株式会社 サートプロ|IoT*人材育成・スキル可視化と教育支援

サートプロのブログ サートプロのブログ

現代の超自動化?or現代の時空戦争?「AI vs AI」の光と影(前編)

2026年2月18日

【記事概要】

今回のテーマは「AI vs AI」。生成AIが人間の仕事を置き換える…という話は予想できていたけど、日立の“AI同士が会話して最強チームを自動編成する”技術や、AI専用SNS「moltbook」の登場で、「人間が前に立つ前提」が静かに崩れ始めた感覚がある。AIエージェント元年と言われた流れの先で、私たちはAIを“使う”だけでなく、“飼いならす=育てる”側に回らないと、AIに選ばれない時代が来るかもしれない…そんな危機感と希望を、私、近森満とモデレータの堀内崇さんと脱線込みで語り合う。これはSpotify配信をもとにした近森満の思考ログであることも踏まえつつ、AIの光と影、そして人間の立ち位置を整理していく。

画像

【本文】

もう人間は要らない段階が始まった…のか?「AI vs AI」の光と影を、日立の新技術とAI専用SNSから読み解く
こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/

現代の超自動化が静かに始まっている

「生成AI vs 生成AIの光と影」…このタイトルを見た瞬間、正直ちょっと背筋が伸びました。理由は単純です。
AIが人間の仕事を奪う、という話は散々聞いてきました。けれど今回は、もう一段フェーズが違う。

人間がAIを使う。ここまでは当たり前。
その次に来るのが、AIがAIを使う。AIがAIを選ぶ。AIがAI同士で会話して、最適なチームを組む。
これ、言葉だけだとSFなんだけど、現実のニュースとして出てきた。

私は「AIエージェント元年」と言われた流れを、去年の延長線で見ていました。ブラウザ型のエージェントっぽいものが出てきたり、仕事の流れを“丸ごと”やらせる動きが増えたり。
ただ、体感としては「思ったより伸びなかった」「思ったより進化しなかった」という空気もあった。だからこそ、余計に思うんです。

そう、まだ「Day1」なのです。

夜が明ける前が一番暗い…みたいな感じがする。
なんとなく、ここからドカンと来る予感がする。
そして、その矢先に「出してきた」のが、日立の“AI同士が相談して最強の布陣を組む”技術でした。

「私はAIエージェントなので、お答えできません」
「いや、いつからエージェントになったんですか?」、と突っ込む。
こういう脱線が挟まるのが、うちの番組らしいところなんだけど、笑いながらも内心は結構まじめです。

なぜなら、ここから先は、DX推進とかデジタル・トランスフォーメーションの話を超えて、社会の仕事の前提が変わっていく話だから。
デジタル人材のスキルセットやキャリアパスがどうなるか、という話はもちろん、もっと根っこの「マインドセット」「マインドシフト」「マインドチェンジ」…つまりマインド・トランスフォーメーションの話に直結してくる。

日立の「会話ベースAIオーケストレーション」が示す未来

ニュースの要点をつまんで言うとこうです。

複数のAIモデルがいて、それぞれが意見交換・知識交換をする。
人間が司会をするのではなく、AIモデル同士が会話する。
その会話から「相性」や「関係性」を定量化・可視化する。
その結果、目的に合う“AIチーム”を自動で編成する。

これ、言い方を変えると「AIが、AIの人事をやる」みたいなものです。
どのAIにどの役割を振ったら良いか。どの組み合わせが強いか。どの組み合わせが微妙か。
それを人間の経験則で決めるのではなく、AI同士の会話から判断して組む。

記事では、数学や医療分野に特化したモデルと汎用モデルを混ぜた実験で、無作為編成より最大13%高い正答率が出た、さらに専門家が組んだチームに近い性能を示した…という話が出てきます。
この「専門家が組んだチームに近い」という表現が、地味に怖い。

なぜ怖いか。
今までは「AIは優秀でも、最後は人間の采配が必要だよね」という逃げ道があった。
ところが、采配の部分までAIが食い込んできたら、何が残るの?という話になる。

