
【記事概要】
40代以降のビジネスパーソンにとって「副業」は、夢を追う冒険ではなく、現実的なライフ戦略へと変わりつつあります。
しかし副業を始めるにも、体力に頼る肉体労働型よりも、知識やスキル、そして「頭脳」を活かした“知的労働型”こそが、これからの副業の主流となるべきだと近森満は語ります。
本記事では、経営者としての立場から見た副業のあり方や、社員への副業推奨におけるリスク管理、スキル棚卸の実践方法、さらには副業を選ぶ際の注意点まで、体系的かつ実践的に掘り下げます。生成AIやクラウドソーシングの活用、自身の個性を仕事に活かす視点など、これから副業を検討するすべての人に向けた、持続可能でゆるく稼ぐための“リアルな戦略”を紹介します。「不労所得」の幻想に流されず、地に足をつけた副業設計を。あなたのキャリアに「もう一本の柱」を立てるためのヒントが詰まっています。

【著者情報】
こんにちは、IT・DX教育サービスを提供する株式会社サートプロの近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/
当社では、DX推進人材教育プログラムとして初回無料のオンラインコンサルティングを提供しています。
DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/
副業=収入源の多様化戦略
副業という言葉が身近になった今、あなたはどんな副業を思い浮かべますか?
ウーバーイーツの配達、動画編集、ブログ執筆、YouTubeチャンネル運営……。
実はこの多様化が、副業における最大のヒントなのです。
副業とは単にお小遣い稼ぎではなく、「キャリアと人生の保険」であり、リスク分散のための「収入源の第二の柱」として捉えるべきです。とくに不確実性が高まる時代、将来の選択肢を自ら広げておくことは非常に重要です。
では、その副業に取り組む上で、なぜ「頭を使え」がキーワードになるのでしょうか。
肉体より“知的労働型副業”を選べ
「副業は筋肉より頭を使え」と私が言う理由、それは本業との両立にあります。
肉体を酷使する働き方(深夜アルバイトや長距離配送など)は、短期的な現金収入にはなっても、疲労や事故リスク、本業への影響という大きなコストを伴います。一方で、知的労働型副業(執筆、アドバイザー、デジタルサービス提供など)は、時間も体力も効率的に活用でき、将来的なスキル資産にもつながるという利点があります。
このような副業には、次のような特徴があります。
・物理的な移動が不要(在宅可能)
・時間単価が高い
・スキルが積み上がり、将来に活かせる
事例: 一般社員が知的副業を選ぶ視点
たとえば、ある中堅企業のエンジニアが、副業として「業務改善アドバイザー」としてクラウドソーシングに登録。会社の許可を得た上で、週に数時間、他社の業務効率化提案に取り組んでいます。これにより、報酬だけでなく、本業での視野拡大にもつながっているのです。
副業の設計で“絶対に避けたい落とし穴”とは?
本業を壊さないために、副業設計で絶対に避けるべきものがいくつかあります。
・本業の情報や顧客リストの“持ち出し”
・知的財産や著作権違反
・SNSやネット上での機密漏洩
・情報商材や怪しい案件への安易な参加
これらは、あなたのキャリアそのものを損なう“副作用”になりかねません。今の社会は、想像以上に監視と追跡が容易な構造になっています。副業だからといって倫理観を緩めていい理由にはなりません。
信頼の積み重ねが、キャリアの最大の資産であることを忘れないでください。
スキルの棚卸しと副業リストの作り方
副業を始めるにあたり、自分の武器が何かを明確にすることは必須です。
・自分が得意なこと(スキル)
・過去の経験や業務内容
・情報収集のクセや学びのスタイル
・他者からよく相談されるテーマ
これらをスプレッドシートにまとめ、「できること」と「やりたいこと」に分類しましょう。副業は、“誰かの課題を解決できるか”という視点が重要です。
あなたの強みは、他人の悩みの解決策になり得るのです。
事例: スプレッドシートでのスキル可視化
マーケティング職の30代会社員が、自身の経験(Web解析、SNS運用、広告文作成)を棚卸しし、それを基にランサーズで副業をスタート。副業が好転して本業の新規事業にも応用が利くようになったという好循環が生まれました。
ゆるく稼ぐ副業設計=「時間×継続×再現性」
副業は「副業らしく」ゆるく始めるのが継続のコツ。
大切なのは「短期で月10万円稼ぐ!」といった高望みよりも、月1万円でも3ヶ月続けてみること。少額でも成果を出せる仕組みを作ることで、再現性が高まり、スキルや自信も蓄積されていきます。
ここで言う「仕組み」とは、
・noteやブログで情報発信して広告収入を得る
・自分の学びを資料化し、スライド販売やセミナー化
・AIツールで画像や音声を生成し収益化
といった、自分のアウトプットに“価値”をつける方法です。
生成AI時代の副業は「積み上げ型」が最強
AIが画像を描き、文章を生成し、音楽すら作れる時代。
人間が果たすべきは「発想」と「価値編集」なのです。
たとえば、
・CanvaやChatGPTを使ったSNS素材の受託制作
・音楽AIで作ったBGMをフリー音源として販売
・語り口や解説力を活かしてYouTubeやPodcastを配信
といった、「自分の持つ興味×AI活用」で、無理せず副業を始める人が増えています。
特に、サブスク型やロイヤリティ型の副業は、ストック型収入につながるという点で魅力的です。
