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知らないと損?GeminiとGoogle連携で実現する時短術

2025年7月29日
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  【記事概要】

Googleの生成AI「Gemini」を外部記憶装置として活用し、Googleカレンダー、ToDo、Keepなどのサービスを瞬時に呼び出す新しいワークスタイルを紹介します。

ブラウザやアプリ上で「@」を入力するだけで各サービスにアクセスでき、予定の登録やタスク管理、メモの保存がシームレスに可能です。特に、会議や予定を1件ずつ自然言語で登録したり、連続日程を一括で作成する方法は、業務効率を飛躍的に高めます。

さらに、Google Keepでの情報ストックやToDoによる期日管理もGemini内で完結でき、まさに「外部脳」として機能します。将来的には、日本でもAIエージェント機能が利用可能になり、ノーコードで高度な自動化が実現すると期待されます。本記事では、近森満氏が実際に試した操作例を交え、超知性AI時代におけるDX推進のヒントと、日常業務への具体的な適用方法を解説します。

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  【著者情報】

こんにちは、IT・DX教育サービスの株式会社サートプロ 近森満です。
www.certpro.jp/blogs/dx_chikamori/

当社では「DX推進人材教育プログラム」として初回無料のコンサルティングを提供しています。DX推進や人材育成のご相談をお待ちしています。
www.certpro.jp/dxconsulting/

 

 

はじめに:Geminiを「外部脳」にするという発想

生成AIの活用が一般化してきた今、単に文章を生成したり質問に答えさせるだけでは、もう差別化にならない時代になっています。重要なのは、AIを「作業の一部」としてではなく「思考の一部」として組み込み、まるで自分の脳の延長のように使うことです。

GoogleのGeminiは、そのための最適な土台になり得ます。特にGoogleカレンダー・Google ToDo・Google Keepと連携させることで、記憶や予定管理の負担をほぼゼロに近づけられます。

私はこれを「外部脳化」と呼んでいます。AIが単なる道具ではなく、もう一人の自分として記憶・計画・実行を補助してくれる存在になるイメージです。

外部脳の条件

外部脳として機能させるためには、以下の条件を満たす必要があります。

①瞬時に呼び出せること
アプリ切り替えやマウス操作を最小化する。

②自然言語で操作できること
コマンドや操作フローを覚える必要がない。

③複数の記録・管理システムにシームレス接続できること
カレンダー・タスク・メモの一元管理が必須。

④記録から行動への変換が自動化されていること
メモがタスク化され、タスクが予定化される流れがスムーズに。

GeminiとGoogle Workspaceの統合は、この4条件をほぼ満たしています。

 

 

「@」で始まる魔法のショートカット

Geminiのプロンプト欄で「@」を入力すると、Googleサービスの一覧が即表示されます。
これが非常に重要なポイントで、ブラウザやスマホアプリを切り替える必要なく、Geminiから直接以下の操作が可能になります。

・Googleカレンダーの予定作成・検索・編集

・Google Keepへのメモ追加・検索

・Google ToDoのタスク作成・完了管理

・Gmailでのメール参照や下書き作成

・Googleドライブやドキュメントの呼び出し

これらを「思考の流れを止めずに」できることが最大の価値です。

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実践事例① 単発予定の即時登録

たとえば、Gmailで顧客から日程提案が届いたとします。

従来なら…

①メールを確認

②別タブでGoogleカレンダーを開く

③日付と時間を手入力

④保存

Gemini連携なら…

・そのままGeminiに
「8月1日 9時から1時間、社内ミーティングを登録」
と打ち込むだけ。

 数秒後にはGoogleカレンダーに反映されます。

ポイント

・「誰と」「何を」「いつ」「どこで」を文章で指示するだけで済む。

・頻繁に行う業務ほど効果が大きい。

 

 

実践事例② 連続予定の一括生成

Geminiにはまだ完全な一括登録機能はありませんが、工夫すれば「連続技」が可能です。

例:「8月4日から8月8日までの平日、毎日9時から1時間、社内ミーティングを設定して」

このように自然言語で期間と繰り返し条件を指定すると、5日分の予定を一気に作成してくれます。

これが有効なのは…

・定例会議

・研修スケジュール

・短期集中プロジェクトの日程設定

業務効率化効果

・カレンダー画面で日付を一つずつ選ぶ必要がなくなる。

・コピペやテンプレートよりも直感的で早い。

 