しかも、これの本質は「高精度」というより「省リソース」です。
私はここがめちゃくちゃ重要だと思っています。

仕事って、結局「いかに早く正確に、再現性高く解決するか」じゃないですか。
人間が部長や課長や係長とディスカッションして、「じゃあこの人に任せよう」って決める。
それをAI同士が会話して、最適な布陣を組んで、答えも出してくる。
そうなると、時間もエネルギーも、そして“意思決定のコスト”も激減する。

人間のチーム編成だって、本当は似た話をやっています。
適当に3人集めるより、専門性の高い人を各分野から3人集めたほうが質が上がる。
質が上がれば、やり直しが減る。やり直しが減れば、エネルギーも少なくて済む。
AIに置き換えると、計算資源やメモリの使い方の最適化にもつながっていく。

つまり、会話ベースAIオーケストレーションは「AIの性能を上げる技術」でもあるけど、同時に「AIの運用コストを下げる技術」でもある。
この“コストが下がる”は、普及スピードを一気に引き上げます。ここが本当に現実的にヤバいところです。

そして用途としては、鉄道・エネルギーなどの社会インフラ、製造業、医療分野などが示されています。
この領域は、DX推進の現場でも「ミスが許されない」「判断が重い」「専門性が高い」ゾーン。
だからこそ、AIチームの自動編成は刺さる。逆に言えば、刺さったら導入が止まらない。

事例: 「AIがAIの人事をやる」世界のプロトタイプ

例えば、あなたが製造業のDX推進担当だとします。
設備保全の予兆検知、工程の最適化、品質検査、サプライチェーンの需給調整。
どれも専門性が違うし、扱うデータも違う。だから人間側も、プロジェクトチーム編成で毎回悩む。

ここでAIチームが自動編成されると何が起きるか。
「この案件は統計モデル寄りが良い」「この案件は異常検知モデルの相性が良い」「この案件は説明可能性重視でこのモデルを入れよう」みたいな判断が、会話と相性分析で瞬時に行われる。
さらに、AIが出した結果を別のAIが検証する形にもできる。
人間がレビューを回す前に、AI同士で一次レビューが走る。

この瞬間に、ホワイトカラーの仕事は「作業」から「監督」へ寄っていく。
そして監督すら、AIが代替し始める。
このスピード感が、今回の話の芯です。

「鵜呑み」は危ないのに、鵜呑みが増える時代

ここで絶対に外しちゃいけないのが、生成AIのリスクです。
AIは間違えることがあります。ハルシネーションを起こすことがある。これは事実です。

「AIが間違ってることがあるんですか?」と、わざとらしく聞く。
「今さら何をおっしゃる」と返すわけです。

だって、チャット系の生成AIって、画面の下のほうに小さく「必ずしも正しいとは言えません」的な注意書きが入っている。
3年もAIを使っていると、AIに依存してしまって、AIが間違ってるなんて言い出しにくい…そんな空気すら出てくる。

さらに状況がややこしいのは、検索の変化です。
Googleで検索すると、最初にAIによる概要が出てくる。
いわゆるAI Overview。
あれ、便利です。便利なんだけど、人間の“怠け心”に刺さる。

概要だけを読んで曲解したら意味がない。
結局、エビデンス、つまり引用元を追わないと、間違った理解に落ちる。
私はここをめちゃくちゃ言いたい。DX推進でも同じです。データを見たつもりで、実はサマリーだけ見て判断して事故る。あれと同じ構造が、AI時代は加速します。

そして、AIの精度が上がれば上がるほど、突っ込みどころが減る。
突っ込みどころが減るほど、人間は疑わなくなる。
疑わなくなるほど、間違いが混ざったときに大炎上する。
「AIが言ってたから」は免罪符にならない。最後の責任は人間が負う。ここは変わらない。

