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【知らないと危険】会社の信頼を失うかも? 生成AIの「倫理」と「セキュリティ」の落とし穴

2025年10月31日

こんにちは! 「生成AI時代のアップデート勉強会」です。

隔週にてお届けしているメールマガジンで、最新の生成AIやDX、

リスキリングなどをテーマに情報をお届けしております。

 

さて、本日の話題です。

ChatGPTなどの生成AIがビジネスを大きく変え、日々の業務で

その便利さを実感されている方も多いのではないでしょうか。

 

資料の要約、メール文面の作成、アイデアの壁打ち…。 

まるで、優秀なアシスタントがいるかのように、私たちの生産性を

飛躍的に高めてくれます。

 

しかし、その裏側で企業の未来を左右しかねない「重要な問題」が

浮かび上がっていることにお気づきでしょうか。

それは、「AI時代の倫理とセキュリティ」です。

 

今回は生成AIを安全に、そして、正しく活用してビジネスで活かす

ために、全員が必ず知っておくべき「倫理」と「セキュリティ」ついて

わかりやすく解説していきます。

 

1.生成AIは私たちの「鏡」

私たちは、生成AIを「答えをくれる魔法の箱」と捉えがちです。 

しかし、その実態は少し違います。

 

実は生成AIは、私達の社会をありのままに映し出す「巨大な鏡」の

ような存在なのです。

これは、インターネット上に存在する膨大な文章や画像などを学習

データとして日々、読み込んでいるからなのです。

 

そこには、貴重な知識やノウハウ、画期的なアイデアもありますが、

残念なことに、誤った情報や偏見や差別的な考えも存在します。

 

生成AIは、善悪を区別することなく、読みこんだデータを統計的に

処理して、もっともらしい答えを生成します。

 

ここで、ひとつ想像してみてください。

 

・もし、自社の採用活動で使っている生成AIが、過去のデータから

 「特定の性別や出身地は採用しない」という偏見を学習したら? 

 

・もし、マーケティングを生成AIで行い、顧客を不快にさせるような

 差別的な広告コピーを自動で生成してしまったら?

 

その時、「生成AIが作ったから仕方ない」で済まされるでしょうか。

答えは「ノー」です。 

 

生成AIから出力した内容についての責任は、それを利用している

私たち人間にあります。

生成AIに適切な倫理観を持たせるには、私たち自身が情報の発信

やデータの管理に責任をもつ必要があるのです。

生成AIという「鏡」に何を映すのか、これを決めるのは私たち自身

の行いなのです。

 

2.セキュリティは「技術」ではなく「人」

「セキュリティ対策は、情報システム部門が最新ソフトを入れている

から万全だ」

もし、そう考えているとしたら、それは非常に危険かもしれません。

 

例えば、どんなに頑丈で複雑な鍵のある金庫でも、鍵自体をかけ

忘れる、暗証番号を書いて外側に貼っているなどの問題があれば、

それは全く意味をなしません。

 

サイバーセキュリティの世界も、これと全く同じです。 

技術的な防御はもちろん重要ですが、セキュリティの最大の穴は

いつの時代も「人間」なのです。

 

・簡単なパスワードを使い回してしまう。

 

・「緊急」「重要」という件名に騙され、不審なメールの添付

 ファイルを開いてしまう。

 

・生成AIに、顧客情報や社外秘の情報を読ませてしまう。

 

このように知らずに「うっかり」という出来事が、あなたの企業の

存続を揺るがす、重大な情報漏洩(ろうえい)につながるケースが

後を絶ちません。

セキュリティは、個々の従業員の意識と行動にかかっています。 

 

以下の基本的な習慣は、いまや全ビジネスパーソンの必須スキル

と言えるでしょう。

 

・パスワードを複雑にする。使い回さない。

 (ツールを活用して、人間が覚える必要のない状態をつくるのが

  理想です)

 

・送信元が不確かなメールやリンクは決して開かない。

  (少しでも怪しい時は、すぐに担当部署へ相談するルールを徹底

  しましょう)

 

・SNSで業務の情報や個人情報を安易に公開しない。 

 (何気ない投稿が、攻撃のヒントになることがあります)

 

・生成AIに入力してはいけない情報を明確に理解しておく 

 (自社のガイドラインを確認し、判断に迷う場合は利用を控える)

 

技術の盾に頼るだけでなく、私たち一人ひとりが情報リテラシー

という「内なる盾」を鍛えることが、最も効果的な防御策となるの

です。

 

3.企業の信頼を守る「守りのDX」

前項までは、個人レベルの意識についてお話してきました。

しかし、この問題を各個人の注意に任せるのは限界があります。 

これからは、企業として組織的に取り組むことが不可欠です。

 

AI時代の倫理とセキュリティへの対応は、もはや面倒なコストでは

ありません。 それは、顧客や社会からの信頼を守り、未来の成長を

支えるための重要な「投資」です。

 

では、企業は具体的に何から始めるべきでしょうか。 

その答えは、「明確なルール作り」と「継続的な人づくり」です。

 

(1)透明性のある「利用ガイドライン」を策定

生成AIを何のために、どのように使うのかを明確にし、全従業員

がアクセスできる形で公開します。 

特に、入力が禁止されている情報(個人情報、顧客情報、社外秘の

技術情報など)を具体的にリスト化し、判断基準を明確にすること

が重要です。

 

(2)データの適正な管理体制を構築

顧客データや機密情報の取り扱いルールを、AI利用の観点から

見直します。

誰がどのデータにアクセスできるのか、AIに学習させるデータは

どのように管理するのか、といったポリシーを厳格に定めます。

 

(3)定期的な「従業員教育」の実施

ガイドラインは、作って終わりでは意味がありません。

eラーニングや集合研修を行い、生成AIのリスクや最新のサイバー

攻撃の手口について学ぶ機会を定期的に設ること、セキュリティ

意識を常にアップデートし続けることが大切です。

 

これらの取り組みは、不正利用や情報漏洩のリスクの低減だけで

はなく、「私たちは倫理観をもってAIを活用する企業です」という

社会への力強いメッセージにもなります。

 

4.生成AIのリスクを理解する

生成AIの技術進化は、私たちのビジネスに大きな恩恵をもたらす

一方で、新たな課題も突きつけています。

しかし、それのことを理由に生成AIを恐れたり、遠ざけたりしては

なりません。 

 

大切なのは、その特性とリスクを正しく理解し、私たちが主体的に

関わっていくことなのです。

 

・個人は情報リテラシーを高め、自らの行動に責任をもつこと。 

・企業はルールや基準を設けて、組織で生成AIと向き合うこと。

 

生成AIに、ただ「答え」を求めるのではなく、生成AIと共に「より

良い問い」を探し、未来を創造していく。 

そんな姿勢こそが、変化の激しい時代を生き抜き、成長を続ける

ための鍵となるのではないでしょうか。

 

いかがでしたでしょうか? 

すこしでも皆さまの気づきになれば幸いです。

それでは、また次回のメールマガジンでお会いしましょう!

 

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