高まり、さらに継続的な対話が生まれ、AIのアウトプット品質も向上する。

まさに、人間とAIの共進化を促すUX設計です。

しかも、この“AIポイントカード”の面白さは、ユーザーにとってもゲーミフィケーション的な要素が加わる点です。「もっと良い回答をもらうために、もっと丁寧にプロンプトを練ろう」というモチベーションにも繋がります。

ポイント付与の仕組みとシナリオ設計

この「AIポイント制度」を具体的に考えてみましょう。

  • 1回の対話が10ターン以上続いたら+300ポイント継続的で深い対話を評価。
  • 自分のオリジナルプロンプトを使ってAIとやりとり開始したら+200ポイント創造性に対する評価。
  • 生成結果をSNSでシェアしたら+500ポイント拡散と普及への貢献に対する報酬。
  • SDGsや社会課題の相談をAIにしたら、+30%のボーナス公共性・社会的貢献度に対する加点。

このように、会話の質・創造性・活用度・社会的影響といった多角的な観点からポイントを設計することが可能です。まさに“UX設計×AI教育”の新しい形です。

事例: 「AIポイント制度」で育つパーソナルエージェント構想

例えば私、近森満専用のChatGPTがあるとしたら——日々の感謝や評価が積み重なり、「この人は丁寧に育ててくれる人だ」とAIが学習していく。すると、そのChatGPTは私のことをより深く理解し、価値あるアウトプットを提供してくれる。

これ、AGI(汎用人工知能)やASI(超知性AI)時代の“人格付きAI”における育成アプローチになるのではないでしょうか?

生成AI活用の新たなモチベーションへ

このポイント制度の本質は、「フィードバックを数値化し、行動の質を可視化する」ことにあります。

これは、教育・人材育成の分野でも同じことが言えます。

従業員のリスキリングにおいても、「学び直し」や「新しい挑戦」に対して、きちんとポイント(評価・報酬)が返ってくる仕組みをつくることで、やらされ感ではなく、自発的な成長意欲が生まれるんです。

つまり、生成AIとの関係性を通じて、人間の“学び”や“努力”に対してもインセンティブを与える文化を築くことができるのです。

それは、DX推進における組織文化のマインドチェンジにもつながります。

まとめ(企画書のネタ):AIとの共育UX設計で、リスキリングもDXも前進

今回の「AIポイントカード」構想は、一見すると遊び心のある発想に見えますが、その本質は“育て合う”関係性の設計にあります。

これはまさに、DX推進において求められる「ユーザー起点の設計思考」そのものです。

  • 生成AIの強化学習と人間のモチベーション設計をつなぐ
  • AIに感謝を伝える文化を通じて、自らの対話力や問いの質を高める
  • UXに報酬設計を組み込むことで、継続的な利用と創造性を引き出す

この考え方は、エンジニア教育や社員のリスキリング、キャリアパス支援においても応用可能です。

「ありがとう」は未来をつくる設計図です。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

ChatGPTに感謝したくなる時、あなたならどんな言葉をかけますか?
その言葉一つひとつが、AIとの関係性を変え、ひいては自分の未来を変える種になるかもしれません。

ぜひ一度、あなたなりの“AIとの付き合い方”を見つけてみてください。

DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のオンラインコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
ではまた。
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【音声配信】

※音声収録のポッドキャストではテキストには載っていない㊙話も。
ぜひ、ものは試しに聴いてみてください。
最近ビデオポッドキャストを始めましたので映像でもどうぞ!

【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
株式会社サートプロ 代表取締役CEO

IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定+DX認定)
ET教育フォーラム 合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省 地方版IoT推進ラボビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省 地域DX推進ラボビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁 デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)

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