事例: 音楽AIを活用した副収入モデル
あるミュージシャン志望の副業家は、AIで生成した楽曲をTikTokライブラリに登録し、使用されるたびにロイヤリティが発生するモデルを構築。月数千円レベルからの積み上げで、1年後には安定的な副収入源に。
最後に伝えたいこと:「副業を強制する時代ではない」
副業は、あくまで自分の人生と働き方に向き合う選択肢のひとつです。
無理に始める必要はありませんし、誰かに強制されてやるものではありません。ですが、自分のスキルや個性を活かして、少しでも“社会と接点を持つ”ことが、心の健康にも、経済的な安心にもつながっていくでしょう。
自分軸で設計し、「ゆるく・楽しく・賢く」
それが、これからの副業の理想形だと私は思っています。
まとめ:副業は「自分を活かす学び場」である
・副業はキャリアの保険
・肉体ではなく「頭脳」を使う副業が本業にやさしい
・スキルの棚卸しと“ゆるく稼ぐ設計”がカギ
・生成AIと相性の良い副業ジャンルが増加中
・行動より前に、「思考と設計」が大事
本日の内容が、あなたの「シンギュラリティ時代への準備」に向けた、わずかながらでも「気づき」や「次の一歩」のヒントになれたなら幸いです。
10年先の超知性ASIやAGIが当たり前になる未来に向けて、私たち自身をアップデートし続けることが、今最も重要です。
ぜひ一緒に学びを深めていきましょう。
「社員のDXマインドをどう高めるか?」、「実践的なITスキル教育が進まない」など、DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みでしたら、ぜひ一度お聞かせください。
初回無料の「DX推進人材教育プログラム」コンサルティングにご応募いただければ、あなたの組織の課題解決に必ずお役に立ちます。
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生成AI導入を検討させている方は、こちらもご覧ください。
セキュリティから活用方法まで、サポートさせていただきます。
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次回の記事も、どうぞお楽しみに!
キーワードの解説
副業
副業とは、本業とは別に収入を得るための仕事のことを指します。近年では、会社員や公務員の方でも制度的に副業が解禁される流れが広がっており、「本業+α」の形でキャリアを設計する人が増えてきました。副業は単なるお小遣い稼ぎではなく、自分のスキルや経験を社会に提供し、新たなつながりや学びの機会を得られる場でもあります。特に、知的副業は心身の負担も少なく、長期的に継続しやすい特徴があります。
スキルの棚卸し
スキルの棚卸しとは、自分が持っている能力・経験・知識を洗い出して整理することです。副業を始める前にこの作業を行うことで、自分にどのような仕事が向いているか、どのように収益化できるかが明確になります。具体的には、得意なこと、過去の業務経験、人からよく頼まれることなどをリストアップし、自分の「強み」を客観的に捉えることがポイントです。これが、副業やキャリアチェンジを成功させる第一歩となります。
知的労働型副業
知的労働型副業とは、体力ではなく頭脳や経験、スキルを使って行う副業のことです。たとえば、文章執筆、資料作成、デザイン、オンライン講座の開講、アドバイザー業務などが該当します。このタイプの副業は、場所や時間に縛られず、継続性やスキルアップの観点からも優れており、本業への悪影響を最小限に抑えながら副収入を得ることが可能です。特に、リモートワーク時代の現代においては非常に相性が良いスタイルです。
【著者紹介】
近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
・IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
・一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
・電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
・NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
・ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
・経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
・経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
・デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
・DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
・一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
・”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
・アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
・一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)