 

Google Keepとの連携

Google Keepは、発想や情報を「とりあえず置いておく場所」として優れています。
Gemini経由なら、思いついた瞬間にKeepへ記録できます。

例:
「Google Keepに『新規顧客向け提案書のアイデア』を追加して」

さらに、Keepに保存した情報は後からGeminiを通じて呼び出せます。
「Google Keepから『提案書』で検索」→関連メモが瞬時に表示。

 

 

Google ToDoとの連携

ToDoは期限付きタスク管理に特化しており、Gemini経由で簡単に設定できます。

例:
「Google ToDoに『企画書の最終確認』を来週水曜の15時に設定」

Keepに保存したメモを、後からタスク化することも可能です。
これにより、「アイデア」→「タスク」→「実行」という流れが中断されずに繋がります。

 

 

DX推進の視点からの活用意義

単なる業務時短ではなく、組織全体の情報フローを再設計できる点がDX的に重要です。

①入力ポイントの統合
社員がどのツールを使っても、最終的にGemini経由で一元化。

②情報のロス防止
メール・チャット・会議メモが即タスク化され、漏れがなくなる。

③属人化の排除
個人の頭の中だけにある情報を外部脳に預け、チームで共有可能に。

 

 

未来展望:AIエージェント時代

米国では既に「Oper」などのAIエージェントがβ提供されており、日本でも利用可能になるのは時間の問題です。
これにより、Geminiは「命令を聞く相棒」から「自主的に動くアシスタント」へ進化します。

・ノーコードで自動ワークフローを作成

・条件分岐や承認フローの自動化

・他のSaaSやAPIとの直結

これが実現すれば、事務作業の多くは「お願いする」だけで完結します。

 

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まとめ:外部脳の第一歩を踏み出そう

GeminiとGoogleサービスの連携は、既に誰でも試せる段階にあります。
まずは1つだけでも「Gemini経由で予定を入れる」という習慣を始めてみてください。
その瞬間から、あなたの脳は軽くなり、思考はより創造的な領域にシフトします。

いかがでしたでしょうか?
すこしでもみなさまの気づきになれたのであれば幸いです。
DX推進担当者の育成やIT教育研修でお悩みがあれば、ぜひ初回無料のコンサルティング「DX推進人材教育プログラム」にご応募ください。かならずお役に立ちます。
www.certpro.jp/dxconsulting/

生成AI導入を検討させている方は、こちらもご覧ください。
セキュリティから活用方法まで、サポートさせていただきます。
certpro-generationaiservice.sfsite.me/

 

 

 

付録A:Google Gemini × Googleサービス連携コマンド100選

A-1 カレンダー操作

①8月10日 14時から2時間 プロジェクト会議を登録

②来週水曜13時から社外商談を追加

③毎週月曜10時から定例ミーティングを3か月間設定

④明日9時の会議にZoomリンクを追加

⑤来週金曜の予定を削除

⑥午後の会議時間を30分前倒し

⑦「採用面接」を毎週火曜10時に1か月設定

⑧今日15時の予定を延期して明日同時刻に移動

⑨8月中の金曜日に週次レポート会議を設定

⑩既存予定に参加者を追加

 

A-2 ToDo操作

①金曜までに契約書確認のタスクを追加

②来月5日までに研修資料作成

③A社訪問タスクを完了に変更

④3月末までに10件の見積作成タスクを登録

⑤「資料送付」タスクを明日に延期

⑥社内報作成タスクを毎月25日に繰り返し設定

⑦顧客フォロータスクを今日中に追加

⑧緊急タスクに「至急」タグを付与

⑨「経費精算」タスクの期限を1週間延長

⑩完了済みタスクをまとめてアーカイブ

 

A-3 Keep操作

①新規製品アイデアをメモに追加

②提案書の構成案を保存

③メモから「企画書」で検索

④最新の会議メモを呼び出し

⑤重要メモに「優先」ラベルを付ける

⑥メモを共有メンバーに送信

⑦Keepに写真メモを追加

⑧ボイスメモを作成して保存

⑨リスト形式で買い出しメモを作成

⑩期限付きリマインダー付きメモを登録

 

 

付録B:部署別テンプレート集

営業部門

・商談成立時:
「@Googleカレンダー A社商談 8月12日 14時開始」
「@Google ToDo 商談準備 来週月曜午前中まで」
「@Google Keep 商談用プレゼンアイデア保存」

