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イノベーションの本質はなにか?「感的調風」「いい感じで!」

2025年12月2日
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【記事概要】

イノベーションの本質とは何でしょうか?この問いに対して、近森満は「感的調風(かんてきちょうふう)」という独自の視点からアプローチしています。生成AIが活用される現代において、重要なのは「仕様書通り」や「正確な指示」ではなく、「いい感じにしてほしい」といった感覚的なニーズに応える柔軟性です。「アールデコ調」「イーロン・マスク的」「オランダ風」といった“何々風”に象徴されるような“感”を捉える力こそ、現代のイノベーションには欠かせない要素です。完璧さを求めるのではなく、ふわっとした感覚、ゆるやかな共感を大切にすること。そこに、ユーザーが求める価値が隠れています。本記事では、近森満の体験をもとに、「感的調風」が生まれた背景や、DX推進における感覚知の重要性、そしてマインドチェンジを促すヒントについてご紹介いたします。

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【本文】

イノベーションの本質とは、“感的調風”である。

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/

「いい感じ」は未来をつくるキーワードです

最近、「イノベーションって何だろう?」と聞かれたとき、私はこう答えるようにしています。

「“いい感じ”にすること。それが、イノベーションの本質です」

生成AIを使って何かをつくるときも、サービスを設計するときも、求められるのは単なる機能やスペックではありません。

「この画面、もっとスタイリッシュに」
「Googleカレンダー風に仕上げて」
「オランダっぽいデザインで」
「イーロン・マスクな世界観で」

こんな“何となくの指示”を受けた経験、ありませんか?
そして実は、それにちゃんと応えられる人やチームが、選ばれていく時代になっているのです。

感的調風とは何か?――「風味」を設計する力

私はこの感覚の世界を、「感的調風(かんてきちょうふう)」と呼んでいます。

noteでも詳しく解説していますが、感的調風とは、
「〇〇感」「〇〇的」「〇〇調」「〇〇風」といった“感覚の雰囲気”を意識的にデザインすることです。

たとえばこんな風に:

  • プロフェッショナル感を醸す名刺や資料のレイアウト

  • サステナブル的な文体やカラーパレット

  • アールデコ調を演出するUIデザイン

  • ヴィンテージ風の落ち着きをまとったブランドロゴ

これらは、どれも「意味」や「機能」ではなく、「印象」「気配」「風味」で語られる領域。
そして、この“印象設計”の技術こそが、イノベーションの核心になりつつあるのです。

イノベーションとは“意味”より“雰囲気”を届けること

イノベーションと聞くと、技術革新や構造改革を思い浮かべがちですが、
本当に人を動かすのは、ロジックより印象、機能より雰囲気です。

そのサービスにどんな“感じ”があるか。
その人にどんな“オーラ”があるか。
その企業にどんな“期待感”を抱けるか。

これらは、数値や要件定義では伝えきれません。
だからこそ、感的調風=空気感を整える力が、今のDX時代に不可欠なのです。

事例:「〇〇風にして」から始まる仕事の共感設計

あるクライアントから、プロトタイプの段階でこう言われたことがありました。

「Googleカレンダー風に、もっとバーティカルに」

これはもう、仕様書ではなく“感覚の依頼”です。
でも、それが実は的確な要求だったんですよね。

なぜなら、ユーザーにとって「使いやすさ」とは、「慣れた感じ」や「見慣れたレイアウト」にあるからです。

このように、“何々風”という依頼は、単なる抽象表現ではなく、ユーザー体験の再現なんです。
感的調風とは、その再現性を支えるセンスの力でもあるのです。

感的調風はブランディングの武器になる

感的調風の力は、プロダクトやサービスだけではなく、セルフブランディングにも応用できます。

たとえば:

  • SNSプロフィールの“いい感じ感”

  • オフィスの内装からにじみ出る“上質感”

  • 名刺やプレゼン資料の“信頼されそう感”

これらは「ロジック」ではなく、「印象設計」の領域です。
あなたが何者なのかを、“何となく伝わるようにする”スキル
それが、感的調風という考え方なのです。

事例:プロに「いい感じでお願いします」と頼むということ

私は昔から、デザイナーさんやクリエイターの方に「いい感じに仕上げてください」とお願いしてきました。
最初は恐縮していたのですが、ある日、ふと気づいたのです。

「プロは“いい感じ”の意味を掴み取る力がある」

むしろ、「それ、具体的にどんな感じですか?」と細かく詰めるより、
感覚の方がずっと早く伝わることもある。

だから私は、感的調風は「共感設計」であり、「信頼関係の技術」だと捉えています。
共鳴する感覚があるからこそ、アウトプットの質が高くなるのです。

DXにおける感的調風の役割

では、DX推進や生成AI活用の現場で、感的調風はどんな効果を発揮するのでしょうか?

たとえば:

  • ユーザーが迷わないUIをつくるとき

  • 社内向けにAIツールを導入するとき

  • 社員の行動変容を促したいとき

いずれも、「正しさ」だけで人は動きません。
“いい感じ”という感覚=安心感・親近感・納得感が必要です。

その“いい感じ”をデザインするのが、感的調風のスキルです。

感的調風は「AIと共創する人間の武器」

AIがあらゆるタスクを代替する時代、人間に残る役割は、
感覚の判断・文脈の理解・空気の調整です。

そしてそのすべてを担うのが、感的調風なのです。

  • 仕様書ではなく、文脈を読む力

  • ロジックではなく、雰囲気を整える力

  • 効率ではなく、心地よさを追求する力

これらは、今後のAGI・ASI時代において、人間の差別化ポイントになるでしょう。

まとめ:感的調風は“未来を感じる力”

イノベーションとは、正しさを積み上げることではなく、期待をデザインすること
感的調風は、その期待を“なんか伝わるカタチ”に変換する技術です。

「これ、なんか好き」
「この人、信頼できそう」
「この会社、雰囲気がいい」

そう思わせるすべての仕掛けには、感的調風の力が働いています。
機能の差ではなく、風味の差こそが、選ばれる理由になる時代なのです。

――― いい感じ ―――

感的調風の説明はこちらの記事を参考に!

さいごに

本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。
10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。
ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。

「社員のDXマインドをどう高めるか?」、「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。
初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。
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次回の記事も、どうぞお楽しみに!


キーワードの解説

感的調風(かんてきちょうふう)
感的調風とは、「◯◯感」「◯◯的」「◯◯調」「◯◯風」などの“なんとなく感じる雰囲気”を意識的にデザインする思考法・技術です。見た目や機能ではなく、印象・空気感・共感性を重視することで、ユーザー体験やブランド価値を高めます。生成AI時代においては、言語化しにくい“雰囲気”を整える力が、イノベーションや差別化の源泉になります。プロフェッショナル感、安心感、遊び心、高級感など、感的調風は「感覚の設計スキル」として、今後あらゆる業界で求められる要素です。

DX推進
DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進とは、単なるIT導入ではなく、企業文化や業務プロセスをデジタル技術によって根本から変革し、競争優位を築く取り組みです。感的調風のように「人間らしい感性」や「ユーザーの共感」を取り入れることで、テクノロジーと人間性の調和を実現し、より深い顧客体験へとつなげることが可能になります。

印象設計(イメージデザイン)
印象設計とは、ユーザーや他者に伝えたい「イメージ」や「世界観」を意図的にコントロールし、可視化する技術です。ロゴ、色、言葉づかい、空間設計など、五感を通じた体験を設計する手法で、感的調風の核となる考え方です。DX文脈でも、サービスや人材、組織そのものの“感じの良さ”を戦略的に高めるために欠かせません。


【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)

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