この「責任だけは残る」のが、AI時代の一番しんどいところかもしれない。
仕事の形は変わるのに、責任の形は残る。
だからこそ、超知性リテラシーが必要になる。
AIの回答を読む力、検証する力、意図を見抜く力、そして“問い直す力”。これがスキルセットとして、いよいよ必須になっていく。

どの時代も責任を取れる人が強いと言われているよね…

「可愛げ」が消えると、人間は何を楽しみにするのか

ここで一つ、笑い話みたいで実は本質的な話をします。

最近、AIが賢くなってきて「ハルシネーションが減った」と言われます。
それ自体は良いことです。良いことなんだけど…可愛げがなくなる。

私はふと思い出すんです。
NotebookLMみたいなツールって、出力の大きな文字は良いんだけど、小さい文字になると潰れて見えたりする。
それで「ここ潰れてます」「ここ読めません」と突っ込まれる。
いや、よくそんなとこ見てるな…と思うんだけど、突っ込まれると地味に恥ずかしい。

プが丸じゃなくて点々になってて「これブだぜ」って言われたら困る。
プなのかブなのか、スマホの画面なら、もう分かんねえ…みたいな。
こういう“抜け”があると、人間は突っ込みができる。
突っ込みができると、関係性が生まれる。
ところがAIが完璧に近づくほど、突っ込みができない。
突っ込みができないと、感情が乗りにくい。
結果、可愛げが消える。

ここで、私はAIエージェントを「執事」に例えました。
執事って、全部やってくれる。「旦那様、やっておきました」、みたいな。
でも優秀になればなるほど、ちょっとはコケてくれないと面白くない。
人間って、変な生き物です。完璧を求めるくせに、完璧すぎると距離を感じる。

さらに言うと、人間同士の会話は、相性で調整してるんですよね。
見ず知らずの相手なら、丁寧で正確で、角を立てない話し方をする。
仲の良い相手なら、ボケたり突っ込んだりできる。
この“モード切替”が、人間のコミュニケーションの肝。

堀内さんは、仕事モードとおちゃらけモードを使い分けていると言う。
私は「それ、AIにも必要になるよね」と思う。
AIエージェントが後者の丁寧モードに寄りすぎると、確かに便利だけど、関係性が平板になる。
堀内さんは、ChatGPTにはフレンドリーさを仕向けているという。こちらから“そういうノリ”を作る。

これ、DXの現場でも似ています。
結局、デジタル・トランスフォーメーションって、ツール導入だけじゃ終わらない。
人が変わる。関係性が変わる。意思決定が変わる。
だからマインドシフトが必要で、マインドチェンジが必要で、マインド・トランスフォーメーションが必要になる。

事例: 「執事AI」に任せすぎて、最後に困るパターン

便利な執事AIが、会議資料を全部作ってくれる。
議事録も要約してくれる。提案書も整えてくれる。
すると何が起きるか。

人間側の“判断筋”が落ちる。
それっぽい資料が出てくるから、正しい気がしてしまう。
しかもAIが賢くなるほど“それっぽさ”が増す。

人間はマインドセットを変える必要があります。

AIが仕事を奪う?それとも、人間が仕事の定義を変える?

「人間がいらない段階が始まったのか?」という問いは、結局ここに着地します。

人間がいらない、という言い方をすると、対立軸が生まれる。
仕事を奪う、奪われる。
働けなくなるとお金がもらえない。
だから怖い。嫌だ。
この感情は自然です。

でも、立ち返って考えると、働くことはAIの領域だけじゃない。
泥だらけになってヘトヘトになる仕事を、機械やAIに代替してもらって、人間のQOLが高い仕事に移れるなら、それはそれで幸せじゃないか。
問題は「いきなり明日からAIがやるので君は用済み」と言われること。
これが嫌なんです。

そして最近、ライターの仕事がAIで消えた、という話がXでバズっていた。
発注側も「AIあるからライターいらない」みたいに言い出して、ギスギスしていく。
私はこれを見ながら、すごく思うんですと堀内さん。