 

開発部門

・スプリント開始時:
「@Googleカレンダー スプリント計画会議 来週月曜10時」
「@Google ToDo コードレビュー 水曜午後まで」
「@Google Keep バグ修正リスト更新」

 

管理部門

社内イベント準備:
「@Googleカレンダー 全社会議 9月1日 13時」
「@Google ToDo 会場予約 今週金曜まで」
「@Google Keep イベント企画案保存」

 

 

 

付録C:AIエージェント自動化設計図サンプル

C-1 営業支援エージェント

・トリガー:Gmailで「商談確定」件名メール受信

・アクション1:カレンダーに予定登録

・アクション2:ToDoに商談準備タスク作成

・アクション3:Keepに顧客要望メモ保存

 

C-2 会議準備自動化

・トリガー:カレンダーに「会議」予定作成

・アクション1:前日15時に出席者へリマインドメール送信

・アクション2:会議資料リンクをチャットで送信

・アクション3:ToDoに議事録作成タスク追加

 

 

  【キーワードの解説】

1. 外部記憶装置(External Brain)

外部記憶装置とは、人間の脳が直接保持する情報ではなく、外部のツールやデバイスに保存された情報を即座に参照できる仕組みを指します。デジタル時代では、クラウドサービスや生成AIを組み合わせて、スケジュール・タスク・メモ・ナレッジなどを瞬時に呼び出せる環境を作ることが可能です。本記事で紹介したGoogle GeminiとGoogleカレンダー、Keep、ToDoの連携は、まさにこの外部記憶の実践例であり、情報の記録と活用をシームレスにつなげることで、思考負荷を減らし創造的な活動に集中できます。

2. マインド・トランスフォーメーション(Mind Transformation)

マインド・トランスフォーメーションは、単なるスキル習得やツール導入ではなく、仕事や生活における考え方や価値観そのものを変革することを意味します。AIやDX推進の現場では、新しい技術を「便利な道具」として使うだけでなく、業務プロセスや意思決定の枠組みをAI前提に再設計するマインドチェンジが不可欠です。本記事では、Gemini活用を通じて「人がツールを使う」から「ツールに仕事を任せる」への発想転換を促しています。

3. E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trust)

E-E-A-TはGoogleの検索品質評価ガイドラインで重要視される評価基準で、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trust(信頼性)の頭文字を取ったものです。特にTrust(信頼性)は中心的な評価軸であり、いくら経験や専門性があっても信頼できない情報は低評価となります。Geminiや外部記憶装置の活用においても、情報源の信頼性を担保し、正確で検証可能な情報を組み込むことが、DX推進や業務効率化の成果を左右します。

 

 

  【著者紹介】

近森 満(ちかもりみつる)
■株式会社サートプロ 代表取締役CEO
IT技術者の教育支援と人材育成を専門とする事業化コンサルタントとして、2006年に株式会社サートプロを創業し、IoT検定、+DX認定、アジャイル検定などの資格制度を創出。独自の技術者向け教育研修の開発に定評があり、実践的なスキル向上を支援。経済産業省DX推進ラボおよびIoT推進ラボのメンターとして、自治体や中小企業のDX推進を支援。近年は超知性ASIスキル可視化にも取り組み、次世代技術の普及に注力している。
■所属・役職
IoT検定制度委員会 事務局長(IoT検定、+DX認定、超知性ASI検定)
一般社団法人 IT職業能力支援機構 理事長(Android資格)
電気・電子系技術者育成協議会 副理事長(E検定)
NPO 組込みソフトウェア管理者技術者育成研究会 メンバー(組込み)
ET教育フォーラム合同会社 代表(コンテンツ制作)
経済産業省地方版IoT推進ラボ ビジネス創出事業メンター(IoT支援)
経済産業省地域DX推進ラボ ビジネス創出事業メンター(DX支援)
デジタル庁デジタル推進委員(デジタル化支援)
DX事業共同組合 設立理事(DX推進)
一般社団法人日本サステナブルビジネス機構 幹事(SDGs認証)
”一億総活躍社会を実現する”共生日本協議会 理事(DEI支援)
アジャイル開発技術者検定試験コンソーシアム 事務局長(Agile検定)
一般社団法人国際サイバーセキュリティ協会 事務局長(IACS認定)

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