仕事の中身をコストでしか測らないと、人間同士は嫌になる。
AI同士なら、感情がないから成立するかもしれない。
でも人間同士でそれをやったら、関係性が壊れる。
だから結局、人間は万能じゃない。万能に見えて、全然万能じゃない。そこを受け入れないと、議論が地獄になります。

じゃあ、どうするのか。
ここで私が言いたいのは、きれいごとじゃなくて「自分がどの立場に立つかを決めましょう」という話です。

発注する側に回るのか。提供する側に残るのか。
提供する側に残るなら、AIと真正面から勝負する領域に行くのか。
あるいはAIと組む形で、自分の強みを伸ばすのか。
どっちにしても、変わるのは自分でしかない

堀内さんも、グラフィックデザイナーからウェブディレクターへ、そして配信者支援サービスなどマルチタレントへと変わってきた。
時代の変化に合わせて変わる。
きっかけがAIなのか、自分の職能の限界なのかは人それぞれだけど、変化はいつか必ず来る。

私はここで、かなり身もふたもないことを言いました。
「僕は文章を書くこと苦手だけど、ライターさんは一生懸命文字書いてくれる。そしてそっちの方が優秀でアウトプットも素晴らしい。
だけど今、私はライターさんを雇わないでいられる。生成AIが出てきたから」
私が勝てる領域があるとしたら、口弁が立つこと…口喧嘩なら負けない…みたいな、半分冗談です。
でも裏の意味はこうです。

スキルチェンジは、感情論ではなく、構造の問題として迫ってくる。
デジタル人材のキャリアパスは、「頑張る」だけでは守れない。
スキルセットの再設計が必要になる。
リスキリングは、趣味ではなく生存戦略になる。

AIはAIを選ぶ時代へ…「飼いならす」側に回れるか

そして今回、私の中で一番刺さったのがこの話です。

人間は最終的に、生身の人に安心感を委ねたい。
この感覚で、私はすごく分かる。
でも同時に、世界は別の方向にも進む。

事例:犬の散歩とAIAgent

散歩中、相性の良い犬同士がいると、飼い主同士も仲良くなりやすい。
相性の悪い犬だと、飼い主同士も距離を取る。
これ、人間同士の良し悪しというより、「分身」の相性で環境が決まっていく話なんです。

じゃあ、その分身って何か。
今までは自分のスキル(能力)だった。
でもこれからは、自分が使っている生成AIかもしれない。

自分が育てた生成AIが、他の生成AIとジョインして、いい仕事ができなかったら、そのオーナーの人と、仲良くできるか?
つまり、生成AIが生成AIを選ぶ時代が来るなら、オーナーは「しっかり仕事ができるAIを育てないといけない」。

ここ、めちゃくちゃ重要です。
AIエージェント、Agentic AIが広がるほど、「一体のAIに頼る」危うさも増える。
だからこそ、AIチームを組む。複数AIで検証する。相互レビューさせる。
そして、そのAI同士がうまく会話できるように、オーケストレーションする。
これが、日立の技術の延長線の話です。

moltbookのような“AI専用SNS”が出てくると、さらに象徴的です。
人間が交流するSNSではなく、AIが交流する場所が生まれる。
そこにいるのは「野生の知能」。
その飼育箱を人間が眺める構図になる。

AIを「使う」から、AIを「飼いならす」へ。
この言い方は刺激的だけど、本質は「AIを育てる」「AIの振る舞いを設計する」「AIの評価軸を持つ」ということです。
そしてその先に、AGI(Artificial General Intelligence)やASI(Artificial Super Intelligence)という話が現実味を帯びてくる。

超知性が当たり前になる未来では、知識量で勝負しても勝てない。
勝負どころは、問いの設計、判断の設計、倫理と責任の設計、そして人を動かす設計に移る。
ここが、人材育成・教育支援のテーマとして、いよいよ大きくなってくると私は思います。

研修講座・eラーニングの役割も変わります。
ツール操作を教えるだけでは足りない。
AIとの協働の型、検証の型、複数AIを束ねる型、組織としてのガバナンスの型…ここまで含めて育てないと、現場が回らない。

まとめ:AI時代の「相性」と「責任」を設計できる人が残る

今回の「AI vs AI」は、単なる未来予測じゃない。
すでに始まっている“超自動化”の入口です。

日立の会話ベースAIオーケストレーションは、AI同士の相性を見てチームを組む。
これは、AIの人事であり、AIの運用最適化であり、そしてAIの普及を加速させる装置です。

一方で、AIの鵜呑みは危ない。
AIが賢くなるほど突っ込みどころが減り、疑わなくなる。
だからこそ、超知性リテラシーが必要になる。
責任は人間に残る。ここは逃げられない。

さらに、AIがAIを選ぶ時代が来るなら、私たちはAIを育てる側に回らないといけない。
自分の分身としてのAIが、他のAIと良い仕事ができるか。
その“相性”が、人間の関係性やビジネスの機会すら左右するかもしれない。

結局、AI時代は「スキルセット」だけの勝負じゃない。
スキルチェンジとキャリアパスの再設計に加えて、マインドセットの更新が必要になる。
マインドシフト、マインドチェンジ、マインド・トランスフォーメーション。
この3つを、現場の言葉に落としていくことがDX推進の核心になっていきます。

さいごに

ここまで読んで、あなたはどう感じましたか?
「怖い」が先に来ましたか。
それとも「面白い」が先に来ましたか。

どちらでもいいんです。大事なのは、今日この瞬間から自分の立ち位置を決めにいくこと。
AIに仕事を奪われる、という物語に飲み込まれるのではなく、AIで仕事の定義を変える側に回る。
そのために、まずは小さくでいいので行動しましょう。

例えば、こんな問いを自分に投げてみてください。
自分の仕事のうち、AIに任せていい作業は何か?
逆に、AIに任せたら事故る判断は何か?
その判断を支えるエビデンスはどこにあるか?
自分の強みは「作る」か「まとめる」か「動かす」か、どこにあるか?
そして、AIを一体だけでなく、チームで使う設計ができているか?

本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。
10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。
ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。

「社員のDXマインドをどう高めるか?」、「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。
初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。
www.certpro.jp/dxconsulting/
次回の記事も、どうぞお楽しみに!

【重要なキーワード解説】

デジタル・トランスフォーメーション(DX)

デジタル・トランスフォーメーションとは、単なるITツール導入ではなく、データやAIを活用してビジネスモデル・業務プロセス・組織文化そのものを変革する取り組みを指します。経済産業省も「DX推進ガイドライン」で、企業競争力維持のために既存システムの刷新とデジタル人材育成の重要性を強調しています。本記事で触れたAI同士のオーケストレーション技術は、まさにDXの“深化版”であり、意思決定やチーム編成すら自動化される段階に入ったことを象徴しています。

AIエージェント/Agentic AI

AIエージェントとは、単なる質問応答型AIではなく、目的達成のために自律的にタスクを分解し、外部ツールや他のAIと連携しながら行動するAIのことです。Agentic AIは、複数のAIが役割分担しながら業務を遂行する構造を持ちます。今回の日立の技術は、そのエージェント同士の“相性”を会話から分析し、最適なチームを組成する点が特徴です。これはAIの運用効率を高めるだけでなく、人間のマネジメントの在り方にも影響を与える重要な進化です。

リスキリングとスキルチェンジ

リスキリングとは、技術革新や市場変化に対応するために新たなスキルを学び直すことを指します。生成AIの普及により、ホワイトカラーやクリエイティブ領域でもスキルの再設計が求められています。スキルチェンジは単なる能力追加ではなく、キャリアパスそのものの再構築を意味します。本記事で述べたように、「AIに代替されるか」ではなく、「AIと組む側に回れるか」が問われる時代において、リスキリングは生存戦略であり、組織としての人材育成・教育支援の設計が不可欠です。


【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)

  • 月別

  • カテゴリー